宇宙から見える星々

先週末に見えた雲。
飛行機雲ではない。
西から東にかけて直線状に伸びた白い雲。
NHKの朝ドラの「おかえりモネ」に投稿したいくらいの写真。
巻雲というのだろうか。

秋が近づいているのかも知れない。

さて、地球上では、昼は青空と白い雲や夕方の夕焼けといろんな色の変化が大空で楽しめる。
夜は月や惑星や多くの星々が見える。
では地球から飛び出した宇宙船からはどんな空が見えるのだろうか?
満天の星が見えるのだろうか。

 

上の二枚の写真は宇宙飛行士の若田光一さんが写した写真。
「若田光一の絶景宇宙写真とソラからのたより」(株式会社エクスナレッジ発行)から引用したもの。
この写真には満点の星々が写っていない。
では宇宙船からは星は見えない?、写真に写らないくらい暗くて見えないのか?

日本科学未来館にあるプラネタリウムMEGASTARはその星の投影数が世界最高レベルで有名。私も数年前に見に行ったことがある。
未来館にどんなプラネタリウムを設置するかを検討した時、当時館長だった毛利衛さんは「MEGASTARの星空は、まるで宇宙空間で見た星空そのものだった」と語っている。(日本科学未来館のホームページより)
宇宙飛行士の毛利さんの見た宇宙船の外側に見える風景は、プラネタリウムでみえる星空のようなのだと考えられる。
そんな写真があるのだろうか?
それがあった。

 

すごい。まるで映画で見たような宇宙空間と地球。 まさに満天の星のようだ。

「宇宙飛行士が語る宇宙の絶景と夢
星宙(ほしぞら)の飛行士」
油井亀美也(ゆい・きみや)
林公代、JAXA。
実務教育出版の本。

油井さんは星空の写真撮影にたいしていろんな努力をしていたということが、この本を読んでみるとわかる。
星空や地球の写真を取るために、寝る時間を削ってまで撮影のタイミングを考えている。
興味のある人は手にとって欲しい本といえる。

私達が地球上で天の川や星座を写真撮影するときも、ただ単純にシャッターを押せばいいのではないことはわかる。
写真を取りたい星座のそばに満月があれば、どうしても満月の光に影響される。月は撮れても星は写らない。あるいは星を写せば月は真っ白になってしまう。露出について考え、絞りの調節が必要になってくる。
人間の目は、光の強弱があっても見やすいように調節してくれる。それは脳の働きだとおもう。
明るい満月も、そばにある星座もどちらも見えると感じてくれる。
しかしカメラはそうはいかない。
人間の目に見えるように、宇宙の星空をカメラに収めるには工夫が必要なのだ。
岩田宇宙飛行士の写した写真に星が写っていないから、人間の目にも星が見えない、というのではない。その時のカメラの写し方では星空が写せなかったのだ。
毛利衛さんの言うように、宇宙から見える星空は、メガスターのプラネタリウムで見る星空のように見えるのだろう。

ではそんなに星がたくさんあるのに、どうして宇宙は暗いのだろうか。
地球上の昼間のように明るくならないのだろう。
それに答えてくれるのは左の本。

「宇宙はなぜ『暗い』のか?」
津村耕司著 (ベレ出版)

この問いは、「夜はどうして暗いのか」ということにもつながってくる。
「太陽が出ていないから」
と単純に答えてしまうけれど、こんなパラドックスがある。
宇宙に何万、何億、何兆という星があって、その星一つ一つが太陽と同じくらいに、あるいはそれ以上に輝いているのなら、夜に見える星は太陽が何万、何億、何兆と輝いていることとおなじはずだ。そうしたら空全体は昼間以上に明るくなるのでは?・・・・・・
この問いは「オルバースのパラドックス」と名付けられている。

この本の回答を私流に理解をしたのが次のこと。
 宇宙が無限にあったとして(実際に膨張を続けている)、無限に星々があったとしても、星には寿命があるので、すべての星の光を私達が観測することはできない。宇宙はビックバンによって138億年前に誕生したと言われている。つまり138億光年までの光しか私達の目には入らない。宇宙全体の星の光の量は有限であり、夜空を明るくするまでの量はない、ということ。
 作家エドガー・アラン・ポーが1848年に自分の本に「(星までの)距離があまりに遠いので、光線がまだ我々のもとに届いていない」と書いている。ビックバンの理論が発表される前、何らかの計算をしたのでもないのに、この結論を導き出したエドガー・アラン・ポーはすばらしい洞察力を持っていたのだろう。
 これ以上の詳しいことは私の手にあまる。よくわからない説明と思われる方は、この本を読んでほしい。

9月もなかば、これからは空を見上げて星の光にロマンを感じる季節だ。