タカラヅカでRRR

今年入って初めてのタカラヅカ。 演目は「RRR ☓ TKARAZUKA 〜 √Bheem 〜」と「VioleTopia ヴィオレトピア」
星組の公演。私はあまり詳しくないが、星組の公演に行くのはめずらしい。演目がRRRだったので興味があった。

この映画の内容は後で紹介するとして、「RRR」で有名になったダンス、「ナートゥ・ナートゥ」、これが見たかったというのが主な理由。見ているだけで楽しくなるダンス、しかし激しくて振りも見ているだけでは追いつかない、すごいスピード。これを舞台で本当にやるのだろうか。映画なら何回も撮影してフィルムにすることはできるだろが、本番一回のダンスで? それが楽しみだった。

タカラヅカの舞台を見る前に、VTRで映画「RRR」を見た。見て初めて知ったのは「この映画はインドのイギリスの植民地支配から独立をテーマ」にしていることだった。
インドの独立はガンジーの非武力闘争によって、とテスト用に暗記しているぐらいの知識だったのが恥ずかしくなった。
プログラムを引用すると、
「映画『RRR』は東南インドのテルグ語地域(現在のアーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナ州)を舞台として、この地で20世紀前半に活躍した実在の民族運動家アッルーリ・シーターラーマ・ラージュとコムラム・ビームをモデルにしています。当時インドはイギリスの植民地統治を受けており、過酷な搾取や非人道的な差別に対する解放闘争が各地で起こっていました。・・・」

歴史上のラーマとビームは出会ったことはないそうだ。しかし「もし出会っていれば」という仮定でこの映画は作られているそうだ。
映画と舞台の二人は勝利する場面が描かれているが、実際にはふたりとも政府軍によって銃によって殺されているとプログラムには書かれている。
インドの植民地支配からの独立は教科書で習ったが、この映画を見るまではその中身を知らなかった。そういう意味では先にVTRを見ていて、舞台の進行がよくわかった。

 

上の写真はアルバムにある映画「RRR」の紹介しているとこる。
ダンス「ナートゥ・ナートゥ」の魅力がわかるところ。プログラムの説明には、
「ナートゥとはテルグ語でローカル、つまり『地元産の』『在地の』という意味です。ラーマとビームはインド人としての誇りをこのダンスに託し、高慢な差別主義者のイギリス人ダンスバトルを挑んで勝利します。ただ『在地の』とは言っても伝統的な古典舞踊ではなく、振付家ブレーム・ラクシトが庶民的なダンスから着想を得て創作した現代のダンスです。とある。

こんなすごいダンスを創作したのか、と感心するばかり。
ビーム役を礼真琴さん、ラーマ役を暁千星さん。
そしてイギリス人のジェニファー役を舞空瞳さん。

三人とも息をつかせぬ速いスピードのダンス、足の動きにおどろいた。
このスビードでよくもつなあ、と思いながら舞台を見ると、踊っているみんなが同じ様に踊っていることにびっくり。さすがだなあ、日々の修練の賜物とはこれをいうのだなあと思った。

映画と舞台とではラストが違う。
それは両方を見てのお楽しみなのでここではふれない。
映画でも舞台でも印象に残ったのは
「お礼に君の願いを叶えさせてほしい」
「読み書きを教えてほしい」

文字は力だ、ということを新ためて確認した。
「夕焼けを見てもあまり美しいとは思わなかったけれど、字を覚えて本当に美しいと思うようになりました」と書いた北代色さんを思い出した。
NHKの「英雄たちの選択」でジョン万次郎は英語を自分のものにすることによってアイデンティティを確立したということが紹介されていた。
言葉、文字の大切さ、どちらも力になり自分というアイデンティティに必要なこと。

蛇足だが、タカラヅカの舞台では「文字の読み書き」だけでなくもう一つ言っていた。それは「ダンス」。さもありなん。タカラヅカの舞台らしいと思った。