シルバーリングを作る

大阪市平野区にある、大阪市立クラフトパークで「春の1日体験教室」があった。
金工教室が面白そうなので申し込んだ。
金工教室では「シルバーリングまたはピンプローチ」の制作体験ができた。
6人の体験者がいた。小学生の子もいて、工作好きのようだった。

鉄床の上にある金属片が指輪になるまでの作業を思い出しながら書いてみよう。
まず指の大きさに合わせて切る。

模様をつけるための工具がたくさんある。 指輪に頭文字や日付入れたかったので文字を打ち込むための金属棒を金槌でたたくのだが、指が固定できずに歪んだり、思った位置に印をつけることができない。簡単そうに思ったが、熟練の業がいりそう。
そこで表の模様は金槌で斜めの線をいれることにした。

金槌でたたくと金属が伸びるので、もう一度長さを合わせて切ってもらう。
丸くするために金属片をバーナーで熱して作業しやすい柔らかさにしてもらった。

鉄?の棒に巻いて、金属片を指輪のようになるように曲げていく。
最後は木槌で両端がきっちりとくっつくように叩いていく。
そのあとは、やすりで指輪の表面や角をみがいていく。

講師の先生に最終の調整をしてもらい、もう一度ヤスリで表面や角をなめらかにする。 次の作業は金属片の両端を「ろう付け」して指輪の形にすること。
銀ろうというものを使うそうだ。
奈良の大仏も金属を溶かして作っているのだから、ろう付けの歴史は古そうだ。
くっついたあとは、硫酸で表面についた銀ろうをとかすので、10分ほどその作業を講師の先生におまかせする。私はしばしの休憩。

休憩中に中の見学。「吹ガラス教室」や「織物教室」などが興味深かった。

指輪は完全な円になっていないので、丸い金属棒に通して、木槌で軽く叩いていく。
急いで叩くと金属が伸びるのでゆっくり、という注意があった。なるほど。
講師の先生の話によると、「ここまでアナログな体験教室はあまりありません」ということだった。
現在はどうされているのですか?と聞くと、
「今は3Dプリンターを使って型を作っていきます。そこに金属を流して製品にしていきます」ということだった。なるほど、金属の棒から叩いて丸くして指輪を作るというのは確かにアナログだ。でも体験としてはとてもおもしろい。

完成した指輪とブローチ。
2時間半あまりの作業だった。金槌で何回も叩く作業だったので、肩が凝ってしまった。ここクラフトパークでは、5月の連休の体験講座や、子どものための体験講座が計画されていて、私ももう一度やってみたいなあと思った。
こういった施設は私達のイノベーションを刺激する大切なものだと思う。

 

 

名探偵コナンのレモンパイ

昨年買ったレモンの木に、実がなっているので、それを使ってレモンパイを作ってみようと思った。
ネットで色々と作り方を検索していると、クックパッドに「名探偵コナン蘭のレモンパイ」というレシピが見つかった。
レモンが2個くらい必要そうだが、1個しかないので、分量を少し減らしながら作ることにした。

冷凍パイシート(2枚入り)を買ってきた。
レモンを塩でしっかりと洗う、とレシピに書いてあるの。

ピーラーでレモンの皮をむき、沸騰したお湯にくぐらせる。
皮を剥いてあるので、レモンを絞るのは少し簡単。レモン汁25グラムをとる。

レモンの皮を切る。
苦みを抜くために3〜4回ゆでこぼす。私はここの注意を飛ばしてしまったので、できあがりは少しかたく苦みのあるものになってしまった。
砂糖、水、レモンの皮をいれて煮る。焦げないように注意する。レモン汁も少し加える。紅茶のティーバッグも加えると、色付けができる。

レモンカードを作る。
砂糖40グラム、無塩バター10グラム、卵1個、レモン汁25グラム。
湯煎にかけて、とろとろするまでよく混ぜる。

次にアーモンドクリームを作る。
室温に戻したバター35グラムに砂糖25グラムを2,3回にわけて加えて混ぜる。
溶き卵(1/2個)を少しずつ加えながら混ぜる。

アーモンドプードル25グラムを加えて混ぜてできあがり。
パイシート1枚を適当な大きさの円盤にする。
余った切れ端のパイシートで円盤の周辺に堤防のように壁を作る。
パイシートの中に食パン(ホシノ天然酵母で作っておいた食パンを利用)をちぎって写真のように一面に並べる。これはパイの下に水分が出ていくのを防ぐため。
レシピによると、ホットケーキやカステラでもいいそうだ。

アーモンドクリームを塗り、その上にレモンカード、レモンピールをのせる。
もう1枚のパイシートを棒状に切り、網目のように乗せていく。

最後に卵黄を塗っても良いそうなので、私はぬることにした。 200度で20分、180度に下げて10分、170度で15分ゆっくりと焼く。 焦げそうかなと思ったので、最後はアルミホイルを被せて焼いた。
しっかりと中まで火が通っているので、歯ごたえもある。
中にパンがあるとは想像もできない。自分が育てたレモンだと思うと、少々の不手際も無視。美味しいおやつになった。
(レシピをクックパッドに提供されたmomoka_cに感謝。)

 

 

 

銅鐸をつくる

堺市立みはら歴史博物館で、銅鐸を作る講座があった。 銅鐸はどのようにして作られたのだろう。 博物館の展示から概略を紹介してみよう。 
「銅や鉄といった金属で作られた道具は弥生時代に大陸から日本列島にもたらされ、それらを加工する新しい技術「鋳造(ちゅうぞう)」も伝わります。日本列島で最も早く制作されるようになったのは、銅と錫、鉛を混ぜた青銅器で、北部九州では弥生時代前期末(今からおよそ2400年前)に鋳造が始まったとかんがえられています。・・・後略・・・」
銅などの金属を溶かすのだから、1200度Cぐらいの高温が必要だ。
それだけの技術があったわけだ。

体験講座だから1200度まで加熱することはない。 講座用に作られた合金を電熱器で加熱する。 右は銅鐸の型。なんと細かく彫られているのだろう。

しばらくすると合金が溶け出す。銅鐸の型にパウダーを塗って、合金がまんべんなく流れるようにする。

型を輪ゴムでしっかりと止める。
注ぎ口から、溶けた合金を注ぎ込む。中が見えないからまんべんなく金属が流れていったのかわからない。これは経験しかないのかもしれない。

左は注ぎ口の部分を上から見たところ。
注いだ金属が見えている。
右はしばらく冷やしたあと、輪ゴムを取り外し、
2つに分かれたところ。
金属が固まり、銅鐸の形になっていることがわかる。

 

余分な部分を金ノコで切る。 これが思いの外かたい。弥生時代には金ノコなどなかっただろう。一体どうしていたのだろう。 これはまだ謎らしい。

銅鐸はもともと音を鳴らすためのものだったそうだ。 私達も風鈴のように、銅鐸のなかに、棒を糸でつるす。この棒は舌(ぜつ)というそうだ。 舌と銅鐸がふれあうときれいな音がなる。 弥生時代の人には、金属と金属がふれあってきれいな音が出る、という体験は衝撃的だったのだろうと思う。これまで聞いたこともない音がなる。この音に惹かれたのだろうと想像する。

講座の講師は、大阪府立弥生文化博物館の学芸員の高瀬さんだった。 博物館の役割や銅鐸や昔の貨幣を作る体験講座の大切さを力説されていた。 ミニチュアの銅鐸だったけれど、弥生時代の人たち、今から2000年前の人達が未来を夢見ながら銅鐸を作ってきたのだろうと思う。 楽しい体験講座だった。