ピンホールカメラ
カメラの原点に戻って、ピンホールカメラを作ってみた。
写真を見ただけで、どのように作ったのか、わかると思う。
材料は、
牛乳パック
厚紙
トレッシングペーパー
虫眼鏡
内側を黒く塗るための墨汁など
以下にイメージ図を描くので、写真と合わせながらみてほしい。
牛乳パックとそれに入る直方体を作りはめ込む形式になっている。厚紙で作った筒に虫眼鏡のレンズを取り付ける。
①の図は、レンズの付いた部分を動かして、ピントを合わせる「レンズ付きのピンホールカメラ」。
②の図は、レンズ無しの、文字通りのピンホールカメラ。牛乳パックに針穴のカバーをつけたもの。
前面のピンホールの部分は、フードのような形でカバーを作った。カバーの前面にピンホールを開けている。
スクリーン部分は、牛乳パックの底の部分を厚さ1cmぐらいで切って、中を切抜きトレッシングペーパーをはって作っている。 このままでは、本体と同じ大きさなので入らない。そこで一辺に切込みを入れて、少し折れるようにしてある。押し込んで中で止まるように手作業で設定した。
これでピンホールとレンズの両方で実験できる。
今回はピンホールなので、光の量が少ない。筒の中の反射光で像も見えにくくなるので、墨汁で中を黒く塗った。
スクリーン位置は虫眼鏡のレンズの焦点距離によって変わる。
④の図は、ピンホールカメラの状態だが、レンズの付いた厚紙の箱を牛乳パックにいれて(①の状態で)、像がはっきりと見える位置をさがす。また、スクリーはできるだけ中に入っている方が周りからの光の影響がないので、それと合わせて位置を決める。
上の④図は針穴写真機の場合をかいているが、実は針穴の場合はスクリーンの位置はどこでもよい。ピンホールカメラ・針穴写真機は、凸レンズを使ったカメラのように焦点距離に左右されるものではない。(これらの説明は、インターネットで「ピンホールカメラ」とか「針穴写真機」で調べると、たくさんの説明がでてくるので、それをご覧ください)
具体的な像で確認しておこう。
この三つの写真は、ピンホールカメラの状態で(レンズをつけず、針穴だけの状態)蛍光灯を見たものである。
スクリーンの位置を動かし、針穴に近い状態でみたもの、少し動かして距離をとったもの、そしてスクリーンいっぱいになるようにさらに針穴から離れた状態にしたものの三つである。
どの状態でも、蛍光灯にピントがあっているのがわかるだろう。
針穴写真機・ピンホールカメラには焦点という概念はないことがわかる。
最後の写真。
これは、ピンホールカメラではなく、虫眼鏡のレンズをつけた状態のもの。 立体感がある、はっきりとしたカラーの鮮明な画像が、しかも大きく拡大して見える。
レンズの部分から多くの光が入り、虫眼鏡・凸レンズによって光が集められたので、このようにはっきりとした像が見えることがよくわかるだろう。
針穴写真機・ピンホールカメラから虫眼鏡のレンズのカメラに切り替えた瞬間、その鮮明さと像の大きさにびっくりする。
ただその位置は焦点距離の位置だけであって、ピンホールカメラのようにどこでもいいというわけにはいかない。