2017年1月 月・金星・火星 そして金星探査機「あかつき」

2017年1月1日 日没後の月と金星

元日の夕空、月と宵の明星の金星が輝いている。

  
2017年1月2日 
 月と金星が昨日よりも接近している。1日でこんなにも接近するんだ。

 

地球照によって月の形がよくわかる。
地球照(ちきゅうしょう)とは英語でearthshineで、月の欠けている部分が地球に照らされて、うっすらと見える現象のこと。地球に反射した太陽光が月に反射して、その反射によって欠けている月の部分が見えるわけだ。月の世界から地球を見ると、満地球の場合は満月の約70倍も明るいそうだ。

1月3日 日没後の月と火星

月の出の時間は毎日おそくなる。同じ時間に見ると昨日よりも空の高いところに見える。金星のような惑星は月に比べて同じ時間での高度の変化は少ない。右下の屋根の上にあるのが金星。
月のそばに光る星がわかるだろうか。拡大してみよう。

少し赤みがかって見える星は火星。
月のそばなので肉眼では少し見えにくい。双眼鏡で見ると赤みがかった様子がよくわかる。昨日、一昨日の空では、火星は見えにくかった。

1月4日の火星と金星

少し拡大してみよう。

今年の1月は元日から4日間よく晴れていた。 夜空も日没後の月と星の様子がよく見えた。
まるで月が、金星をたずね、火星をたずねて、空高く昇っていくようにみえる。
月はこれから少しずつ月齢を重ね、満月に向かっていく。

下の写真に見覚えのある人は少ないだろう。

2010年5月21日に打ち上げられ、その年の12月7日エンジントラブルのため金星周回軌道への投入に失敗。そして5年後の2015年12月7日に再投入に試みた金星探査機「あかつき」。「あかつき」が無事に金星周回軌道にのったことが確認された瞬間のJAXA管制室の様子である。

「あかつき」は金星周回軌道に乗り、昨年2016年12月で、約1年の観測をトラブルもなく終え、さらに2017年に入って観測を続けている。

JAXAの「あかつき特設ベージ」には、この間の取り組みが記されている。

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/akatsuki/compile/

この特設ページの中の、「明けない夜はないー金星探査機「あかつき」挑戦の軌跡ー」(動画)には、関係した人たちの感動的な証言が載せられている。
失敗しても、5年・6年の努力で成功に導いた人たちの努力と執念は学ぶことが多い。
今見えている宵の明星、金星のまわりを「あかつき」は周っているのだ。
そう思ってみる金星は、さらにいっそう輝いて見える。