魔改造の夜 その5

技術者養成学校5

第5回目の講師は「明和電機代表取締役社」の土佐信道さん。
明和電機とは、ウィキペディアによると「土佐信道プロデュースによる、中小電機メーカーに「擬態」した芸術ユニット。」とある。
ホームページには「土佐信道プロデュースによる芸術ユニット。青い作業服を着用し作品を「製品」、ライブを「製品デモンストレーション」と呼ぶなど、日本の高度経済成長を支えた中小企業のスタイルで、様々なナンセンスマシーンを開発しライブや展覧会など、国内のみならず広く海外でも発表。音符の形の電子楽器「オタマトーン」などの商品開発も行う。オタマトーンは累計販売数100万本を超えるヒット商品(2022年1月現在)。」と紹介している。
私はこういうアートユニットがあるとは、私は全く知らなかった。

今回のテーマは「DVDプレーヤーボウリングに学ぶ ー ”華”のある魔改造」

DVDプレーヤーボウリングというのは、DVDレコーダーからDVDそのものを取り出し、25m先にあるボウリングのピンめがけて飛ばす、という競技。

優勝したのは、金属加工の町工場チーム「S陽製作所」。
他の2社がモーターの回転でDVD飛ばしたのに、この製作所は弓で飛ばした。「そこに華がある」と土佐さんは言う。
土佐さんはナンセンスマシンとして自分の作った「指パッチン木魚」などを紹介された。
学生たちも,パンチをすると謝罪文をタイプする「謝罪メールパンチングマシン」やポールダンスして最後にお札をばらまく「ポールダンスロボット」などを紹介した。

土佐さんは「おかしな発想法」を紹介した。そのためには「常識を超えた発想が必要」としてその方法を提案された。
たとえば「おかしなDVDプレーヤー」を発想しよう、というテーマで講義は進められた。

まずA4の紙に縦横4マスの表を作る。
・一番上の行にA,B,C,D と書く。
・Bの列に「朝から今までさわったもの」を書く。
・Aのコマにはすべて「おかしな」と書く。
・「おかしな」と「B」をくっつけて、頭の中に浮かぶイメージを「C」に書く。
  たとえば「B」に「まくら」「ふとん」のふたつを書いたとする。
「C」には「おかしなまくら」「おかしなふとん」からイメージした「とろける」「そらとぶ」と記入したとする。
そうして「D」には「Cに書かれたふたつの言葉から浮かぶ『おかしなDVDプレーヤー』を書く。たとえば「とろけるチーズでできたDVDプレーヤー」となるわけだ。

そうしてできた「おかしなDVDプレーヤー」から華のあるものを選んて絵にする。
絵に書くということは、頭の中にあるものを外に出す、という作業だ。

左の絵は劇団ひとりが考えた「馬の背中にDVDプレーヤーがついた」もの。
学生たちも色々考える。
・走って逃げるだけのシャベルDVDプレーヤー。
・見終わるとDVDがドロドロにながれていき、二度と見られないVDプレーヤー。
・人に痛みを与えるDVDプレーヤー。などなど。

土佐さんは言う。「華のあるものを作るには数を打つこと。100,1000,10000と作ること。発想がでないと思っていても、『おかしな』とつなげるとリミッターがはずれる。一度そのフタがはずれると次々と頭から出てくる」。
「どろどろの」と「DVDプレーヤー」でグーグルで検索しても、ここで出てきたDVDプレーヤーは絶対出てこない。グーグルは常識・コモンセンスなものを検索しているのである。私達がここでやったことは、常識を超えた「超常識」の発想をしたのであるということだろう。
発想法、その手立てを教えてもらった第5回目の技術者になった。