パズルの世界2

3×3×3ソーマ・キューブ

今回作ったのは「3✕3✕3ソーマ・キュープ」。


参考にしたのは「Play Puzzle パズルの百科」(高木茂男著・平凡社)。
この本によると
「デンマークの詩人で、数学ゲーム考案家でもあるピェット・ハインが創案したもの。
4個以下の立方体を面と面とではりあわせてできる立体のうち、どこかに出っ張りや引っ込みのあるものだけを選ぶと7種類のものが得られる。これを全部つかつて立方体を作るのが、ソーマ・キュープである。
 これはヨーロッパでも、アメリカでも、日本でも用具が売られ、キューブ・パズルの中ではもっともポピュラーなものである。立方体以外にも、いろいろな形を組む遊び方がある」

図からわかるように、立方体3個のものが1つ(番号①)で、あとは4個の立方体からできている(番号②から⑦)。
立方体に組み立てるのは、図のように下段・中段・上段と組み合わせを考えて置いていく。

上の写真左が下段の様子、右が中段の様子である。
そして上段はトップの写真のようになる。

ウィキペディアによると、
・・・・・・・・・・・
「Piet Hein はこのパズルをヴェルナー・ハイゼンベルクの量子力学の講義中に考えた。
ソーマの名称の由来は諸説あり、オルダス・ハックレーの小説「Brave New World」に登場する架空の薬に由来するとも、その元となった神話上に登場するソーマに由来するともいわれている。・・・後半略・・・・

立方体に組む方法は、なんと240通りもあるそうだ。
上の写真はそのうちの1つ。

ウィキペディアによるとこの240通りのパターンがのった本があるという。
原題は Winning Ways for your Mathematical Plays.
邦題は「数学じかけのパズルゲーム」だそうだが、どんな本なのか私はまだ見たことがない。

 

 

パスルの世界1

悪魔のサイコロ

サイコロが27個。
サイコロの6面がすべてそろっている。
27個がバラバラなのではない。3個のサイコロをL型に組み合わせたものが9個ある。

 

上の図のように、サイコロの各面の数字をそろえながらL字型に接着する。
この9個のピースをどのように組み立てていけば最初の写真のようになるのだろう。
これはなかなかハードなパズルだ。

9個のL型にしたサイコロの並べ方は左の図のようになる。

キューブのパズルの並べ方を図に書くのはむずかしいので、普通左の図のような書き方をするらしい。
たとえば下段の7は、上の図の7番の組み合わせのL型サイコロで、下段に2個の部分を置き、中段に3個めの飛び出している部分が左端にくるように置く。中段の図に7の数字がサイコロ1個分に書かれているのはそういう意味だ。
また上段に1のサイコロがあるのを見てみよう。これはL字の形のまま置けばいいということだとわかる。
この時、一番上にサイコロの1の面がくるように置いていくのが最大のポイント。
6個の面に同じ数字が置かれた大きなサイコロが出来上がる。
結構時間がかかる。

この「悪魔のサイコロ」というパズルは左の本を参考にして作った。
「パズルの世界− 解き方・つくり方101例」(ジェリー・スローカム/ジャック・ボタマンズ著 芦ヶ原伸之訳)

この本によると、「悪魔のサイコロ」はオランダのビル・ストライボスの創作したものということだ。

今回作ったのは、大きなサイコロ(立方体)の各面にすべて同じ目がでることを目標にして組み合わせたものだが、各面のタテ・ヨコの数字の合計にポイントを当てるともっと難しいサイコロの組み合わせになるそうだ。

私はこのパズルを作るのに、100均でサイコロを探してきた。100均といえどもサイコロ27個そろえるとなると、それなりの金額となる。
一時は木を切って立方体を作ろうかとも考えたが、27個正確に切り出すのは私の力量では無理なのであきらめた。

ちょっと目には簡単そうだが、面を揃えるとなると手こずるパズルだった。

 

 

 

プラトンの立体

多角形で囲まれた立体を多面体という。その中でも一種類の正多角形の面で作られたものを「正多面体」とよんでいる。
正多面体は、正4面体・正6面体・正8面体・正12面体・正20面体の五種類しかない。
プラトン(紀元前427〜紀元前347)が著書「ティマイオス」で正多面体についてふれているので、正多面体は「プラトンの立体」とも呼ばれている。
(参考同志社中学校のホームページより)

正多面体を紙で作ったのが一番上の写真。
正多面体の頂点や辺の数などを調べるには、左のようなモールを使った正多面体の立体模型が便利だ。
左のモールによる正多面体の模型は、「ストローとモールでつくる幾何学オブジェ 100均グッズで学ぶ多面体」(日本数学検定協会 丸善出版株式会社)の本によって作った。
この本で紹介されているように、100均で売っているストローとモールさえあれば、プラトンの立体を作ることができる。

上の写真がストローとモールで作った正多面体5種類。
100均では色のついたストローと無色透明のストローが売っていたが、模型としては透明ストローのほうがモールの色がわかってカラフルだ。

この本に、正多面体の頂点の数や辺の数を調べてみようという課題があった。
それが上の表。
頂点の数、辺の数、面の数の関係を調べてみると、

頂点の数から辺の数を引き、面の数をプラスするとすべて2になることがわかる。

この関係は「オイラーの多面体定理」とよばれているものだ。

今回私は正多角形を作り、そこから正多面体に発展していった。
そして「正多面体は、正4面体・正6面体・正8面体・正12面体・正20面体の五種類しかない。」とか「正多面体の頂点の数、辺の数、面の数には、Eulerの多面体定理とよばれる関係がある」ことがわかった。
なぜ正多面体には5種類しかないのか、なぜオイラーの多面体定理が成立するのかについては、ネットで検索すると多くの証明や説明が紹介されていることがわかる。
そういうことでここではその説明は省くことにする。興味のある方は是非ネットで検索することをおすすめする。

上の写真は正12面体と正20面体のち地球儀の模型。
これは
「発見・体験! 地球儀の魅力 地球儀を自作しよう!」(稲葉茂勝著 少年写真新聞社)
の本にある地球儀の模型の展開図をもとにしてつくったもの。
球形の地球儀を紙で作ったことはあるが、写真のような正多角形をもとにした地球儀は初めてだった。球体を作るのはむずかしいが、多面体なら少しなんとか作れそう。しかし糊付けに手間がかかり苦労したが、やってみると楽しい作業だった。