洞爺湖の一等三角点

三角点を探る旅51

ここは北海道、洞爺湖周辺には幾つもの三角点がある。
その中でも一等三角点がホテルウィンザーの敷地内にあった。

「国土地理院」の立て札が風雨で読みにくくなっている。しかし四つ揃っているわけではないが三角点を保護する防護石もある。

白い立て札には
 ボロモイ山頂
  Mt. Poromoi
          625m
   幌萌山(ポロモイサン): アイヌ語で大きな入り江という意味の山です。

と書かれている。ウィンザーホテルはポロモイ山の上に建っているのだ。
山の説明はあるのだが、三角点の説明がないのが残念だった。
国土地理院のホームページには、
   基準点名 幌内山
   北緯 42度45分40秒・・・
   東経 140度45分40秒・・・
   標高 624.83m
           選点 明治31年10月3日
   設置 明治33年10月12日
とある。
ホテルの建つずっと以前からこの三角点はあったことがわかる。
平成14年の記録には「保護石1個」とあるので、現在のような状態だったのだろう。

この山頂からは湖と海が一度に見ることができる。朝霧にけむる洞爺湖と反対側に見える海は太平洋。

 

ウィンザーホテルといえばサミット。
2008年7月8日にG8の首脳がこの場に集った。この見晴らし台には、どこにどの首脳たちが立ったかわかるように、ラベルが貼られている。

参加した首脳は、
日本(福田康夫首相)、カナダ(スティーブン・ジョセフ・ハーパー首相)、フランス(ニコラ・サルコジ大統領)、ドイツ(アンゲラ・メルケル首相)、イタリア(シルヴィオ・ベルルスコーニ首相)、ロシア(ドミトリー・アナトリエヴィチ・メドヴェージェフ大統領)、英国(ゴードン・ブラウン首相)、アメリカ(ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領)。(写真はウィキペディアより)
現在も首相として活躍しているのは、ドイツのメルケルさんだけだ。

私はこの一等三角点が楽しみで、このホテルに来た。ホテルのどのへんにあるのだろうと受付の人に「一等三角点はどのへんにありますか?」と聞くと、
「いっとうさんかくてん?」と不思議そうな顔。
「ポロモイ山頂にあるらしいのですが」
「ここがポロモイ山です。このホテルはポロモイ山に建っているのです」といいながらパソコンで調べていたが、、、、「残念ですがわかりません」。
私は携帯アプリで地図を出して、「ここなんですが」と示しながら方角を聞いた。
「あちらの方です」といわれたほうに進み、ホテルを出て、「高いところに三角点はある」と言いながら周りを見わた渡すと、ポロモイ山頂の白い立て札がすぐに目に入った。
写真を撮っていると、年配の二人連れの女性が
「なんです?」と訪ねてきた。三角点だと説明すると
「私らわからへんわ」と立ち去ってしまった。
添乗員さんにも「このホテルには三角点がありますよ」というと
「三角点?」という返事。
最近は社会科で三角点を教えないのかなあ。
サミットが開かれたホテルに全国に1000しかないと言われている一等三角点がある。こんな楽しいことはない。しかし分かってくれるのは少数だなあ。

 

 

 

 

 

三角点を探る旅49

玉置神社の一等三角点

玉置神社、知る人ぞ知る、最強のパワースポットとして有名な神社。
世界遺産の熊野古道にある。
大峰山の修験道にゆかりのある地。

山頂は1000メートルを越えるところ。 神社はその山頂近くにある。

玉置神社の存在は30年ほど前から知っていた。
行こうと思ってもなかなか行けないところとして。
それは山が深いとか、道が険しいから、という意味ではない。
神社に呼ばれないと行けないという意味。
行こうと思って家を出たが、何か邪魔するものがあって、例えば天候や車の故障などがおきて3回も行くことができなかった、という話をよく聞いていた。
私も行きたいと思っていたがなぜか行けない。
今回、私の知り合いからの誘いがあったが、その日にはすでに予定が入っていた。
やっぱりなあ、まだ行けないなのかなあ。写真でもとってきて、とたのんだ。

