太陽系モビール2

正12面体と正20面体、どちらが球に近い?

太陽系モビールを作ってみたが、実物サイズの大小関係がわかるものが作れないかと考えた。
ネットや本で調べてみると、紙粘土や風船などを使って実物サイズがわかるモビールがたくさん紹介されていた。
私はこれを正多面体で作れないものかと考えた。

まず正12面体と正20面体をつくってみた。
私の予想では正20面体が確実に球に近く見えるだろう、と思っていた。が上の写真のように正12面体が結構ボール状になっている。
家族に聞いてみても、正12面体のほうがなんとなく球に近く見えるというものだった。

そこで正12面体と正20面体を数学的に調べることにした。

ネットで調べていると、私と同じ疑問を持っている方がブログにアップされていた。
(正12面体と正20面体ではどっちが丸いか? 木製正多面体模型の活用法 中川宏)

http://woodenpolyhedra.web.fc2.com/201105.pdf

https://ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu/1603.pd

https://ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu/1653.pdf

このブログによると、正12面体の一辺を1とすると、
 外接円の半径は 1.4012
   面積比は 76,8%

正20面体の一辺を1とすると、
 外接円の半径は 0.951
   面積比は74.6%

となり、正12面体のほうが外接円の面積を比べると円にちかいことがわかる。
(内接円では正20面体のほうが円に近くなる。詳しくは上記のブログを見てください。丁寧に計算されている。)

さらにこのブログでは、木製の正12面体と正20面体を作って、斜面での転がる状態を観察されている。結果は正12面体のほうがよく転がっていることがわかった。
(この実験結果も上記のブログに紹介されている)

正12面体で太陽系もビールを作る

それでは正12面体で太陽系の惑星をつくってみよう。

まず正12面体の外接円の直径の長さを求めよう。
これもネットに求め方の参考になるものがあった。
(正12面体のいろいろな計算(対角線・表面積・体積・内接球・外接球)高校数学の美しい物語)

https://manabitimes.jp/math/2717

このブログによると、外接円の直径は(正12面体の一辺を1とすると)

(√3+√15)/4

である。これを計算すると約2.803

仮説実験授業で太陽系モデルを作る授業があったことを思い出し、ネットで調べてみると、ピッタリのものが見つかった。
(太陽系10億分の1模型 ホーホー村教育研究所2000.1.7  3.11一部改定 2011.8 一部改定)

http://houhouken.web.fc2.com/solar.htm

このブログに太陽系の10億分の1のデータが詳細されている。
そのデータをここに引用すると、

惑星   直径

太陽  140センチ
水星    5ミリメートル
金星   12ミリメートル
地球   13ミリメートル
火星    7ミリメートル
木星   14センチメートル
土星   12センチメートル
天王星   5センチメートル
海王星   5センチメートル

この数字なら紙で正12面体が作れそうだ。
実際に作り始めると、正五角形の一辺を何センチにするかが問題となった。
正12面体についての上記のブログの計算によると、

正五角形の一辺の長さをaとすると、外接円の直径r は、

r=2,803✕a

という関係がある。

地球の正12面体を作るとき、作りやすい正五角形の一辺の長さを考えると、
1.5センチが作りやすそうだ。このときの地球の直径は
 2,803✕1.5は、約4.2 センチとなる。これくらいの大きさなら見やすいだろう。

必要な正五角形の一辺の長さを計算すると、おおよそ次のようになった。

水星  0.6センチ
金星  1.5センチ
地球  1.5センチ
火星  0.9センチ
木星  18センチ
土星  15.2センチ
天王星 6.5センチ
海王星 6.3センチ

上のような一辺の長さを持つ正五角形をそれぞれ12個作り、組み合わせることになる。こうしてみると木星になると一辺18センチの五角形が12,これは大きくなる。土星の輪の大きさはどれくらいになるのだろう。
時間がかかりそうだ。

参考になるブログをアップされた皆様に感謝申し上げます。

*「正12面体と正20面体ではどっちが丸いか? 木製正多面体模型の活用法 中川宏」

*「正12面体のいろいろな計算(対角線・表面積・体積・内接球・外接球)高校数学の美しい物語)」

*「太陽系10億分の1模型 ホーホー村教育研究所2000.1.7  3.11一部改定 2011.8 一部改定)」