古事記を英語で読む9

天照大神3

The roosters started to call out their song, and a very cheerful goddess named Amenouzume started dance.
All the gods saw this, and they all laughed and clapped.
The laughter of the gods and music echoed in the dark, dark world.
Amaterasu heard this inside the cave. 
(rooster/雄鶏)

橋本治さんの「古事記」によると

「集められた常世の長鳴き鳥が、いっせいに鳴き始めました。それにあわせてアメノウズメの命の出番です。
陽気な女神、アメノウズメの命は、天の香具山にはえている美しい緑のヒカゲノカズラを肩にかけて、たすきにしていました。美しい蔓草であるマサキノカズラを髪に飾り、清らかな音を立てる笹の葉を手に持って、拍子を取ります・・・・」

ここで言う「長鳴き鳥」について橋本治さんは注を書いている。
「ニワトリは早朝、太陽が登るときに鳴くので、ニワトリを鳴かせれば、太陽(ここではアマテラス)が出てくると考えたのだろう」

天宇受売命(あまのうずめのみこと) 天香山(あまのかぐやま)の天(あめ)の日影(ひかげ)を手次(たすき)にかけて 
天(あめ)の真析(まさき)とかずらと為(し) 
天香山の小竹葉(ささば)を手草(たぐさ)に結(ゆ)いて
天之岩屋戸にうけ伏せて 
踏みとどろこし 
神懸(かみがかり)為(し)て

胸乳(むなちち)を掛き出で(かきいで)
裳緒(もひも)をほとに忍(お)し垂(た)れき

爾(ここ)に高天原 動(とよ)みて 八百万の神 共(とも)に 咲(わら)ひき

ここは古事記の原文をよみくだすことで、アメノウズメの命がおどり、それを見た神々が手を叩いて笑い、喜んでいるところが想像できる。

She thought,
“The world is now dark because I am hiding, I thought they would be sad.
So why are they laughing?”


 Amaterasu oved the rock that blocked the cave just a little to look outside.
Suddenly, a single ray of sunshine came out into the dark world.
 Everyone saw this but did not say anything.

Amaterasu asked Amenouzume,
“Why are the gods laughing?”
The cheefful goddess answered,
“A god more important than you is here.”


“What? A more important god?
That is impossible!”

Amaterasu looked outside a little more.


The strongest god thought,

“Now!” He took her hand and pulled her outside.

Another god put special ropes around the rock to make sure it never blocked the entrance again.

「フトダマの命は、用意しておいた「しめ縄」を手にして、天照大神の後ろへと走り寄りました。天の岩屋戸をお出になった天照大神が、もう一度その中へおはいりになることができないようにと、フトダマの命は、手にした「しめ縄」を天の岩屋戸の前に張り巡らして、出入りを禁じてしまったのです。
フトダマの命は、天照大神へ申し上げました。
『これでもう、二度とこの中へお入りになれないはずです』
神聖なものである「しめ縄」で出入りを禁じられてしまえば、天照大神だとて、その言葉にうなずかれるよりほかはなかったのです。」
                        橋本治さんの「古事記」より。

special ropes が「しめなわ」のこととは知らなかった。
橋本治さんは注として「しめなわ」の説明を書いている。
「しめ縄」とはシメ(占有)のしるしの縄をいう。しめ縄をはることで、そこが神聖な場所であることを示すとともに、悪霊が入れない場所であると考えた」

This is how the world got back its sunlight.

里中満智子さんの「古事記」で、ギリシャ神話にもよく似た話があると紹介している。
「農耕の女神デメテル。娘のペルセポネが黄泉国の王ハデスにさらわれてしまったので、『仕事なんかしたくない』・・・作物は枯れ、人々は困り果て、ご機嫌を取るためにストリップなぞして・・・アメノウズメが踊る話とよく似ている。
ペルセポネは、『黄泉の国の食べ物を口にしてしまったのでもとの世界へ戻れない・・』と、伊耶那美命が『黄泉の国の火で調理したものをたべてしまったから戻れない』というのと同じ・・・もともと人間の発想は似ているのか、それとも共通のルーツがあるのか?」
たしかに神話はおもしろいと思う。
次回の放送は高天原を追われたスサノオの話になる予定。