堺の和菓子 曽呂利

堺の観光土産品のリストには必ずと行っていいほど出てくるのが「曽呂利(そろり)」。ザビエル公園のそば、阪堺線「妙国寺前」駅下車すぐそばにあるお店。

店内に入って目に入ってくるのが「曽呂利」と書いた木製の看板。

立派ですね。
とお店の人に声をかけると、

「先代の屋敷が、曽呂利新左衛門さんの屋敷跡にあったことから『曽呂利』と名前がついたんですよ」と話してくれた。

曽呂利新左衛門というと、あの豊臣秀吉に関係のある、トンチの曽呂利の曽呂利新左衛門のこと。秀吉から褒美をもらうとき、「今日は米1粒、明日はその倍の2粒、明後日にはその倍の4粒と100日間」と言い、秀吉は大したことはないと思って了解するが、それが実はとんでもない量になっていくのにあわてた、という逸話が有名。

曽呂利新左衛門のもともとの職業は刀の鞘(さや)職人で、その腕は素晴らしく、作った鞘に「そろり」と刀が入ったという。そこから曽呂利という名前がついたという話が伝わっている。

このお菓子は「蘇(そ)」という名前。外側はクッキー、中はナチュラルチーズ。
不思議な味だが、お店の人の
「若い人はおいしい!と歓び、年を取った人は、なんだこの味?といいます」
という言葉に誘われて買った。
私は「おいしかった!」

包み紙にあるのが太閤秀吉と曽呂利新左衛門。
曽呂利新左衛門が太閤秀吉の耳に何か囁いている。それを見ていた諸大名は、自分への告げ口ではないかと思い、曽呂利新左衛門への付け届けが急に増した、という逸話からとられたもの。

私が買った和菓子。左上から「白蔵主(はくぞうす)」、「大鏡(おおかがみ)」左下の「蘇(そ)」、そして「呂宋(るそん)」。

どれもこだわりの名前がついている。

曽呂利のホームページの紹介を見ると、

白蔵主(はくぞうす)・・・狂言「狐釣り」で名高い堺市少林寺の白蔵主稲荷にちなんだ銘菓。落ち着いた甘さの黄味あんをていねいに包んだ焼菓子です。

大鏡(おおかがみ)・・・曽呂利を代表するお菓子 大鏡(おおかがみ)。和泉・河内の上古時代をしのび、八咫鏡(やたのかがみ)をかたちどった白あんづつみの焼きものです。さっぱりとした甘さが自慢の気さくな和菓子。

蘇(そ)・・・外はクッキー生地、中はナチュラルチーズ。古代の香りがする新感覚な焼菓子です。

呂宋(るそん)・・・堺が栄えた桃山の時代、海外交易で大活躍した、呂宋助左衛門にちなんだ焼菓子です。

堺にこだわっての命名がすばらしい。

そして私が買って一押しが、「そロール」という名のロールケーキ。

ホームページの紹介をみると、
「和菓子の技術を駆使し、使用材料にも徹底的にこだわったロールケーキ。スポンジの甘みには氷砂糖とフランス製蜂蜜のみを使用。生クリームはタカナシ乳業のものを使用し、丹波大納言と氷砂糖を合わせてつぶつぶ感を残した餡が特徴。 
膨張材・乳化材等の添加物は一切使わない、安心安全が自慢の一品です。
賞味期限:当日(店頭)、
発送は製造日の翌日 保存方法:8℃以下
特定原材料:卵・乳・小麦」

賞味期限当日という、安心安全のロールケーキ、お持ち帰りには保冷剤と保温シートがついていた。
食べず嫌いの娘もしっかり食べたという、すぐれもの。

お店の人の話によると、名前もこだわり、製法にもこだわっている。残念なのは名前を真似するお店がたくさんあることだそうだ。
「たとえば、蕎麦屋だったらいいでしょう?と言うんですよ」
「呂宋という名前も真似されました」

オリジナリティを追求し、先頭を走る和菓子屋さん故の悩みかもしれないが、柳の下のどじょうを期待せずに、切磋琢磨をしないとね。
そのオリジナルの味を自分の舌で感じることができたのが、曽呂利の和菓子だった。

上の地図は「第25回堺市優良観光みやげ品」というパンフレットから。
曽呂利のホームページのアドレスは、
http://sorori.co.jp/regular.html