古事記を英語で読む8

天照大神2

They thought Susano-o would destroy their world.

Amaterasu, his sister, tried to protect him from the other gods, but Susano-o continued to make trouble.

ここでは省かれているが、スサノオは与えられた使命 ー 海を治めることをせず泣き暮らしていた。
イザナキが尋ねると、母のいる黄泉の国に行きたいと言う。
イザナキは怒って、高天原から出ていくように命令する。
スサノオは母のいる黄泉の国に行く前に、姉のアマテラスに挨拶に行くことにした。そこでお互いの持ち物で神を生み出し、スサノオは神々に迷惑をかけるつもりがないことを証明しようとする。スサノオはアマテラスが自分の持ち物である十拳剣から三人の女神を生み出したので、自分の言い分が認められたと勘違いをする。よろこんだスサノオは、傍若無人な行動に拍車がかかってしまった。
アマテラスは最初はスサノオをかばうのだが、スサノオが機織りをしている神殿に死んだ馬を投げ入れたことにより、織女(おりめ)が死んでしまったことにショックを受ける。

One day Amaterasu became so sad that she went into a cave and locked herself inside with a big rock.
Now the world had lost the sun, and it became a dark, dark place.
The gods gathered together to talk.
The god of wisdom said,
“Everyone, we are going to have a festival.”

「天石屋戸(あめのいわやと)を閉ぢて刺し(さし)こもり坐(ま)しき 爾(ここ)に高天原皆暗く 葦原中国(あしはらのなかつくに)悉(ことごと)に闇し(くらし)。此れに因りて(よりて)常夜(とこや)往く(ゆく)。・・略・・是(ここ)を以て八百万の神天安の河原(あめのやすのかはら)に神集いひに集いて(かみつどいにつどいて)・・」
*常夜往く・・夜ばかりが続いた。

ここのところは、古事記の原文を読んでも理解できるところと思う。ただ本当に800万人の神々が集まったかどうかは定かではないが、大勢の神々が集まったということだろう。

He told the gods to gather roosters.
Then he asked the gods to cut down 500 trees and decorate them with mirrors and beautiful beads.
Now ,the festival was ready to begin.

*rooster…おんどり
*bead…ビーズ、数珠玉

さて、ここで500本の木(500 trees)と記されている。
ほんとに木を500本も切って集めてきたのだろうか。

橋本治さんの「古事記」は、500本の木と説明している。

「アメノコヤネの命とフトダマの命は、青々と葉の茂るみごとな榊の木を、500本も根っこごと掘り出してきました。
・・・略・・・・このようにすばらしくかざりつけられた榊の木を、山の木をそのまま動かしたように、500本も用意したのです。」

鏡やビーズ玉でかざった榊の木を500本も用意できるのだろうか?
里中満智子さんのマンガ古典文学「古事記」には500本もの木々の絵は描かれていない。

「古事記」の原文には、

「天香山(あまのかぐやま)の五百津(いほつ)真榊木(まさかき)を根こじにこじて」

とある。「根こじにこじて」とは「根っこごと堀りとって」という意味。
こうの史代さんは「五百津真榊木」の注に「茂った常緑樹」と書いている。
榊(さかき)という木が実在するが、ここではその木なのか、言葉の意味から考える「茂った常緑樹」なのか、私には判断できない。
ただ500本の木なのか、一本の青々と茂った木なのか、読み取りは2つあるということなのだろう。漢字で書かれているため、読みとり方は諸説あるのかもしれない。Enjoy Simple English では500本の木と解釈している。

さてどんなものでdecorate したのかを、こうの史代さんの漫画を見ると、左のようである。

上の枝には八尺勾玉(やはたのまがたま)の五百津(いほつ)のみすまるの珠(たま)を巻きつけて飾る。
中程の枝には八尺鏡(やたかがみ)を設置する。
下の方の枝には白丹寸手(しろにぎてーコウゾの木の皮から作り糸状にしたもの)と青丹寸手(あをにぎてー麻の糸でつくった幣飾り)をつるして飾る。
青と白の飾りが揺れ、玉飾りは音を立てて鳴り 、大きな鏡は輝いている(光がないから輝いていないか・・・)。

The gods placed the 500 decorated trees in front of the cave.
Then, they started to sing while the strongest god waited at the blocked cave entrance.

Enjoy Simple English では
飾りのついた500本の木を天岩戸の前に設置したと説明している。
橋本治さんの「古事記」では、

「フトダマの命は、この500本の榊の木を、捧げものとして天の岩屋戸の前にうやうやしく並べました。・・・略・・・
このとき、高天原でいちばんの力持ちであるアメノタヂカラオの神がそっと姿をあらわします。天の岩屋戸の前をふさいでいる大岩の陰にタヂカラオの神がこっそりと待機して、そして、アマテラス大御神を天の岩屋戸から引き出すための祭りが、高天原で始まったのです。」

子どもの頃見た映画「日本誕生」(だったかな?)に、46代横綱の朝潮太郎がこの天手力男を演じていたことを覚えている。
さて、次回はアメノウズメノミコトが活躍する。