古事記を英語で読む16

The Goddess' Grandson 1

Okuni-nushi became the ruler of the land below the sky.
Together with his children, they made it into a wonderful place.
 One of the gods above the sky wasn’t happy.
*make into ; 作り変える

橋本治さんの「古事記」からこのあたりを引用すると、
「出雲を中心として、葦原の中つ国は豊かに栄えていきました。オオクニヌシの神とその子孫の神々の他に、出雲の地には、オオヤマツミの神の娘であるカムオオチ姫とスサノオの命のあいだに生まれた、オオトシの神の一族もたくさんいて、オオクニヌシの神と共に出雲を栄えさせていたからです。
 しかし、これをご不満に思う方もおいでになりました。高天原においでになる、アマテラス大御神でした。」
とある。

It was the sun goddess Amaterasu.
She thought her oldest son Ameno-oshihomimi should rule the land.

橋本治さんの「古事記」の続きを見てみると、
「アマテラス大御神は地上のにぎわいを見ておおせになりました。『・・・・この大切な国は、わたしの子どもでおいでの、アメノオシホミミの命がご支配される国なのだ』
そうしてアマテラス大御神は、ご長男であるアメノオシホミミの命を、地上の国へとお降ろしになることをお決めになったのです。

*さてこのアメノオシホミミという神は、アマテラスとスサノオが天上で互いの持ち物から神を生み出したときの神で、アマテラスの玉飾りをスサノオが噛み砕いたときに生まれた神。しかも第一番目の男神である。
アマテラスに命じられたアメノオシホミミは、天浮橋から地上の世界を見る。

“It is too noisy for me.”

「豊葦原の千秋の長五百秋(ながいおあき)の水穂の国からは、なんだかひどく騒々しい音がきこえる」
・・・そうおっしゃってすぐにおもどりになってしまったのでした。高天原におもどりになったアメノオシホミミの命は下界の騒がしさを母大御神におうったえになって、『なんとかしていただかないと・・・』とお願いになったのです。(橋本治さんの『古事記』より)

*高天原の神々は相談して、アメノオシホミミの命の弟であるアメノホヒ(この神も、アマテラスの玉飾りをスサノオが噛み砕いて生まれた神)に下界におくることになる。

So he sent his brother to Okuni-nushi to tell him to give up his land.
Three years went by, but the brother didn’t return.

Enjoy Simple English では“He sent…” と書かれているが、古事記の原文を読んでみると、彼・アメノオシホミミが弟のアメノホヒを下界におくったのではない。他の神々が相談して決めたことがわかる。

「天安河の河原に八百万の神を 神集(かむつど)へに集(つど)へて・・・・、
是れ何れの神をか使わして言趣(ことむ)けまし 爾(ここ)に思金神(おもひかねのかみ)及(また)八百万の神議(はか)りて 天穂日命(あめのほひのかみ)是(こ)れ遣(つかわ)しむ・・・」

アメノホヒは出雲に行って3年たっても音信不通で高天原に帰ってこない。
それだけ出雲の国が住みやすかったのだろうと想像できる。
でもアマテラスにとっては信じられないこと。自分の子どもを下界の支配者にしようと思っているのに、一人目は「やかましいからイヤ」と言い、その弟は出雲が気に入ったらしくて連絡してこない。
では次はだれを下界に送ろうか。また八百万の神々と相談することになる。