立方体を作る

折り紙などを使って立方体ができないものか。

そんな事を考えて本を探しているといくつか製作方法が載せられている本があることがわかった。
その一つが左。

ブルーバックスの「折る紙の数学」(渡部勝著)。

この作品の特徴は、直方体を作って2つに折り込む、という作業をすること。

まず左のような4✕4の線を引く。
紙の大きさは特にこだわらないが、出来上がりの立方体の一辺がもとの一辺の四分の一になる。
線の引き方については、本を見てほしい。

私はA4の紙を利用して、正方形を作ってみた。
どんな紙でも良さそうだが、折り曲げる過程が複雑だったので、あるのであまり分厚いとやりにくいと思う。

真ん中で折り曲げると、最初の写真のように立方体になる。

次は、同じブルーバックスの
「おりがみで楽しむ幾何図形(芳賀和夫著)
にあった立方体の製作。

この立方体の特徴は、立方体の一辺を折り紙の辺に頼らないということ。
つまり下の写真のように、立方体の展開図を考えて正方形を配置するという考え方。

 

この展開図の作図については、本を見てほしい。 折り紙の中に、どのように立方体の展開図を入れるのか、その方法が説明されている。
本には、
「簡単に取れる長さの基準が、わずか0.4%未満というよい近似法が見つかって、実用にさしつかえなく立方体がつくれることがわかりましたので……(後略)」とある。
その基準は、1:3/8 の直角三角形をつくり、そこから展開図の長さの傾きを決めるのだが、実際の本を見て確かめてほしい。

本の説明によると、決まった折り方の順はないそうだ。
「立方体づくりにはこれといった定番の手順があるわけでなく、描画できません。ですので手順は、どれかの斜めの線を山折りにして表面から持ち上げながら箱にしていきます・・・」とある。
また、
「紙の摩擦だけでは形を安定的に保つことは難しく、内部の一部を両面テープなどで接着するなどしながら、立方体にしていくのがよいでしょう」」とあるので、試行錯誤しながら立体にしていった。

この立方体は紙が何枚か重なる部分が多いので、でこぼこを避けるために折り曲げやすい紙がいいようだ。
折り紙のような正方形の紙から、立方体ができるという例だが、私が作ってみたのは少し不格好になってしまった。

次は正方形ではなく、A4の長方形の紙を使っての立方体。
「みんなで楽しむ 多面体おりがみ」(日本ヴォーグ社・布施知子著)から。

この立方体も、最初に紹介した立方体のように、折り曲げて立方体にするタイプだが、折り曲げた部分が蓋になる。
立方体の中に物が入る、という少し面白みのある立方体だ。

なかなか折り応えがある。

これもあまり厚手の紙ではきれいな折り目にならない。
上の写真右側の立方体は、中に折り紙で作った三角柱をいれたところ。
なんとなく遊び心があって、おりがみで楽しむという雰囲気が感じられる。

単に立方体を作る方法を考えるのも面白いし、それをなにかに利用できないかと考えるのも面白そう。
おりがみ、奥が深そう。

 

 

菱形12面体(りょうけい12めんたい)

これは大谷中学校・高等学校であった「サイエンス・フェスタ」であったプログラムの一つ。
「菱形12面体」ー「ひしがた」とは読まない。
「りょうけい」と読む  ー   初めて知った!

菱形の12面体?とはなんぞや、と思いながらペーパークラフトなので作ってみた。
つくっていると、「これは縦にも、横にもすきまなく並べることができます」という説明があり、係の人は写真のように組み立ててくれた。
へーっと思いながらその時は終えたが、家でやってみようと思った。

ウィキペディアの説明を読むと
「・・・構成面が全て合同な菱形のため等面菱形多面体である。また、平行移動のみによって単独で空間充填できるので平行多面体でもあり、その時のこの図形の配置は面心立方格子構造となる。・・・」
うーん、わからない単語が並んでる。とにかく菱形12枚で作られていることはわかる。「対角線の比が1:√2 になっている」という説明もあった。

ネットで菱形12面体の展開図を探すことにした。ウィキペディアにも展開図が載せられているが、ペーパークラフト風なものはないかと思い探してみた。そうすると次のホームページに私の出来そうなものが紹介されていた。

https://polyhedra.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/12-f0b1.html

さっそくこれを利用して作ってみることにした。

このような展開図を公開していただいて感謝。ありがたく使わせていただきます。

どれくらいの大きさがいいのだろうか、
縦にも横にもすき間なく並ぶということだから、10個くらいは作ったほうがいいだろう、と考えながら左の写真のように組み立てることにした。
プリントアウトした紙でつくりはじめると、すぐに凹むなど耐久性が良くない。
そこで少し厚めの紙に貼って、丈夫な12面体になるようにした。

どんなふうに組み合わせるのだろう? ネットで調べてみると、菱形の面どうしを貼り付ければいいということがわかった。 なるほど菱形の面どうしをくっつけていくと写真のようになった。

次は上に積んでみよう。

開いている空間にキッチリはまるではないか。

なるほど、これが空間充填か?!

