三角点を探る旅 31

石清水八幡宮と二等三角点

石清水八幡宮のそばに二等三角点があることがわかった。
地図を見る限り見つけるのは難しそう。石清水八幡宮からどう道を選べばいいのか。行ってみなければわからない。
まず石清水八幡宮に行く。

京阪八幡市駅のすぐそばに、男山ケーブルの駅がある。

ケーブルカーは単線なので、上り下りの行き交うところが必要。ここはトンネルの中だった。

大きな案内地図があったが、三角点がある山、鳩ヶ峰の表示がない。 やっぱり、、、。とにかく石清水八幡宮に行ってお参りの後から、三角点を探すことにした。

石清水八幡宮の本堂に向かう途中の広場にあったのが、エジソンの記念碑。
エジソンの発明した「炭素白熱電球」には、日本の竹が使われた、ということはエジソンの伝記本で知っていた。
ここの竹が使われていたとは知らなかった。

記念碑のそばの表示には、
「西暦1879年にトーマス・アルバ・エジソンが灯火の革命ともいえる炭素白熱電球を発明し、この石清水八幡宮内に生えている竹が電球の命ともいえるフィラメントの材料に最も適していることを知り、電球発明の翌年から十数年もの永い間、この竹を使ってたくさんの炭素電球を造り、世界の人々に伝統のありがたさを知らされました。つまり、この八幡の竹が炭素発熱電球の実用化に大きな役目をつとめたのです。」とある。
上の電球の写真は、松本侑子さんの講演を聞いた八幡市民会館のロビーに展示されていたレプリカ。

国宝の石清水八幡宮。朱塗りが青空に映えていた。 石清水八幡宮といえば高校のときに習った徒然草にあったことを思い出す。

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徒然草第52段

仁和寺(にんなじ)にある法師、年寄るまで、石淸水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、たゞひとり、徒歩(かち)よりまうでけり。極樂寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人にあひて、「年比(としごろ)思ひつること、果たし侍(はべ)りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」と言ひける。

すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり

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山道の階段を登り私たちはしっかりと本堂でお参りをする。

お参りの後、おみくじを引く。

私は「小吉」、「一歩誤れば凶運となる最も大切なときである。・・・・」
妻は「未分(いまだわかれず)、「忍耐のときである。急がば廻れの心構えで謙虚に努力すべし・・・」。未分ってはじめてみた・・・。
木に結び手を合わせて三角点探しに出発。青々とした立派な竹林がある。思いの外太い竹だった。展望台のボランティアらしに人に道を聞く。レクレーションセンターから山を登って10分くらい、と言う話だったが、そのレクレーションセンターを見つけるのに苦労した。

上の写真はレクレーションセンターのそばから撮したもの。センターのそばにある山が「鳩ヶ峰」に違いない。
センターの受付で、「鳩ヶ峰の山頂に行きたいのですが?」と聞く。係の人が「駐車場を出てすぐです。と教えてくれた。
私は「三角点は山頂にあるに違いない。とにかく山の一番高いところをさがそう」とちかくの斜面から山に登った。

予想外の急斜面で、「この道はきっと間違っているに違いない。でも平らなところまで頑張ってみよう」と登りつめて出たところが山頂のようだった。

ありました。予想通りに山頂に三角点を発見。

案内板には

 二等三角点 八幡(はちまん)  
 北緯 34度52分39秒511  
 東経 135度41分53秒243
 標高 142.48メートル
 設置年 明治34年
    (西暦1901年)
とある。

100年以上前に設置された二等三角点だった。文字も古い書体で、「二等三角点」と彫られた面以外は、文字が読み取れなかった。貴重な三角点だと思う。三角点のそばには「鳩峰国分寺跡」と彫られた石柱がたっていた。

山頂から整備された道を少し歩くと、青いペンキをぬったフェンスや山を昇り降りするための階段があった。

この道が正しい通路なんだな。

苦労して探した後、見直してみるともっと簡単な方法ややり方があった、と気づくことがあるが、三角点探しも同じ。
急な斜面を登ったり、下ったりしたあとで、もっと安全で簡単なルートがあったことを知ることがよくある。

出てきたところが、先程のレクレーションセンターの駐車場の入口。写真右側のフェンスが駐車場のもの。そばにある立て札に「鳩ヶ峰を経て京阪八幡市駅 約25分 男山散策こもれびルート」とある。

ああこれか、、、。鳩ヶ峰の山頂に至る道を探しているときにこの立て札を見ていたが、矢印が山と反対方向を差していたので無視していた。この矢印どおりに進むと駐車場を迂回しながら山頂に続く道につながっていたのだ。

家に帰ってからネットでこの三角点のことを調べていると、私とほとんど同じ間違いをしている人がいたことを見つけた。

先達はあらまほしき事なり。

 

 

 

 

三角点を探る旅 その25

名古屋市 星が丘の三角点

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地図を見ていると、平和公園の西側に三角点があることがわかった。
104.9と書いてあるから、名古屋市内では高いところにある三角点のようだ。
上の地図の70.2mのところにある三角点は発見できなかったので、今度はこの星ヶ丘周辺にある三角点を探しに行こう。

地下鉄に乗って「星ヶ丘」へ。名古屋のエスカレーターは左側に立つ。大阪とは違うが日本のどの辺から右と左に別れるのだろう。名古屋に来るたびに思う。
愛知淑徳大学に沿って歩くと、急な斜面に出てくる。通りぬけできませんと書いてあるが、たぶん前方のマンションの後ろに丘などがあるのだろうと思い歩き出す。

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マンションに突き当たっては三角点には行き着かない。地域の人らしい人に聞いてみると、脇道があってその先にベンチがある広場がある、と教えてくれた。たぶんマンションが出来る前にはその脇道がメインだったのかもしれない。 IMG_6762 IMG_6763

急な上り階段がある。やっぱりこの上にちがいない。少し前にこの丘の上にマンションが建ったのだろう。二万五千分の一の地図にはこのマンションはない。
階段を登りつめると、ありました。ベンチの置かれた小さな広場。高さ的にはこの前方に三角点はあるようだ。左側の坂道を登る。

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発見!。なかなか立派な三角点だ。国土地理院の標柱や三角点を保護する石もきちっと保存されている。標柱には、「三角点」「国土地理院」「大切にしましょう三角点
」「基本測量」の文字が書かれている。
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こんなふうにきっちりと保存されている三角点を見ると、この地域の人達の優しさが伝わってくるような気になる。 三角点から下って行くと、こんな表示板があった。 IMG_6783

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ここは市民の緑地となっているようだ。 私が歩いたコースも一万歩コースなどの表示があって、歩いたり、ランニングしている人とも出会った。炭焼き、ユーカリなどの表示もあり、市内にこんなに大きな緑地帯があるといいなあ。名古屋城のそばだから、大阪で言えば大阪城公園みたいなものかもしれない。

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三角点が見つかったので、地下鉄の駅に戻る。 100メートルといえどもかなりの高さなのだ。斜面も急な角度で、下るのも足元に力が入る。そういえば電子基準点のあった名古屋気象台もこんな斜面の上にあった。
帰って調べてみると、ここの三角点は名古屋市内で二番目に高い場所にある三角点だとわかった。