そして、
なんと、山頂に三角点があったとメールが送られてきた。

えーっ、玉置山に三角点が! 全く私の知らなかったことだ。
玉置神社と三角点がむすびつくとは。
上の写真の石が積まれた右側の奥に三角点が見える。

角度を変えて写した写真。
一等三角点だ。

国土地理院のホームページを見ると、
標高1076メートル80センチ
明治28年8月10日に設置されている。

いやー、残念だった。
一等三角点がこの山にあるなんて、まったく想像もしなかった。
標高が1000メートルを越えているから、一等三角点なのだろう。
金剛山で一等三角点の写真を撮ったけれど、それから目にしていない。
あー、行っていたら、と思うが、「山頂までの道は心臓が口から飛び出すほどしんどかった」と帰ってきてからの感想を聞いて、やっぱり私は呼ばれていないなあ、いや無理はしてはいけないということかもしれないと自分で納得。

玉置神社の鳥居が神域とこの世の中との境界線と言われているそうだ。霧が出ていたのでなんとなくそんな雰囲気、という写真が送られてきた。

財布か定期入れに入れておくようにと、玉置神社のお守りを貰った。
「悪魔退散」のお守りだそうだ。
ありがたく頂戴した。
いつか玉置神社と一等三角点に行ってみたいと思う。

 

 

 

金剛山の一等三角点

三角点を探る旅 36

ここは金剛山のロープウェイ。千早駅。
金剛山駅の標高が975m、ここ千早駅の標高は708m。高低差267mを約6分で移動する。登山口から山頂まで歩いて1時間から1時間半ほど。
小学校の耐寒登山で登ったり、春には子どもを連れて登った金剛山も、今回はロープウェイで。それでもロープウェイの金剛山駅から山頂までは30分ほどは歩く。

1000mの山となると、紅葉も見ることができる。 台風の後なので、お天気は曇りがち。 時々陽射しが差し込む。 歩いているとそれほど寒さは感じないが、じっとしていると風は冷たい。

林の中を歩くと、立て札が見えてきた。少しピントがずれているが、 左向きの矢印が書かれている立て札には「一等三角点」の文字がある。

何かフェンスが見える。アンテナの敷設のようだ。

上の写真左が地図にある表忠塔。高さ25mの鉄塔で、燭光400ワットの灯りがつく。右の写真は表忠塔のそばに設置されているアンテナ群。
表忠塔?、インターネットで調べてみると、楠木正成をしのんで昭和3年に作られたものらしい。第二次世界大戦から昭和36年までは消灯されていたが、現在は点灯されているらしいが、時間的には確認できなかった。現在は金剛山展望台としてフェンスで囲まれていて入れなかった。金剛山は楠木正成に縁のあるところと再認識。

表忠塔、アンテナのフェンスの向こうに三角点があった。
ここは湧出岳(ゆうしゅつだけ)のてっぺん。

http://seesaawiki.jp/w/kongosan_ropeway/

金剛山ロープウェイのHP(上のアドレス)のイラストにあるように、大日岳、葛城岳、そして湧出岳の三つの峰がある。その三つを総称して金剛山と呼んでいるということを初めて知った。金剛山という名前は、山頂にある転法輪寺の山号であり、金剛山転法輪寺の金剛山が峰々全体を表すようになったそうだ。山岳信仰、役行者と関係のあるところと一緒に登ったグループから教えてもらう。

「一等三角点」の文字が読める。「点」が「點」と旧字体なのが、この三角点の古さを証明しているようだ。

他の三面の文字は読み取れなかった。雨や風で風化したのかもしれない。

「建設省国土地理院」、「大切にしましょう三角点」、「基本測量」、「一等三角点」という文字の書かれた白い標柱がある。

三角点、アンテナ群のそばにあるのが「妙法蓮華経如来神力品第21経塚」。山岳信仰に関係があるのだろうと思うが、詳しいことはわからない。

金剛山の名前のもとになった「金剛山転法輪寺」。

おなじみの山頂広場。眼下は曇っていて大阪市街の街は霞んでいる。小学校の耐寒訓練で来た時は一面が雪だった。、雪の広場で弁当を食べたのを覚えている。

山頂の温度は5度。100m昇るごとに0.6度下がると言われているから、市内は10度少しなのだろうか。
右は金剛山で一番高い葛城神社への石段。ここを登ったところが1125mのところ。

山頂でお弁当を食べた時に知り合った犬連れのご夫婦。
白いラブラドール・レトリバーが可愛いので「このワンちゃんも歩いて登ってきたのですか」と声をかけた。
「ええ、この子は今日で1399回目の山登りなんですよ」
「えーっ、もう1400回じゃないですか?!」
「はい、4ヶ月の時から登ってますからね」
と笑って答えてくれた。
ご夫婦とミルクちゃん(犬の名前)は歩いて山を降りるらしい。

お昼時は太陽が見えたのに曇ってきた。山の天気は変わりやすい。
私たちはケーブルカーで山を降りた。