下部は写真のようになっている。

ウィキペディアによると、菱形12面体は二種類あるそうで、私が作った対角線の比が1:√2 (これは白銀比とよばれているそうだ)になっていて、この菱形12面体は縦にも横にもすき間なく並ぶ(空間充填している)が、対角線の比が黄金比
 1:(1+√5)/2 
の菱形も12面体を作るが、これは空間充填しないそうだ。

空間充填、面心立方、黄金比・・・うーん、大学で習ったかも。
サイエンス・フェスタで出会うとは思わなかった。
次はこれを折り紙でできないか?
ちょっと考え中。

 

 

 

虹ゅう丸(にじゅうまる)

上の写真は8月20日の大谷中学校・高等学校であった「サイエンス・フェスタ」での様子。
プログラムは「虹ゅう丸(にじゅうまる)」というもので、太陽光線が箱の中にあるCD-ROMに反射してきれいな丸い虹が写っている。
虹が二重に見えるので「虹ゅう丸」(にじゅうまる)と名付けているのがたいへんおもしろかった。

家に帰って家にあるダンボールで写真のような装置をつくってみたがだめだった。
虹が映るには映るが、上の写真のようにはっきりとしたきれいな虹にならない。
ぼやけた、そして大きな虹になり、二重の虹になっているのかどうかも判別できない。

「サイエンス・フェスタ」のホームページを調べ、この「虹ゅう丸」のことが乗っていないかを調べることにした。

https://www.pesj-bkk.jp/OSF/websf.php?memo=frompagelink&page=6&tag=all-2023

そこに「虹ゅう丸」のガイドブックが載せられていた。
しかしそこには箱の大きさや、太陽光線を取り込む穴の大きさ、CD-ROMをどのへんに置くのかなどの記載はなかった。
そこでガイドブックに書かれていた連絡先にメールを送って教えてもらうことにした。

しばらくして大商学園高等学校の科学研究部から詳細なお返事を頂いた。
それを元にして作ったのがこれ。

箱の中に光が入らないように、段ボール箱のフタの部分を使ってヒサシのようになるようにしている。

虹が映る部分の大きさは 縦 X 横=49X49(cm)
なるように大きめの段ボール箱を細工した。
*完成した段ボール箱は 49X49X29(cm)

太陽光線が入る穴は 6センチ、8センチ、10センチと試してみたが8センチが映る虹の大きさが適当に思えた。

CD-ROMと太陽光線の入る穴との距離・長さは、
科学研究部からの資料によると23センチから27センチぐらい。
私の用意したダンボールは29センチだったので、高さ4センチの小さな段ボール箱を用意してその上にCDを置くことにした。

最初は家にあったDVDをつかったが、どうもぼやけた感じになる。 科学研究部のアドバイスで、ダイソーで買った2枚110円の CD-ROM を使うと、写真のようにきれいな虹が投影された。またスクリーになる部分を白い紙にしたのも科学研究部のアドバイスである。私はついでに黒い画用紙をダンボール箱の内部をはることにした。
(おかげで写真写りの良い二重の虹の写真が取れた・・・と思う)

どうしてCDに太陽光線が反射して虹が見えるのか?
この理屈は私にはむずかしい。光の回折と干渉の結果ということだ。
サイフェンス・フェスタのホームページから説明の部分を引用すると、

https://www.pesj-bkk.jp/OSF/pdfdoc.php?gbsr=&memo=sam_regular&id=34eKEGWfFq

説明の部分を引用すると、 「太陽の光は色がついていないように見えますが、実はたくさんの色が混じっています。
CDの裏面には細かい凸凹が渦巻き状に並んでいて、光が当たると色分けします。
CDの凸凹は内側と外側に光を色分けしながら反射するので、丸い虹が2重に見えます。・・・後略・・・・」

光の干渉と回折、高校のときに習ったなあと思いながらこの説明を読む。

この実験には続きがある。 CDの半分を写真のようにモノで隠すとどうなるか?
なんと大きな半円と小さな半円が映る。
これは上の説明図のCDを半分隠した場合を考えると、説明にあるように反射が大きい円と小さい円にわかれているので、半分ずつになると考えればいいのだと思う。

外で写真を取っていると、近所の小学生が興味津々に見ている。
虹が写っているのを見て、びっくりしている。
大人の人が「何をしているのですか?」と尋ねられる。
「虹の実験です・・・」

ちょっと面白い体験だった。

この「虹ゅう丸」作成のために詳しいデータを送っていただいた大商学園高等学校の科学研究部にお礼を申し上げます。ありがとうございました。