奥の細道を英語で13(最上川2)

Now, let’s talk about my boat trip on the Mogami River. The river collects water from the Ou mountains and goes into the Sea of Japan. I heard that there were dangerous places with big rocks. At some places, the river was so fast that boats turned over. Hearing this made me worry,and it was actually very scary going down on about. The river finally slowed down when we got near Mount Itajiki. I was also able to see the famous Shiraito Waterfall. Many great poets had written about these two places. We got off the boat. When my feet touched the ground, I felt so relieved. Come to think of it, it was the high season for heavy rain. I went down the river when there was the largest amount of water. What an adventure it was! This haiku came to mind.

    Early summer rain   
        Powerfully going down
             Mogami River

最上川は、みちのくより出て、山形を水上(みなかみ)とす。
ごてん・はやぶさなど云(いう)おそろしき難所有。板敷山(いたじきやま)の北を流て、果は酒田の海に入。
左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。
是(これ)に稲つみたるをや、いな船といふならし。
白糸の滝は青葉の隙々(ひまひま)に落て、仙人堂、岸に臨て立つ。
水みなぎって舟あやうし。

     五月雨を
        あつめて早し最上川

 

*ごてん・はやぶさ; 最上川舟下りの難所。川中に碁石のように暗礁が点在し、隼の飛ぶように水の勢いが速いところからこういったという。
*隙々に; 隙間のこと

橋本治さんの訳を引用する。

「最上川の源流は陸奥にあり、山形あたりが上流にあたる。その流れには、碁点(ごてん)とか隼とかいう恐ろしい難所がほうぼうにある。それらを通過し、歌枕の地板敷山(いたじきやま)の北を下って、最後は酒田で海に入っている。
流域の左右は覆いかぶさってくるほどの山で、木々が生え茂った中を、舟に身を任せていくのである。その舟に稲を積み込んだのが、古歌に詠まれた稲船というものなのだろうか。
名高い白糸の滝は、青葉に埋まった中を落ちていて、仙人堂は川岸ぎりぎりの場所に建てられている。そんな川を下るのだから、水量が豊かなせいもあって、舟が何度となく転覆しそうな危うい目にあった。

        五月雨を
             あつめて早し最上川               」

長谷川櫂著「『奥の細道』をよむ」では、
「/五月雨をあつめて早し/最上川/
句中の切れのある一物仕立て。芭蕉は大石田の歌仙の発句の『さみだれをあつめてすずしもがみ川』をここで「早し」と改めた。歌仙を巻いたとき、芭蕉はまだ船に乗らず、五月雨で増水した最上川を眺めただけだった。そこで『すずし』としたのだが、そこ後、元合海から清川まで最上川を舟で下った経験をもとに「早し」となおしたということだろう。
「すずし」は船宿の主、一栄への挨拶。一方「早し」は水かさを増した大河の迫力ある描写」と書かれている。

*五月雨とかいてあるので、つい季節は5月と思ってしまう。
記録によると芭蕉が最上川にいたのは、5月27日。だから五月雨となるわけだが、これは旧暦。新暦でいうと7月13日。東北地方の梅雨は6月下旬から7月上旬。
芭蕉は梅雨の真っ只中にいたのだ。だから最上川の水量の非常に多かったことが想像できる。私が奥の細道を詠まなかったら、芭蕉は5月のいい季節に最上川の舟下りをしたのだなあと思っていただろう。

芭蕉はこのあと、最終目的地の大垣まで旅を続ける。
全行程160日の大行脚。
Enjoy Simple English は約半分の旅だったが、大変勉強になった。

機会があれば残りの旅のあとを追って見たいものだ。