割り勘のなぞ 2

前回の場面を復習してみよう。

3人でレストランに行き、25ボンドの伝票が回ってきた。
3人で割り勘にすることにした。
1人10ポンドずつ集めることになった。

30ポンドで精算し、5ポンドのお釣りを1ボンド硬貨5枚受け取った。

1人1ポンドずつお釣りとして分けて受け取り、残りは2ポンドとなった。

 

 

この2ポンドはウエイターへのチップとして渡した。
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どこにである会計の風景。でもチョット待って。

1人10ポンド出したから3人で  10✕3=30(ポンド)
お釣りは1人1ポンドだったから  10ポンド引く1ポンドは9ボンド
3人だから  9✕3=27(ポンド)払ったことになる。
チップは2ボンドだったから 27+2=29(ポンド)
あれ? 30ポンドじゃなかったのかな?   
というもの。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これはいったいどこに間違いがあるのだろう。
イラストを見て考えてみよう。

計算方法がまちがっている

イラストの図のように単純に考えていけばいい。

料理の代金は25ポンド
3人が払ったのは(10✕3で)30ポンド
お釣りは5ポンドで、1人1ポンドのお釣りを取り、残りは2ポンド。
2ポンドはチップとしてウェイターにわたす。
どこにも間違いがない。

3人で9ポンド出して27ポンド、その27ポンドからチップが2ポンド出ているから料理代は27−2=25ポンド、と考えるのがこの問題。
あるいは逆に、料理代25ポンドにチップ2ポンドで27ポンドの支払い。
3人だから27割る3で9。だから1人10ポンドをだして1ポンドのお釣りをもらったということ。
実際3人は27ポンド支払っている。そこにはチップ代も含まれているのだ。
チップ代も含まれている27ポンドに、さらにチップ代2ポンドを持ってきたところにこの問題のひっかけがある。

ウィキペディアで調べていると、ほぼ同じような問題があった。

ある3人が食堂で食事をし、1人1000円ずつ合計3000円を支払った。しかし店主は料金をサービスし、給仕に対し3人に500円を返すように命じた。しかし給仕は、3人に対して500円を返したのでは均等に分けることができないため、その500円から200円をこっそり盗んで自分のふところに入れ、均等に分けることのできる300円だけを返した。
 300円は均等分けし、それぞれ支払った金額は1000円から100円差し引いた900円になり、合計すると2700円になる。それに給仕が盗んだ200円を加えると、2700+2000=2900円となるが、差額の100円はとこにいったのだろう?

これはレストランで30ポンド払ったケースと全く同じ。

お客は1000円払って100円のバックをもらっているので900円の支払い。
3人は900円✕3=2700円払った。
2700円には給仕の盗んだ200円が含まれているので、実際の料理代金は
2700−200=2500 と考える問題。
「100円はどこにいった?」という問題は、出題者の「勘違い」で、「100円という金額は、収支のどこにも存在しない」というのが正解である。
とウィキペディアでは説明されている。ウィキペディアには、お金の流れを詳しく説明した記事が載せられている。

 こういったひっかけ問題には騙されやすいのが人の常。
言葉づかい、言葉の言い回しに踊らされないようにしなければ、と自戒する番組だった。