正4面体 ー 4つの面、6本の辺、4つの頂点
上の写真は「おりがみで楽しむ幾何図形」(ブルーバックス 芳賀和夫著)にある「正4面体をつくろう!」のページと、実際に折った正四面体。
この正4面体は、一枚の折り紙で作ったというのが特徴。
正4面体を折り紙で作る方法はいくつもある。
それが上の写真。一枚で織り上げるもの。
4つの面がよくわかるように色紙の面全体を使っているもの。
4つの辺がよく分かる折り方をしたもの。
正4面体の中心がわかるような折り方のもの。
それらを折って写真にしたものが上の写真。
「プラトンとアルキメデスの立体 ー 美しい多面体の幾何学」(ダウド・サットン著 創元社)。にはつぎのような説明がある。
「正四面体は4つの正三角形でできており、どの頂点でも3つの面が出会う。」
「・・・ギリシャ人は正4面体を『ピュラミス』puramis とも呼んだ。これがピラミッドという単語の語源である・・・」
さらに
「正4面体には2回対称の軸が3本ある(2回対称とは、360度回転させる間に元の形と2回重なる回転対称図形)。2回対称軸は、辺の中点同士を結んだ線になる。」と続く。
これはどういうことだろう。
左の写真が
「辺の中点同士を結んだ」というのはどういうことなのだろうか、と考えて作った正4面体。
この辺というのは、向かい合っている辺のことで、左の写真のような関係である。
向かい合った辺の中点をつまようじで突き刺してある。
このつまようじが、2回対称の軸である。
つまようじを回転の軸として実際に回転させてみよう。
上の写真左が180度回転させたところ。元の形と同じ形になっている。
右の写真がさらに180度回転させたところ。元の形になっている。
このように360度回転させる間に元の形と2回重なることを2回対称と呼んでいる。写真からわかるように向かい合っている辺は3箇所ある。これが2回対称の軸が3本ある(つまようじが3本させるということ)という意味である。
さらに本文では「3回対称軸は4本あり、こちらは1つの頂点と向かい合う面の中心を結んだ線である。」
一つの頂点と向かい合う面の中心をつまようじで突き刺したのが左の写真。
この軸を中心に360度回転させると、3回自分自身と同じ形に重なることがわかる。
これが3回対称軸である。
3回対称軸は頂点と向かい合う面の中心を結ぶので、頂点は4つあるから、
「3回対称軸は4本ある」といえる。
さらにこの「プラトンとアルキメデスの立体 ー 美しい多面体の幾何学」(ダウド・サットン著 創元社)は次のように続けている。
「2回対称軸3本と、3回対称軸4本を持つ多面体は、『正4面体対称性』を持つ」(という)。
「正4面体対称性」なんて初めて聞く言葉だが、これからも出てきそうなので覚えておこう。
このあとこの本には、「外接球」「中接球」「内接球」のことやそれぞれの半径との関係が書かれているが、それはまた別の機会に考えてみたい。
*折り紙での正四面体の作り方は、前回紹介した本や
布施知子さんが書かれているユニット折り紙の本にたくさん紹介されているので、それらの本を参考にしている。