菱形12面体(りょうけい12めんたい)

これは大谷中学校・高等学校であった「サイエンス・フェスタ」であったプログラムの一つ。
「菱形12面体」ー「ひしがた」とは読まない。
「りょうけい」と読む  ー   初めて知った!

菱形の12面体?とはなんぞや、と思いながらペーパークラフトなので作ってみた。
つくっていると、「これは縦にも、横にもすきまなく並べることができます」という説明があり、係の人は写真のように組み立ててくれた。
へーっと思いながらその時は終えたが、家でやってみようと思った。

ウィキペディアの説明を読むと
「・・・構成面が全て合同な菱形のため等面菱形多面体である。また、平行移動のみによって単独で空間充填できるので平行多面体でもあり、その時のこの図形の配置は面心立方格子構造となる。・・・」
うーん、わからない単語が並んでる。とにかく菱形12枚で作られていることはわかる。「対角線の比が1:√2 になっている」という説明もあった。

ネットで菱形12面体の展開図を探すことにした。ウィキペディアにも展開図が載せられているが、ペーパークラフト風なものはないかと思い探してみた。そうすると次のホームページに私の出来そうなものが紹介されていた。

https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/12-f0b1.html

さっそくこれを利用して作ってみることにした。

このような展開図を公開していただいて感謝。ありがたく使わせていただきます。

どれくらいの大きさがいいのだろうか、
縦にも横にもすき間なく並ぶということだから、10個くらいは作ったほうがいいだろう、と考えながら左の写真のように組み立てることにした。
プリントアウトした紙でつくりはじめると、すぐに凹むなど耐久性が良くない。
そこで少し厚めの紙に貼って、丈夫な12面体になるようにした。

どんなふうに組み合わせるのだろう? ネットで調べてみると、菱形の面どうしを貼り付ければいいということがわかった。 なるほど菱形の面どうしをくっつけていくと写真のようになった。

次は上に積んでみよう。

開いている空間にキッチリはまるではないか。

なるほど、これが空間充填か?!

下部は写真のようになっている。

ウィキペディアによると、菱形12面体は二種類あるそうで、私が作った対角線の比が1:√2 (これは白銀比とよばれているそうだ)になっていて、この菱形12面体は縦にも横にもすき間なく並ぶ(空間充填している)が、対角線の比が黄金比
 1:(1+√5)/2 
の菱形も12面体を作るが、これは空間充填しないそうだ。

空間充填、面心立方、黄金比・・・うーん、大学で習ったかも。
サイエンス・フェスタで出会うとは思わなかった。
次はこれを折り紙でできないか?
ちょっと考え中。

 

 

 

はやぶさ2の挑戦

阿倍野にある大谷中学校・高等学校で、サイエンス・フェスタがあった。
私はプログラムの中の「はやぶさ2の挑戦、宇宙探査への挑戦」という講演を聞きに行った。JAXA宇宙科学研究所の津田雄一教授が講師としてこられていたので、大変興味があった。

津田教授のお話は大変わかりやすかった。 サイエンス・フェスタが若い世代向けの取り組みなので、小中学生や進路を考えている高校生に焦点を当てられた講演だったと思う。

小さな興味を育てていったら、夢のようなことができた。

津田教授は小さな頃から工作好き、飛行機好きだったそうだ。
模型工作やラジオの組み立てなど、理科好きな少年だったのだろう。
小学生の時に、家族でアメリカのケネディ宇宙センターへ行って、大きなロケットなどに触れたことが将来に繋がったのではと私は聞いていて思った。

大学で小さな人工衛星を創ったこと、アメリカのロケットを創って打ち上げているグループに頼んで打ち上げてもらったこと、その一つ一つが人とのつながりや宇宙工学で繋がった人たちとの縁が「はやぶさ2」の成功に繋がっているそうだ。
津田教授は「縁、出会いが大切」ということを強調されていた。
講演中のスライドには、「はやぶさ2」の機体を制作したスタッフ一堂の写真には外国人の人の姿も写っていた。宇宙開発に多くの人の力がいるということだ。タッチダウン成功の瞬間のJAXA管制室の喜びにあふれるスタッフの写真は「人の輪・和」の大切さを象徴しているかのようなものだった。

「やってみたことが夢になる。好奇心と縁を大切にしよう。」という津田教授の言葉は、小中学生や高校生にとってとても心強いものだと思った。

「はやぶさ2」は設計耐用年数を超えて、2031年の1998KY26着陸に向けて飛び続けている。「はやぶさ2」の挑戦は続く。そんな「はやぶさ2」の姿に励まされる私だ。

講演の後いくつかの質問があった。「初号機とはやぶさ2の違いはなんですか?」という中学生らしい人からの質問に、津田教授は「いい質問ですね!」と嬉しそうに答えられていた。終了のアナウンスのあとには何人もの小中学生が津田教授に握手とサインをお願いしている姿があった。この子たちが明日の日本を創っていくんだ。

サイエンス・フェスタの会場は教室が使われていて、いろんな実験が体験できた。
私は菱形12面体の紙工作にチャレンジ。
また上町台地の模型や、立体視鏡の展示などを見学して勉強になった。
中学生や高校生、大谷中学校・高等学校以外の生徒さんなども参加していて、活気が溢れていた。
暑い日だったが、午後2時を過ぎても親子での参加の姿が多く見られた。
こんな取り組みがあったとは知らなかった。
来年に備えてアンテナを張っておこう。