三角点を探る旅 その 10

壱岐・対馬編その6

岳ノ辻三角点1
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下調べをしてみると、この付近には一等三角点、三等三角点、四等三角点、電子基準点まである。どれか一つでも見ることができたら、と思う。
壱岐で一番高いところ、岳ノ辻に登る。登ると言っても標高212.9m だから山というより丘。中央展望台から、なだらかな平野が見える。石で組んだ丸い史跡は復元された狼煙台(のろしだい)。663年の白村江(はくすきのえ)の闘いで壊滅的に敗れた大和朝廷は、対馬、壱岐、筑紫に防人(さきもり)と狼煙台(のろしだい)をおいた。新羅や唐からの攻撃があれば狼煙を上げて信号を大和まで送ることができるようにしたという。
周りを見ても一等三角点がない。タクシーの運転手さんが「みんながいく展望台ではなくてもう一つの展望台で私は見ました」と言っていたことを思い出した。
iPhoneでこの付近の地図を出す。
岳ノ辻1 ここじゃないんだ。来た道をもどり、NHKのアンテナがたっている方に走る。生駒も一番高い所にアンテナがたっている。あるとしたら高い所に違いないはず、坂道を走ると展望台らしいところが見える。急げ、急げ、みんなに迷惑をかけてはいけない。
坂道を走って登る、、、疲れるなあ。

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あった、あった、丸い広場の端に石柱がたっていた。

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かなり古く表面に明治〇〇年、と刻んである。
はっきりと読めるのは「緯度測定標」。
これに違いない、と写真を取る。
でもなあ、、、どこにも三角点という文字がない。
たぶん、緯度測定標と一等三角点が一つで二役をしているのだろう。
管轄の省庁によって呼び名が違うこともあるからきっとこれが「一等三角点」なのだ。よし、ミッション(一等三角点の写真撮影)終了。

一等三角点じゃなかった、、、、

岳ノ辻三角点
大阪に帰ってから資料を整理する。どうもこの一等三角点が気になる。もう一度インターネットなどで岳ノ辻の一等三角点を調べてみる。
なんと、ここには一等三角点と、緯度測定標の二つが並んで立っているのだ。
写した写真を調べてみると、緯度測定標の後ろにそれらしきものが写っている!
私が行った時には、一等三角点は草むらに隠れていて気がつかなかったのだ!!
三角点の周り草が生えていることが多い。季節によって見え方は全く違う。
ああ残念! 直ぐそばまで行っていたのに。草さえなかったら、絶対に気がついていたのに。悔やまれて仕方がなかった。