虹ゅう丸(にじゅうまる)

上の写真は8月20日の大谷中学校・高等学校であった「サイエンス・フェスタ」での様子。
プログラムは「虹ゅう丸(にじゅうまる)」というもので、太陽光線が箱の中にあるCD-ROMに反射してきれいな丸い虹が写っている。
虹が二重に見えるので「虹ゅう丸」(にじゅうまる)と名付けているのがたいへんおもしろかった。

家に帰って家にあるダンボールで写真のような装置をつくってみたがだめだった。
虹が映るには映るが、上の写真のようにはっきりとしたきれいな虹にならない。
ぼやけた、そして大きな虹になり、二重の虹になっているのかどうかも判別できない。

「サイエンス・フェスタ」のホームページを調べ、この「虹ゅう丸」のことが乗っていないかを調べることにした。

https://www.pesj-bkk.jp/OSF/websf.php?memo=frompagelink&page=6&tag=all-2023

そこに「虹ゅう丸」のガイドブックが載せられていた。
しかしそこには箱の大きさや、太陽光線を取り込む穴の大きさ、CD-ROMをどのへんに置くのかなどの記載はなかった。
そこでガイドブックに書かれていた連絡先にメールを送って教えてもらうことにした。

しばらくして大商学園高等学校の科学研究部から詳細なお返事を頂いた。
それを元にして作ったのがこれ。

箱の中に光が入らないように、段ボール箱のフタの部分を使ってヒサシのようになるようにしている。

虹が映る部分の大きさは 縦 X 横=49X49(cm)
なるように大きめの段ボール箱を細工した。
*完成した段ボール箱は 49X49X29(cm)

太陽光線が入る穴は 6センチ、8センチ、10センチと試してみたが8センチが映る虹の大きさが適当に思えた。

CD-ROMと太陽光線の入る穴との距離・長さは、
科学研究部からの資料によると23センチから27センチぐらい。
私の用意したダンボールは29センチだったので、高さ4センチの小さな段ボール箱を用意してその上にCDを置くことにした。

最初は家にあったDVDをつかったが、どうもぼやけた感じになる。 科学研究部のアドバイスで、ダイソーで買った2枚110円の CD-ROM を使うと、写真のようにきれいな虹が投影された。またスクリーになる部分を白い紙にしたのも科学研究部のアドバイスである。私はついでに黒い画用紙をダンボール箱の内部をはることにした。
(おかげで写真写りの良い二重の虹の写真が取れた・・・と思う)

どうしてCDに太陽光線が反射して虹が見えるのか?
この理屈は私にはむずかしい。光の回折と干渉の結果ということだ。
サイフェンス・フェスタのホームページから説明の部分を引用すると、

https://www.pesj-bkk.jp/OSF/pdfdoc.php?gbsr=&memo=sam_regular&id=34eKEGWfFq

説明の部分を引用すると、 「太陽の光は色がついていないように見えますが、実はたくさんの色が混じっています。
CDの裏面には細かい凸凹が渦巻き状に並んでいて、光が当たると色分けします。
CDの凸凹は内側と外側に光を色分けしながら反射するので、丸い虹が2重に見えます。・・・後略・・・・」

光の干渉と回折、高校のときに習ったなあと思いながらこの説明を読む。

この実験には続きがある。 CDの半分を写真のようにモノで隠すとどうなるか?
なんと大きな半円と小さな半円が映る。
これは上の説明図のCDを半分隠した場合を考えると、説明にあるように反射が大きい円と小さい円にわかれているので、半分ずつになると考えればいいのだと思う。

外で写真を取っていると、近所の小学生が興味津々に見ている。
虹が写っているのを見て、びっくりしている。
大人の人が「何をしているのですか?」と尋ねられる。
「虹の実験です・・・」

ちょっと面白い体験だった。

この「虹ゅう丸」作成のために詳しいデータを送っていただいた大商学園高等学校の科学研究部にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

はやぶさ2の挑戦

阿倍野にある大谷中学校・高等学校で、サイエンス・フェスタがあった。
私はプログラムの中の「はやぶさ2の挑戦、宇宙探査への挑戦」という講演を聞きに行った。JAXA宇宙科学研究所の津田雄一教授が講師としてこられていたので、大変興味があった。

津田教授のお話は大変わかりやすかった。 サイエンス・フェスタが若い世代向けの取り組みなので、小中学生や進路を考えている高校生に焦点を当てられた講演だったと思う。

小さな興味を育てていったら、夢のようなことができた。

津田教授は小さな頃から工作好き、飛行機好きだったそうだ。
模型工作やラジオの組み立てなど、理科好きな少年だったのだろう。
小学生の時に、家族でアメリカのケネディ宇宙センターへ行って、大きなロケットなどに触れたことが将来に繋がったのではと私は聞いていて思った。

大学で小さな人工衛星を創ったこと、アメリカのロケットを創って打ち上げているグループに頼んで打ち上げてもらったこと、その一つ一つが人とのつながりや宇宙工学で繋がった人たちとの縁が「はやぶさ2」の成功に繋がっているそうだ。
津田教授は「縁、出会いが大切」ということを強調されていた。
講演中のスライドには、「はやぶさ2」の機体を制作したスタッフ一堂の写真には外国人の人の姿も写っていた。宇宙開発に多くの人の力がいるということだ。タッチダウン成功の瞬間のJAXA管制室の喜びにあふれるスタッフの写真は「人の輪・和」の大切さを象徴しているかのようなものだった。

「やってみたことが夢になる。好奇心と縁を大切にしよう。」という津田教授の言葉は、小中学生や高校生にとってとても心強いものだと思った。

「はやぶさ2」は設計耐用年数を超えて、2031年の1998KY26着陸に向けて飛び続けている。「はやぶさ2」の挑戦は続く。そんな「はやぶさ2」の姿に励まされる私だ。

講演の後いくつかの質問があった。「初号機とはやぶさ2の違いはなんですか?」という中学生らしい人からの質問に、津田教授は「いい質問ですね!」と嬉しそうに答えられていた。終了のアナウンスのあとには何人もの小中学生が津田教授に握手とサインをお願いしている姿があった。この子たちが明日の日本を創っていくんだ。

サイエンス・フェスタの会場は教室が使われていて、いろんな実験が体験できた。
私は菱形12面体の紙工作にチャレンジ。
また上町台地の模型や、立体視鏡の展示などを見学して勉強になった。
中学生や高校生、大谷中学校・高等学校以外の生徒さんなども参加していて、活気が溢れていた。
暑い日だったが、午後2時を過ぎても親子での参加の姿が多く見られた。
こんな取り組みがあったとは知らなかった。
来年に備えてアンテナを張っておこう。