国際宇宙ステーション

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上の写真は10月26日午後6時50分ごろ、北西から天頂に向かって動く国際宇宙ステーションの軌跡。
写真は 絞り8.0で3秒間の露出。ISO感度1600の設定。
黄色っぽい軌跡が天空を横切っていく。
そばに白く光っている星は琴座のベガ。

国際宇宙ステーションは高度400㎞の上空を、秒速7.7㎞(時速27700㎞)の速度で約90分で地球を一周する。一日で約16周の計算。
国際宇宙ステーションの軌道は、地球の重力や大気の抵抗などで変化している。また太陽の光が国際宇宙ステーションに反射して地上から見えるわけなので、日の出前と日没後2時間ぐらいが見えやすいそうだ。

何日の何時頃に自分の住んでいる地域から見えかは、JAXAのホームページから調べることができる。

http://kibo.tksc.jaxa.jp/

ここに記されているのは、予想情報なので変わることもある。
国際宇宙ステーションは軌道が下がってくると、エンジンを使って軌道を修正するのでそういったこともあるわけだ。

「アメリカの民間企業オービタル・サイエンシズ(OSC)社の無人補給船、シグナス3号機(Orb-3)を載せたアンタレスロケットは、米国東部夏時間10月28日午後6時22分(日本時間10月29日午前7時22分)、打上げ直後に爆発し、打上げは失敗した」
という報道があり、国際宇宙ステーションへの補給は大丈夫か?と心配したが大丈夫。JAXAのホームページに、

プログレス補給船

「プログレス補給船(57P)は、バイコヌール時間2014年10月29日午後1時09分(日本時間10月29日午後4時09分)にロシアのソユーズロケットにより、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、約6時間後の日本時間10月29日午後10時08分に国際宇宙ステーション(ISS)の「ピアース」(ロシアのドッキング室)にドッキングしました。」という記事があった。まずは一安心。

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  秋は夜空が美しい。

西の空に絵に描いたような三日月が浮かんでいる。

宇宙ではいくつもの観測衛星が活躍している。
火星では、インドが打ち上げた火星探査機「マンガルヤーン」が9月24日に周回軌道に入った。

その2日前には、アメリカの「メイブン」が火星に到着し周回軌道に入っている。
また、2003年に打ち上げられた欧州宇宙機関の「ロゼッタ」は、10年間の飛行を続け、8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着し周りをまわりながら観測、11月12日に「ロゼッタ」から着陸機「フィラエ」を投下することになっている。

そして日本の「はやぶさ2」。11月30日13時24分48秒に種子島宇宙センターから打ち上げの予定。C型小惑星「1999 JU3」を目指す。小惑星に到着するのは2018年半ば。1年半ほど小惑星に滞在して2019年末頃に小惑星から出発、そして2020年末頃に地球に帰還する予定。3年半かけて小惑星に行き、1年半の観測、そして帰還。地球帰還まで6年のミッション。小学校1年生の子どもが卒業するまでの時間。

これからも宇宙ー空から目が離せない。

 

 

あべのハルカス大学

IMG_89092太陽系の歴史に迫る探査機はやぶさの挑戦
―小惑星探査機はやぶさプロジェクトを振り返って―

4月19日(土)に、あべのハルカス23階にある「ハルカス大学」で、オープニングの公開講座があった。 新聞で知ったので、インターネットで予約した。 23階はキャンパスフロアというところで、入り口も「こんなところにあるのか〜」と以外なところにあり、17階で乗り換えて、23階へ。 ここには、大阪大谷大学、阪南大学、四天王寺大学のキャンパスフロアがある。 私の入った公開講座は、交流スペースというところで100人ぐらいはいるところだった。
講師は元はやぶさプロジェクトチームで科学主任をされていた藤原 顕さん。
はやぶさがイトカワに着陸した頃に退官されたということだった。

太陽系惑星の誕生を探る「はやぶさ」

イトカワのような近地球型小惑星には太陽系誕生の頃の材料がそのまま残っているので、太陽系誕生の謎を解く鍵になるということだった。
「はやぶさ」が持って帰ってきた資料と、地球でよく発見される隕石の成分を比較するとよく似た成分が発見されているそうだ。つぎの「はやぶさ2」では、有機物があると思われているC型小惑星にサンプルリターンをめざすそうだ。
最近のNASAの発表では、地球にそっくりの惑星も発見されている。
藤原さんのお話では、惑星系のある太陽が740個、惑星の数は976個、複数の惑星を持つ太陽が162個発見されているということだから、これはすごい。
「はやぶさ2」は有機物があるかもしれない小惑星から試料を取ってくるのだから、生命の起源について新しい発展があるかも知れない。
「はやぶさ2」は今年の12月に打ち上げ予定。2018年6月に小惑星に到着、2020年12月に地球への帰還、ということだから目が離せない。
はやぶさ2

藤原さんは、はやぶさの観測機器、試料最終の装置、持ち帰った試料の分析装置の開発に携わってこられたそうだ。ご自身は退官されても、残った機器や装置が活躍をしている。みごとなバトンタッチだと思った。
さきごろNHKでイオンエンジンを開発された國中さんのドキュメントがあった。「はやぶさ2」を動かす新しいイオンエンジンの開発に全力を傾けながら、若い世代に引き継いでいく姿が放映された。宇宙開発は10年のスパンという長期間のプロジェクトだし、一回で結果を出さなくてはいけないことも多いと思う。技術開発の緊張とそれをすすめる人材を育てることの必要性がよくわかる番組だった。

ロゼッタが8月に彗星に接近、着陸

ロゼッタ
最後にはやぶさ2を含めて、これからの話があった。私が惹かれたのは欧州が打ち上げた「ロゼッタ」。インターネットによると、
{ロゼッタ(英語:Rosetta space probe, フランス語:Sonde spatiale Rosetta)は、欧州宇宙機関 (ESA) の彗星探査機。
2004年3月2日にフランス領ギアナからアリアン5G+ロケットを用いて打ち上げられた。2014年8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着し、11月に地表に着陸機フィラエ (Philae) を投下する予定である。成功すれば人類史上初の、彗星に着陸した探査機となる。」
なんと、10年間飛び続けていたのだ。知らなかったなあ。
この8月に周回軌道に入り、観測装置を積んだ着陸機「フィラエ」を投下するそうだ。ロゼッタは長さ30mの太陽電池パネル。重さ3トン。ブログ最初にのせたはやぶさの模型の写真(ハルカス大学の職員の人の製作とか)とくらべても大きいなあ。はやぶさは重さ500kg。
ロゼッタは燃料、電池の節約のため約3年間の冬眠を経て、この1月にウェイクアップ。今年後半が楽しみになってきた。

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写真左は、公開講座が終わり質問に答えている藤原さん。右は会場からの風景。23階はさすがによく見える。
藤原さんは現在は京都大学を会場にして開かれている「科学カフェ」の理事とか。私も講演が終わってから少し質問をさせてもらった。この科学カフェは事前申込み無しの自由な参加ができるとか。月一回、第二土曜日2時から開催されているとのことでぜひ来てくださいとお誘いも。機会を見つけて行ってみたいと思う。