名古屋市内の三角点
名古屋に来た機会に、三角点と水準点を調べてみようと思い、国土地理院の二万五千分の一の地図を調べてみた。 予想としては、名古屋城の周辺にあるに違いないと思い、調べてみると、確かに三等三角点があることがわかった。 名古屋市内には高い山もないので、名古屋城にある三角点も三等三角点のようだ。
名鉄の地下鉄にのり、「東大手駅」でおりる。
すぐそばにお堀の後のような大きな溝がある。溝にかかる橋を渡ると、右手に見えてきたのは検察庁の建物。
日曜日だったので人通りはない。
健康センターとのあいだの道を右に曲がり次の角に見えてきたのが、財務局関係者の住宅のようだった。
突き当りに見える草木が茂っている小山が目的地のようだ。以前にも書いたと思うが、三角点の場所は実際に行ってみないとわからないことがある。地図ではあるはずなのに、見つからないことがよくある。特に山や草木でおおわれている場所は、初めての人間にはとりわけ難しい。さて、ここはどうだろう。
どうやらこの付近なのだがよくわからない。草が生い茂り、足元もあぶない。
三角点はここにあります、という標識があったらいいなあ、といつも思う。
一等三角点ならその可能性は無きにしももあらずだが、三等三角点なら標石だけだろう。
もとに戻り、この小山の後ろ側に回って登り口を探すことにする。
後ろに行ってみると、家が立ち並び、小山の傾斜も先程よりも急になっている。どうもこちら側からは登れないようだ。
やはり先程の斜面を登るしか道はないようだ。
再度挑戦してみるか、と思って地図を見なおしている時に気がついた。
ズボンの右も左も、靴ひもにも何やら植物のタネがびっしりとついている。
どうもひっつきむしのようだ。
へばりついているので、取るにも時間がかかる。爪を立ててはがしていくような感じでないと取れない。取りながら、「これは時期が悪かったようだ、雑草の生えていない季節のほうがいいようだ、」 と考えた。
よく見ると、この草があちこちに生えていた。
単純に、ひっつきむし、と私は言っているが、本当はなんて言うなの草なのだろう。
家で調べてみると、
「アレチヌスビトハギ」らしい。
どんな意味?って興味が出てきた。どんな漢字を書くのだろう。なんと「荒地盗人萩」と書くのだ。
ネットで調べてみると、「荒地に生える、北アメリカ原産の一年草で帰化植物。果実は4〜6個のくびれのある小節果になる。この形が、足袋をはいた盗人が爪先立ちでつけた足あとに例えたことと、花が萩の花に似ていることからこの名前がつけられた」そうだ。こんな名前を付けられたこの植物も、迷惑がっているだろうなあと思ってしまう。
今回は秋という季節柄、雑草が生い茂り、木の小枝も伸びていて、おまけに荒地盗人萩の攻撃にあい、三角点発見にはいたらなかった。時期を変えて再度挑戦することにして、水準点探しに出かけることにした。