直島(なおしま)の電子基準点

ここは瀬戸内海にある直島。つつじ荘の宿泊施設のパオが見えている。
反対側を見ると、

草間彌生さんの「黄色いかぼちゃ」が見える。 正式名は「南瓜」らしいが、「黄色いかぼちゃ」でよく知られている。
この砂浜沿いに、電子基準点があることを知って、ぜひ写真に取りたいと思った。

海と砂浜をバックに電子基準点が立っていた。

足元には写真のような「電子基準点付属標」が埋め込まれている。

国土地理院のホームページを見ていると、確かに電子基準点が表示されている。

もう少し詳しくホームページを見てみると、

所在地は「ふるさと海の家つつじ荘」となっている。
設置は平成9年(1997年)1月26日となっており、
観測点周囲の状況として「砂浜、キャンプ場、海」と書かれていた。

直島には二等三角点や四等三角点があることが地図からわかるが、私の行程ではとても山に入って探すことは不可能なので、海辺に電子基準点があったことはとても幸運だった。

電子基準点の金属にも25年の疲労があらわれている。
開閉の引手の部分が塩で凸凹状になっていた。

電子基準点のそばで海を眺めている人がいる。 電子基準点の近くには宿泊施設のパオがある。この人たちにはこの電子基準点の存在はどんなふうに感じているのだろう。
三角点や基準点、そして電子基準点に興味がないとなかなか目に入ってこないと思う。

直島に来て、草間彌生さんの「黄色いかぼちゃ」を見たときには、ちょっと足をのばして電子基準点をみてほしいものだ、と思う。

 

 

 

三角点を探る旅53

堺市にある電子基準点

地図で示されているのは、堺市立八田荘小学校の運動場。
すぐ近くに八田荘中学校がある。

堺市にはここにしかないようなので、行ってみることにした。

学校の運動場の端にあった。 校内には入れなかったが、ちょうど民間の駐車場の直ぐそばで運動場と駐車場の境界が金網だったので、写真を取ることができた。

電子基準点というのは、国土地理院のホームページを参照すると、

電子基準点は、全国約1,300ヶ所に設置されたGNSS連続観測点です。外観は高さ5mのステンレス製ピラーで、上部にGNSS衛星からの電波を受信するアンテナ、内部には受信機と通信用機器等が格納されています。 基礎部には、電子基準点付属標と呼ばれる金属標が埋設してあり、トータルステーション等を用いる測量にも利用できるようになっています。

その内部についてもホームページで紹介されていたので、ここに引用する。

説明と写真にある、電子基準点付属標というのが、私の写した写真の4枚目にあるステンレスピラーの下端そばにある白い円盤のこと。これを利用して測量することもできる。

全国で1300箇所とかかれているが、小学校・中学校・高等学校に設置されているのは約600箇所だそうだ。
学校内に設置されている数が約半数になるのは、それだけ安全で管理もしやすいためかも知れない。学校そのものが台風や水害などの被害に合わない所に建設されることが多いから、電子基準点の設置もしやすいのだろう。

となりにある八田荘中学校にも三角点があるのだが、ここは見ることができなかった。あとて国土地理院のホームページを見てみると、屋上に設置されていることがわかった。ますます外部からの見学は無理だろう。

学校に三角点や電子基準点があれば、いい勉強になるなあ。ここに通う子どもたちは幸せだなあと思った。

 

 

 

消えた基準点

水準点めぐり 22

写真は電子基準点。
銅座幼稚園の前の公園。
地下鉄谷町4丁目が最寄りの駅。
この周辺には、大阪城公園や大阪府警、大阪府庁があるという、いわば大阪の中心地といっていいのかも。
この写真は2013年6月にとったもの。
私が初めて電子基準点を見たときのものだ。
2020年現在、全国に約1300の電子基準点が設置されているそうだ。
高さは約5メートルの金属の柱。
上空を飛ぶGPSの人工衛星からの信号をキャッチし、24時間の観測を行っているそうだ。

上の写真は2020年9月のもの。ない、電子基準点がない!

公園の中に入って、角度を変えて写真を撮る。
電子基準点があったところには木が植えられているように見える。
周りを見ても、電子基準点があった痕跡はまったくない。
どこかに移動したなどの表示もなかった。
三角点だけではなく、電子基準点も消えてしまうことがあるのだろうか。

国土地理院のホームページから、この付近の電子基準点はどうなったのかを調べてみた。
銅座幼稚園のそばにあった電子基準点は記載されていなかった。
かわりに真田山公園の中に新しい電子基準点が設置されていることがわかった。
さっそく写真を撮りに行くことにする。

ありました。ピカピカの電子基準点が公園の南側の入口付近に設置されていた。
近くには味原幼稚園があった。

「ここに建っているステンレス製の柱は、電子基準点といいます。 柱の先端部にはGPS等のGNSS(全世界的衛星測位システム)衛星からの電波信号を受信するアンテナが取り付けられており、柱の中には受信機本体と受信データを転送するための装置が入っていて、常時連続観測を行っています。
・・・略・・・・全国に設置し、各地で得られたデータを茨城県つくば市にある中央局に転送し、コンピュータで処理して電子基準点の位置を正確に求め、各種測量の基準として利用するとともに、地震予知に重要な地殻変動の監視もおこなっています。
国土交通省国土地理院・・・・」

ステンレス製の柱の足元には丸い金属板が埋め込まれている。
「電子基準点付属標   
 基本  
 国土地理院
 この測量標を移転毀損すると測量法により罰せられます」 の文字がみえる。
この付属標は水準測量にもつかわれることがあるそうで、二等水準点の役割を果たしているものもあるそうだ。

国土地理院のホームページのデータによると、この電子基準点は「2019年7月17日登録」、となっていたから、ごく最近の登録だ。

ここからは私の推測だが、銅座幼稚園そばにあった電子基準点がここに移動したのだろうと思う。銅座幼稚園も、真田山公園も上町台地にあって古い地盤の上にある。今後の地震予知には重要なデータを発信できる位置にあるのではないだろうか。
「電子基準点も消えるのか?」と思ったが、今回はどうも「電子基準点は移動した」というのが正解だろうと思う。
とにかく「電子基準点」があってよかった。