The Torikaebaya Tale とりかえばや物語12

Eleven years later, Haru lived in the palace as the emperor’s wife Aki.

月日が経った。
Akiと入れ替わったHaruは、帝の妃となった。ゆくゆくは国母である。
Akiは吉野の山に居た隠者の娘ふたりの姉と結婚。またFuyuの世話も忘れない。
女東宮は娘を生んだあと、東宮の位を退き女院と呼ばれるようになる。自分が母とは言えないが娘をかわいがり、Akiも女院にお仕えする。万事が幸せな生活をおくるようになっていく。
NatsuはHaruiのことが忘れられなかったが、吉野の山の隠者の娘の妹君と結婚し、幸せな家庭を作るようになる。外にも麗景殿ゆかりの人もいるのだが、Enjoy Simple English には登場していないので、ここでは省くことにする。
Haruの心に残るのは、宇治で別れた若君である。若君は乳母とNatsuによって大切に育てられる。Haruと帝のあいだにうまれた若君と一緒に遊ぶようにもなる。

One day, she noticed a boy playing with one of her children.
Right away she knew it was her first son.
Her boy had grown up into a beautiful child.
She called him close to her and said,

“I knew your mother.
You were told she is dead, but she is alwasys alive in your heart.
If you ever want to see her, come here to see me again.”
There were tears in the boy’s eyes.
Haru wanted to take the boy into her arms, but she didn’t.
She quietly walked away.

このあたりの様子を田辺聖子さんの「とりかえばや物語」を見てみよう。

「あなたのお母さまは、わたしもよく知っている方なの。あなたのことを忘れがたく恋しがっていられるのを、見るのがお気の毒で、こうしてお話するの。大納言(Natsuのこと)は、もうその方をこの世にない人と思っていらっしゃるでしょう。だから今日のこともお話になってはいけません。でもあなたのお心のなかでだけ、お母さまは生きている、とお思いになって、会いたいときには、このへんにいらっしゃい。こっそりとおあわせするわ」
・・・略・・・(宮中をさがった若君は乳母にだけこっそりという)・・・・
「ぼくね。今日、ぼくのお母さまらしい人にあったんだ。でもお父さまにはお知らせしないて、と口止めされたので、いわない」
・・・略・・・(乳母はどうしてお父さまに隠すのかとたずねる)・・・・
「お父さまにはお話するな、といわれた。こんどまたお会いしたとき、お父さまにいってもよいとお返事があったら、お話しよう。それまではいっちや、だめだよ」と乳母の口を封じる。

Haruの産んだ若君は「人生の知恵を早く身につける。思いがけない母との再会に涙しながらも、乳母にさえその母のありかをいわぬ。子の知恵がまたしてもHaruの危機を救った(桑原博史「とりかへばや物語」より)。

This was a story of a sister and brother who were living their lives as the opposite sex.
But in the end, each found happiness in their own destiny.

このようにすべてが良い方にことがはこび、この物語はおわる。