三角点を探る旅 その 8

壱岐・対馬編その4

水神社

IMG_3578 レストラン「和佳」でおいしい朝食をいただいた。目の前で玉子のだし巻き、天ぷらをあげてくれる。思わず完食。さて、三角点探しの旅に出よう。

近くに?水神社(みずのじんじゃ)という神社があり、そこの境内にありそう。フロントの話では車で5分くらいで行けるそうだ。今回は楽勝のようだ。

水の神社 タクシーの運転手さんに聞くと、水神社は直ぐ近くだが三角点は知らないとのこと。運転手さんの島の説明を聞きながら稲穂が実っている田の横の道を走ると「ここです」。確かに直ぐだ。目の前に石段がある。(左の写真はインターネットからの写真)

階段を登ると何か修理されているよう。働いているおじさんに「三角点を探しているのですが、知りませんか?」「三角点?わしら工事に来ているだけだからわからんなあ。本殿の後ろに水タンクがあるからそのへんかなあ。知らんなあ」とちょっと迷惑そうな返事。運転手さんが「私も三角点を見たいので…」と一緒に探してくれる。ありがたい。 

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iphoneで壱岐の三角点を出して、付近を歩いてさがす。
①は最初に自動車から降りたところ。階段を登り社殿裏側に回る。②が水タンクのあるところ。道端を探すが草が生い茂りわからない。方向がわからなくなってきたので、道を大きく回ると小高い斜面に社が見える。そこが③の地点。丘の上になっているので高さもあるし、ここかもしれないと思い探しまわるが見つからず。どうも見当違いのところを探しているようだと思い、地図を見直す。運転手さんも反対の方向から入ってみたら?ということで車をまわしてもらって水神社の裏側に回る。それが④の地点。
④に車をおいて小径を歩くと先にきた水タンクの所に出る。この付近に間違いない。運転手さんも一緒に探してくれる。三角点だから道より高いところにあるはず、と気づく。
運転手さんがここを登ってみましょう、と山側の斜面を登って林の中に入っていく。私はどこから登ろうかなとウロウロしていると、「お客様、ありました~」という声。急いで斜面をよじ登ると林の中に広い空間がある。運転手さんの指差す所に、あった、あった、三角点だ。

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左側の写真には「二等三角点」の文字が読み取れる。三角点と書いてある方が南に向いている。他の面にも文字らしきものがあるが、風雨などのためにか削られてしまって判読できない。かなり古いものに違いない。
IMG_4590左がお世話になった運転手さん。「自分が三角点を見たことがないので」と言ってつきあってくれた。感謝、感謝。運転手さんがいなかったら、この二等三角点も見つからなかっただろう。

司馬遼太郎の「街道をゆく 壱岐対馬編」に、壱岐のタクシーの運転手さんが大変親切だった、という内容があったのを思い出した。30年ほど前の壱岐・対馬の様子がよくわかる本だが、タクシーの運転手さんが親切なのは脈々と伝統として伝わっているのだなあと思う。

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ホテル「海里村上」への帰り道、古墳が近いですから、と案内されたのが「掛木(かけぎ)古墳」。6世紀末に作られたという円墳。県内で唯一の「くり抜き式家形石棺」が置かれた古墳と説明があった。そうなのだ、壱岐・対馬には古墳がたくさんあるんだった。対馬には前方後円墳があり、壱岐にはなんと260基あまりの古墳があるという。
壱岐・対馬が絶海の孤島ではなく、文明・文化の入り口だけでなく栄えた国であったことを忘れてはいけない。
さあ、今日のバスツアーのメインは魏志倭人伝にある「一支国」の勉強だ、と思っているうちに「海里村上」に車は着いた。運転手さんは車が走った分だけの料金を請求した。車を止めてあれだけ山道を歩き、斜面を登ったり降りたりしたのに、タクシーのメーターは走行距離分だけしか動いていなかった。感謝感激。ありがとう、壱岐のタクシーの運転手さん、この場を借りてお礼します。親切なガイドと運転、ありがとうございました。