日時計 その2

コマ型日時計

日時計1

日時計を作ってみることにしよう。 ホームページを探してみると、日時計作成のホームページやブログがたくさんあった。

まず、「キャノンサイエンスラボ・キッズ」の日時計を作ることにしよう。
ホームページのアドレスは

http://web.canon.jp/technology/kids/experiment/e_07_02.html

ここにあるコマ形日時計を作る。

ホームページに型紙がPDFファイルで紹介されているので、それを利用する。
緯度の高さを利用する三角形は、型紙のではなく、実際に自分の土地の緯度になるように作図した。今では、インターネットから自分の土地の緯度もわかるし、iPhoneでは付属のアプリで現在地の緯度・経度が分かる。 

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上の写真は三角柱の展開図と、ダウンロードした型紙の時刻盤を貼り付けたもの。三角柱の展開図は自分の土地の緯度で作図してある。

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キャノンのホームページの日時計は、段ボールを使っているが、家にお菓子の入っていた木箱が会ったのでそれを使うことにした。 IMG_2206 IMG_2208

箱の裏底に緯度の角度で作った三角柱を取り付け、箱の蓋に時刻盤を貼り、中心にくしを取り付けてこれで影を作るようになっている。 

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これで完成。

しかし設置方法が最後の難関。 ホームページを見てみると、 日時計3

実際に作って、太陽の光で影を記録していくと、日時計が水平面に設置されているか、影を作る「くし」が天の北極を指しているかによって大きく影響することがわかった。

基本的にはこの「コマ型日時計」の時刻の線は同じ間隔で、角度は1時間あたり15度でどれも同じ角度になる。
仮に朝9時に影と事前に用意した文字盤の線をあわしておけば、あとは1時間毎に15度の線状に太陽の影が落ちるはず。しかし水平面でなかったり、天の北極からずれているとそうはならない。最初の設置が肝心かなめなのである。

また、方位磁石は真北を指しているのではない。iPhoneで真北を調べて日時計を設置したが微妙な誤差が出てくる。

作成した日時計の製作上での誤差、設置上での誤差が積み重なり、「日時計の精度誤差」になってくる。そうしてそれが、よくある「日時計というのはおおまかな時間しかわからない」ということになる。 

日時計4

左の図のキャノンのホームページにあるように、地球は約24時間の周期で自転をし、地球から見れば約24時間で太陽が地球の周りを回っているようにみえる。
太陽の作る影は約24時間で一回転する。それを利用したのが日時計。
太陽と地球の関係で日時計ができている。日時計の誤差はそれを作った人間の作成誤差にあることをたえず思い起こそう。

それにしても、古代の人達は何年もかけて太陽の動きを測定し、今の私たちが当たり前としていることを発見していったのである。
簡単な日時計を作ってみることで、あらためて先人達の知恵と努力に感心してしまった。

 

 

 

地球の公転と四季1

2月19日 雨水(うすい)

太陽黄径330度 立春から数えて15日目頃。
「空から降るものが、雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる」、という意味。
草木が芽生える頃で、農耕の準備をする目安とされてきた。
春一番が吹くのもこの頃。

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これまで地球の公転と自転を見てきた。

地球が自転しながら、しかも地軸が23.4度傾きながら太陽の周りを回っている、公転している。そのことが日本にあるような四季をうみだしている、と言われている。その理由を考えてみよう。まず太陽の南中高度(太陽が一番高く昇っている時)から考えてみる。
さて、地球は上の図のように公転をしている。春分と秋分は太陽との関係ではほぼ同じだと考えて良いので、冬至、夏至、春分と秋分の三つについて考えてみよう。ここでは北半球の場合を考える。
IMG_20140212_0005左の図は春分・秋分の時、地球に当たる太陽光線の図。地軸は傾いているが太陽光線が左から当たっていれば図のようなる。
大阪北緯34度、モスクワ北緯55.5度を例にとって考えてみよう。大阪とモスクワは同じ経度上にあるわけではないが、図を書くときの便宜上、同じ経度にあるような図になっている。
*       *

IMG_20140212_0006これは夏至の時の地球と太陽光線の関係の図。一番上の公転の図では②のところに地球がある。地軸の向きが反対になっているように思えるが、これは太陽の向きが反対方向になって書かれているのでそう見えるだけだ。
太陽光線が、大阪もモスクワも、春分・夏至の時にくらべて頭の上の方から射していることがわかるだろう。
夏は頭上高くから太陽が照らしているのはこの事なのだ。

IMG_20140212_0007この図は冬至の時。北極圏には太陽の光が当たっていないことがわかるだろう。このようにして北極圏に、白夜や太陽ののぼらない日があることが説明できる。大阪やモスクワの日差しも低くなっていることがわかるだろう。(南半球は逆)

このことをもう少し詳しく見てみよう。

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南中の角度は90度−緯度で計算されるから、大阪の春分・秋分の時の南中高度は、90−34=56
56度であることがわかる。

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この図は夏至と冬至の南中高度を考える図。
ここで地軸の傾きの角度がきいてくる。
夏至の時の太陽の高度(南中高度)は、春分・秋分の時よりも地軸の傾きの分だけふえてくる。

夏至の時・・・56+23.4=79.4 かなり高いところから日が射すことがわかる。
冬至の時・・・56 – 23.4=32.6 冬の日差しが低いのがよくわかる。

IMG_20140212_0010地面から見える太陽の動きにかきなおした図がこれ。
春分・秋分の時はほぼ真東から太陽がのぼり、真西に沈む。そこ時の南中高度は大阪では56度くらい。
夏至の時は東からずっと北寄りからの日の出、そして天高く日が昇り、南中高度は80度に近い。
冬至の時は南寄りから日が昇り、お昼になっても32度ぐらいしか日が昇らない。そして南寄りに太陽が沈む。

IMG_20140212_0010_2緯度の高いモスクワを見てみよう。
春分・秋分の南中高度は、
90−55.5 = 34.5
大阪の冬ぐらいの太陽の高さだ。
大阪と同じように図に書いてみる。

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夏至の時の南中高度は 34.5 + 23.4 = 57.9
冬至の時の南中高度は 34.5 – 23.4 = 11.1
冬は10度ぐらいしか太陽の高度はないのだ。これでは寒くなりそうと予想できる。
太陽の高度は夏と冬とで差があることがよくわかった。
太陽の南中高度が季節に関係がありそうなことがわかってきた。
次は太陽からのエネルギーの違いについてもう少し考えてみよう。