9月28日、甲子園球場に登ってきた満月。それはスーパームーンだった。
国立天文台のホームページを見ると、次のような説明があった。
今年最大の満月
9月28日の月は、今年最も大きく見える満月です。
月は地球の周りを回る天体ですが、その軌道が楕円形をしているため、地球と月の距離は一定ではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの影響を受けて変化するため、月が地球に最も近づくとき(近地点)、最も遠ざかるとき(遠地点)の距離が毎回異なります。
今回は、9月28日午前10時46分に月が地球に今年最も近づきます(約35万6900キロメートル)。そして、その約1時間後の午前11時51分に満月の瞬間を迎えます。ただし、日本では月が地平線の上に出ていない時間帯となります。満月の瞬間の月の視直径は約33.5分角です。
なお、今年最も小さく見えた満月は3月6日でした。この日は3月5日の16時33分に月が遠地点を通過し、その翌日の3月6日午前3時05分に満月となりました。そのときの月の視直径は約29.4分角でした。下の図のように並べて大きさを比較すると、ずいぶん大きさが違うことがわかります。
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日本で見えた月は満月を過ぎていたということだが、すばらしく立派に見える月だった。そして満月だったヨーロッパでは皆既月食だったというから、さぞかしすばらしい天体ショーだったにちがいない。
あらためて、月食は満月の時に起こるんだったなあ、と感心した次第。
北半球と南半球では見え方が違う
インターネットでスーパームーンの写真を見ていたら、北半球と南半球とで、月の模様の見え方が違うのがわかった。
下の写真は大阪天保山の満月(下の3枚の写真は全てインターネットから)
大阪と同じようにウサギの耳が右を向いているのが分かる。
そしてこれはブラジルのリオでジェネイロでの満月
ウサギの耳が下側で左を向いているのが分かる。
これは一体どうしてだろう。
「南半球の月や星座は、北半球の反対に見える」、と説明される。
リオデジャネイロは南緯20度ぐらいにあるので、日本とは赤道を挟んでほぼ対称に近いところと考えると、月の表面の模様も、大阪や香港と比べてみると約180度動いた模様になっていることが写真からわかる(この表現はあまり正確ではない、なぜかは後で説明する予定)
イメージをつかむために、下のような図を書いてみた。
オリオン座は地球のはるか遠くにある。 人間は地球に立っている位置から、その見え方が違ってくる。図を見れば、北半球の人が見るオリオン座と南半球の人が見るオリオン座ではその向きが反対になっていることがわかるだろう。
この図を月におきかえてみたのが下の図。
月の模様が、北半球と南半球とではほぼ180度違って見えることがわかると思う。
これを具体的に体験して確かめることができる。それが下の図。
実際の月で確かめることもできるが、簡単な方法は壁に月の写真を貼って、それを反りくり返って見ればよい。
同じ模様が、180度動いたように見えることが確認できると思う。
こんなふうに、南半球の人は月の模様を見ているのだと説明できる。
ただ残念なことに、私自身が南半球に行って確かめたことがない、それが残念。
いつかオーストラリアかニュージーランに行って満月を見たいと思っている。
最後に大阪とリオデジャネイロの月の写真で注意しなければならないことがある。
それは写真を撮した時間がわからないということだ。
月は半日かけて夜空を東から西へ動いていく。
そのとき、月の模様も時間によってその見え方が違ってくるのだ。
下の写真は私の撮したもの。まずスーパームーンの翌日の9月29日午後8時頃の写真。
次の写真は午後11時頃、月の模様が動いて見えるのがわかる。
三枚目は翌日午前6時半頃の写真。
月の表面の模様の見え方が、時間によって変化することが分かるだろう。 ウサギの耳が上から下へと動いて見える。
月の模様の見え方は、見ている土地の緯度と時間によって違ってくる。安易に模様だけで判断してはいけないということが分かる。
もし同じ経度で、北半球と南半球の緯度がほぼ赤道に対して対称な場所だったら、同じ時間の月の模様はほぼ180度ひっくり返って見えるはずだ。
詳しくは、オーストラリアの学校のホームページがあったので、それを参照されたい。
http://oz7.justhpbs.jp/minami.htm
http://www.jsm.vic.edu.au/sekai/school-syokai/sankoshiryo/13rika/newpage21-2.htm
身近な月だが、自分の中ではわかっているようで、実はわかっていないままでいることがたくさんあることに気付かされたスーパームーンだった。