古事記を英語で読む7

天照大神1

After Izanaki came back from the Land of Yomi, he entered the ocean and washed all the evil off his body.
When he was washing his left eye, Amaterasu was born.
She is the goddess of the sun.
From Izanaki’s nose, Susano-o was born.
He is the god of storms.

黄泉の国から戻ってきた伊邪那岐命は、すべての邪悪のものを洗い流すために海に入ってからだをあらう。 左目から生まれたのが、天照大神(アマテラスオオミカミ)で太陽の神。
鼻から生まれたのが、建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)。名前からわかるように、強い勢いで進む、嵐の神。

英文では一人の神がぬけている。
それは左の里中満智子さんの漫画にあるように、月の神となる「月讀命(ツクヨミノミコト)」である。

私は三人をセットのように覚えていた。アマテラス、ツクヨミ、スサノオと。
なぜか月讀命の存在の影が薄い。
古事記のなかでは、アマテラスやスサノオのように大活躍する場面はない。
さらに月讀命の性別がさだかではない。私は里中満智子さんの漫画にあるように女神として考えていた。しかし橋本治さんの「古事記」では、

「右の目をお洗いになるときにお生まれになったのは、聡明で清らかな輝きを持つ男神でした。」とある。
ウィキペディアをみると、女神と男神の両方の説があるようだ。性別がはっきりしないし、登場場面が少ない月讀命。私は気になって仕方がない。
「竹取物語」を読んだ時、ここで月讀命が登場するのかもしれないと思いながら読んだことを覚えている。
あらためて里中満智子さんの漫画を見ると、月讀命は男でも女でもあるように見えてきた。こうの史代さんのマンガでもそうだ。どちらにでも取れるように描かれている。

The sun goddess Amaterasu was told by Izanaki to rule over the land above the sky.
She worked very hard at her job.
On the other hand, her brother Susano-o was told to rule the seas.
But he caused so much trouble that the othere gods became angry and scared.

「アマテラスは父親のイザナキから、空の上の世界を治めるようにと命じられます・・」とナビゲーターの関根麻里さんは言う。
英文も
to rule over the land above the sky.

とある。
えっ?天照大神はこの地上の神ではなかったのか。
天の岩戸伝説が各地にあることや伊勢神宮などのイメージで、私は地上を収める神だと思っていた。

左の「こうの史代さん」の「ぼうるぺん古事記」を見ると、

汝命(なみこと)は高天原を知らせ

というのが古事記の原文で、「知らせ」とは「治めよ」という注が書かれている。やはり高天原ー天上の世界を治めるのだ。里中満智子さんの「マンガ古典文学古事記」をみると、注にあたる囲みのコマがあり、「高天原(神々の世界)と葦原中国(あしはらなかつくに 地上の世界)とは一体となっているので、天照が天地に君臨する神とされる」と書かれている。天御柱(あまのみはしら)がたっているので、そう考えるのかなあと、「古事記」流の解釈として理解しておこう。

さて、トラブルメーカーとなってくるのが須佐之男の行動である。
次回に続く。