魔改造の夜 その8

技術者養成学校8(最終回)

最後の授業。講師は「東京大学工学部准教授」の長藤圭介さん。
長藤さんは「魔改造の夜」の解説者として当初から関わってきた人。
技術者養成学校の最後のまとめ役として登場したようだ。
そして町工場の社長3人がゲストとして参加した。
今回のテーマは、「トースター高跳びに学ぶ ー なぜ町工場によるジャイアント・キリングが起きたのか?」

「トースター高跳び」に優勝したH野製作所のトースターと大手メーカーが制作したトースターの比較から講義はスタートした。
学生たちは実物を見比べながら、
・メンテナンスのことを考えて作られている。
・ローラーの大きさが違う
などの意見が出していく。
「ローラーの大きさは、直径が4倍違っていた。そうすると初速は何倍違ってくる?」と質問が返される。こんなふうにして考えが深められた。まとめると、

理由1、ローラーの直径を長くして初速をかせいだ。
理由2、失敗を重ねて作り上げた。「まず作ってみる」に答えがある。

大手メーカーは設計にかなりを時間をかけた。町工場は短い時間でそれを終え、まず実物を作る中で改良・改善を重ねたという。

大企業は事前に売れるかを調査する、町工場はとにかく作ってみよう、の差だろうか。

町工場の社長が、ヌンチャクみたいに携帯電話のカバーが動くものを紹介した。それは社長さんが作ってみたかった、ということからスタートしたそうだ。
「考えた人と制作した人の距離が短い」それが町工場の魅力と有利な点だろう。

H野製作所では写真のような「ものづくり支援施設」を工場の二階に作ったそうだ。
ベンチャーと職人が集まって新しいものづくりがはじまっている。ここで0号機、初号機が作られていると説明があった。この動きの中で職人たちの腕も磨かれているそうだ。それが理由3である。

理由3,異業種交流で拡張した技術力が養われた。

世の中には長時間立ち尽くして仕事をする人たちが多い。
写真のような手術中のドクターや看護師さん。
スーパーやコンビニの店員さん。
介護職員や警備員さんなどなど。
ドクターからこの町工場に依頼があり、3年間の試作と改良で作り出されたのが「いすロボット」(正式名称は不明)。
上の写真の右の人物が足に装着しているものがそのロボット。スイッチを入れることでこの「いすロボット?」に座ることができる。丸太や横棒の上にお尻をおろしている状態を想像すればいいそうだ。見かけは立っている状態を保ちながら、体は座った状態になることができ、腰や足が休憩できるというもの。
町工場の社長さんからは、「魔改造の夜」に参加して、ものづくりの楽しさを実感・再確認できた。職場に輪・和がうまれた。若手がそだった。いま新しいことへのチャレンジがはじまっていると元気な声がかえってきた。

長藤さんが最後を締めくくる。
「全員賛成するまでまっていたら何もできない事が多い。できない、という理由はいくらでも出てくるものだ。しかしやってみようぜ!とスタートすることも大事だ。決めたことには応援しよう。そして失敗してもいい、やるなかで勇気づけられることもたくさん生まれてくる。それはあたなの人生に生かせるものだ。さあ、次はあなたが・・・。」