セミのぬけがら

8月も後半になると、あれほどにぎやかだったセミの声も聞こえなくなってきた。

左と下の写真は、私の家でのセミのぬけがら。
上の写真は植木鉢にある、コーヒーの木にあるセミのぬけがら。
下の写真は庭にあるきの葉っぱで発見したセミのぬけがら。
昨年と同じようにコンクリートの壁にくっついていたセミのぬけがらもあった。
地面の中に6年も7年もひっそりと暮らしているセミ。
写真のセミは7年ぐらい前から私の家にいたのだと思うと感慨深い。

下の写真は住之江公園。 私のブログでもお世話になっている「風見鶏」さんの紹介で住之江公園に行った時に撮った写真。
たくさんのセミの抜け殻がついているが、すべてが今年のセミではないらしい。昨年や2年前のセミの抜け殻もあるそうだ。

左の写真を見ると公園の入口にある安全柵のそばに生ええいる雑草の茎で羽化したらしい。
えっ、こんな場所で?とびっくりすることがある。

「風見鶏」さんから
「続俳句写真集 四季を楽しむ」(酒井正樹著 リーブル出版)という本を紹介してもらった。
タイトルに「続」と言う言葉がついているように、以前に「俳句写真集 四季を楽しむ」という本を出されている。今回は2冊目ということで、ここに「セミ」の写真が紹介されている。

作者の酒井正樹さんは岡山大学名誉教授(理学博士)で、退職後は小学校や地域のふれあいセンターで出前授業をされていて、夏にはセミ、秋にはコオロギの行動について話をされているそうだ。
この本の帯には、『四季を撮り、俳句も添えた写真集』『写真・俳句・草花豆知識が一冊になった。見て楽しい、読んで楽しい、遊び満載の英訳付き俳句写真集の第二作』とある。

左の写真の俳句は、

むかしむかし
  セミのなる木が
    あったとさ

英訳
 once upon a time
       There was a tree
           that bore cicadas

セミについての解説があったのでそこから一部引用すると、
「・・・まず寿命から。虫といえば短命の代名詞である。セミでも成虫はせいぜい一ヶ月ほどしか生きない。しかし、彼らの一生を考えるとセミの寿命は驚くほど長い。クマゼミでだいたい7年(5〜9年)である。北アメリカには13年ど17年のセミがいる。・・・略・・・
 次に幼虫について。昆虫の幼虫は成長の過程で脱皮を繰り返し、最後の脱皮で羽を持った成虫になる。この最終脱皮が「羽化(うか)」である。・・・略・・・
 卵は枝の中で1年を過ごし、翌年の梅雨の終わり頃、雨の刺激を受けて孵化(ふか)する。幼虫のサイズは2mm。木から落ちると地中にもぐり込んでいく。長い幼虫期のはじまりである。
 セミはかくも日本人に親しまれていながら、その行動や生態は以外に知られていない。とくに、幼虫が地中でどれくらいの範囲を移動するのか、また何が羽化すべき年や月や時刻を決めているのかなど、専門家にもわからないことが多い。それゆえ、セミは今なお不思議な魅力に満ちている。・・・後略・・・」

この写真は、セミの出てきた穴の横に、著者がセミの抜け殻を置いて撮った写真。

俳句
セミさんも 
みなそうしやる
ディスタンス
英訳
Cicadas keep
a social distance
as well.

左の写真は、私が堺の大仙公園で撮った写真。
酒井さんの本の写真のように、セミの抜け殻がたくさんついている木の根っこ付近にあった穴。
この木の根元付近に、たくさんのセミの幼虫が生活していたのだろうし、今もたくさんの幼虫が木の根っこから養分を吸い取り、脱皮を繰り返しているに違いない。

「続俳句写真集 四季を楽しむ」は写真を撮り、俳句を詠い、英訳、というこれまでにない写真集で、本の題名どおりに楽しめるものだ。このブログて使用した本の表紙、セミの写真、解説は、著者の酒井正樹さんの許可を得てのせて引用している。まだまだ紹介しきれていない素敵な写真、俳句、解説がたくさんある。本屋さんでぜひ手にとってご覧になることをおすすめする。
補足:著者の酒井正樹さんからセミについての情報があった。酒井さんご自身がセミについて講義されているのが、You Tube にアップされているとのことだった。
私も拝見したが、蝉の幼虫の動画もあり、これまで私が知らなかったセミの様子が紹介されている。You Tube で「セミ講義」と検索すれば出てくるはず。セミに興味のある方は必見の動画だ。