古事記を英語で読む10

八俣の大蛇1

Amaterasu, the goddess of the sun, came out from the cave, and now all was well. However, there was one problem, her violent brother Susano-o.
The gods were angry with him, so they told him to leave the land above the sky.

橋本治さんの「古事記」の、この部分を読んでみると、

「天照大神がおもどりになるとすぐ、八百万の神々は、スサノオノミコトをどのように罰したらよいかという相談をはじめました。
スサノオノミコトへの罰は『千位(ちい)の置戸(おきと)』と決まりました。これは後の世の罰金のようなもので、罪を反省する証拠として、様々の貢物を差し出すことです。スサノオノミコトは、千の台の上に様々の貢物を乗せて、高天原の神々の前に差し出しました。しかしそれだけでスサノオノミコトの罪が許されたわけではありませんでした。スサノオノミコトは、それからヒゲと手足の爪を切らされました。・・・そうしておいて、スサノオノミコトは、高天原から追放の刑を受けました。」

おやおや、スサノオは父親のイザナキに出て行けと言われ、母のいる黄泉の国に行く前に、ちょっと姉のアマテラスに挨拶に来ただけだったのに・・・。さらに高天原の神々から追放されてしまい、地上の世界に行くことになったわけだ。

One day, in the land below th sky, Susano-o was in a place called Izumo.

スサノオが出雲に来る前に、食べ物の神である大気都比売神(おおげつひめのかみ)との話があるのだが、Enjoy Simple English では省かれているので、その部分は省略する。

There he saw chopsticks floating down the river.
He thought, “There must be people living up the river.”
He kept walking along the river and found a small house.
He heard sounds of crying coming from it.
Inside he found Ashinazuchi, the son of the mountain god, his wife and daughter named Kushinada-hime.

Susano-o asked them why they were crying,
Ashinazuch said,
“I had eight daughters.
But a snake called Ymatano-orochi eats one of my daughters each year. Kushinada-hime is all I have now.
But the snake will come again this year and eat her. We cannot help crying.”
*cannot help 〜ing   〜せずにはいられない。

The Yamatano-orochi was a very big snake with eight heads and eight tails. Its stomach was always dripping with blood, and its bright red eyes were always looking for something to kill.

橋本治さんの「古事記」には、八俣の大蛇の説明がこのようになされている。

「その目は、赤くうれたほうずきのように、らんらんと輝いております。しかもその目が右と左との一対ばかりではないのです。なんと頭が8つもある、恐ろしい大蛇なのです。胴は一つですが、頭と尾はそれぞれに8つに別れ、そのそれぞれの頭にある両の目が、火のようにらんらんと輝くのです。その胴体は山のようで、杉や檜の大木さえもはえております。胴体は暗くひんやりとして、不気味な蔓草を茂らせて、しかもその胴体の長さは、8つの谷、8つの山を超えるほどもあるのです。・・・その恐ろしい大蛇の腹は、いつも血にただれて、新しい生贄を探し続けているのです。」

*英文の dirp wiht … は、〜でしたたっている、というときに使われる。
     drip with sweat /汗だくになる、汗がしたたる というように使われる。

ここのところは原文では「其の腹を見れば、悉(ことごと)に常に血爛(ちただ)れつ」とある。橋本治さんの訳はこの語からきているのだろう。

さて、八俣の大蛇との対決がはじまる。