はやぶさ2 リュウグウに着陸

「宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が午前7時29分、地球から3.4億キロ離れた小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したと発表した。・・・(略)・・・・
JAXAによると、はやぶさ2は21日午後1時15分、高度20キロから降下を始めた。高度約500メートルに達した22日午前6時14分、着陸を最終判断した後、自動で降下。午前7時29分、リュウグウに着陸したという。・・・」
(朝日新聞夕刊より)
上の写真も朝日新聞夕刊より引用。
リュウグウの表面に「はやぶさ2」自身の影が写っているところを写真に取るなんて、とてもニクイ演出。初代「はやぶさ」もそうだったが、自分自身の写真を取ることができないから、自分の影で存在を知らせるというのが、とても感動的だった。

上の写真は、JAXAとNHKによる「ハヤブサ2タッチダウン運用中」と題して、ネットに同時公開されていたもの。

画面に出ている時間は、「はやぶさ2」自身の時間で、私が見ている時間はこの時間より約30分後の時間(信号が届くまでの時間と画像処理の時間という説明があった)、私は7時台の時間でパソコンの画面を見ている。
これより約1時間後に「はやぶさ2」はリュウグウに着陸した。
ハヤブサ2の時計では7時29分だが、地球に電波が届くまでの時間がかかる。
日本時間午前8時少し前に、テレビのテロップで「着陸した模様」とながれた。

新聞によると「はやぶさ2」と地球の距離は3.4億km
地球と太陽の距離が1.5億kmだからその倍以上はなれている。
つまり、「はやぶさ2」とリュウグウは、地球から見ると太陽をはさんで正反対方向にあるのだろう。

3.4億km / 30万km(1秒間に電波の進む距離)= 1167秒
1167 / 60  =  19.5分
約20分かかることがわかった。

なんと遠いところにいるんだ。20分のタイムラグが有る中での遠隔操縦の素晴らしさは「はやぶさ」とおなじ。
さらに「はやぶさ2」は高度500mからは自動操縦に任されている。
上の写真は自動制御されて落下しているところを画面にしている。

ターゲットマーカーを目標にしているが、その上に着地するのではない、

上の写真のTMと記されいるのがターゲットマーカーの位置。紫の円が着陸の場所。
そして左下にあるのが縮尺をあわした「はやぶさ2」の大きさ。紫の円の中に着陸させたのだからすごい。「はやぶさ2」はターゲットマーカーを横目で見ながら自分の位置を修正した、とJAXAのホームページに書いてあった。

スタッフの皆さんの喜びの笑顔。(JAXAのツイッターよりの引用)
本当にご苦労さまでした。でも「はやぶさ2」のミッションはまだまだ続く。
今日のようなタッチダウンをあと2〜3回の予定。
そしてクレーターを作って岩石を採取するミッションがある。
残されているローバーの投下も予定されている。
そして地球への帰還が始まるのが今年の11月から12月にかけて。
それから約1年の時間をかけて宇宙空間を飛び続け、
地球に戻ってくるのが2020年末。

まだまだ続く困難の道。
でも私も、多くの人も、「はやぶさ2」が元気な姿で戻ってくることを信じている。

 

 

 

はやぶさ2 リュウグウに到着

朝日新聞6月27日(水)の夕刊の一面。
トップに「はやぶさ2 リュウグウ着」の見出し。

6月27日午前9時35分、はやぶさ2がリュウグウ上空20キロの軌道で並走していることが確認されたそうだ。
これから約1年半の観測(その中には3回の着陸と試料採取がふくまれる)をし、2019年の11月から12月のあいだに地球に向けてリュウグウを出発。
約1年の飛行の後、2020年11月から12月に戻ってくるという。

上の写真は、2010年7月末に相模原のJAXAに行ったときに私が撮った「はやぶさ」の写真。もちろん原寸大の模型だが、これぐらいの大きさだった。
はやぶさ2はほぼ同じくらいの大きさ。

上の写真は2014年11月29日に大阪市の科学館に行ったときに撮ってもの。ちょうど「はやぶさ2」の企画展が行われていて、実物大の「はやぶさ2」の模型が設置されていた。

この写真は相模原のJAXAにある「はやぶさ2」の実物大モデル。
「はやぶさ2」がサンプル・リターンして地球に戻ってきたときには、この模型が大人気になるに違いない。

上の相模原の「はやぶさ2」の写真は、左の冊子から引用した。

表紙は2018年1月18日に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「イプシロンロケット3号」の発射の瞬間の写真。
イプシロンロケットも,日本産のロケットとして活躍が期待されている固体ロケット。

この冊子には「はやぶさ2」のミッションマネージャーの吉川真(よしかわ まこと)さんが文章を寄せている。
今後の「はやぶさ2」のミッションのスケジュールが書かれていたのでここに引用させていただく。

6月21日〜7月5日までに「小惑星到着 高度20Km」となっているが、ここまでのミッションが終了した。
新聞やテレビ報道でも言っていたが、ここからが本番。
2年後に地球に帰ってくるまでの活躍に目がはなせない。

「はやぶさ2」についての詳しい情報は下記のJAXAのホームページに有るので参照されたい。

http://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/pdf/sat33_fs_20.pdf

 

 

 

2017年1月 月・金星・火星 そして金星探査機「あかつき」

2017年1月1日 日没後の月と金星

元日の夕空、月と宵の明星の金星が輝いている。

  
2017年1月2日 
 月と金星が昨日よりも接近している。1日でこんなにも接近するんだ。

 

地球照によって月の形がよくわかる。
地球照(ちきゅうしょう)とは英語でearthshineで、月の欠けている部分が地球に照らされて、うっすらと見える現象のこと。地球に反射した太陽光が月に反射して、その反射によって欠けている月の部分が見えるわけだ。月の世界から地球を見ると、満地球の場合は満月の約70倍も明るいそうだ。

1月3日 日没後の月と火星

月の出の時間は毎日おそくなる。同じ時間に見ると昨日よりも空の高いところに見える。金星のような惑星は月に比べて同じ時間での高度の変化は少ない。右下の屋根の上にあるのが金星。
月のそばに光る星がわかるだろうか。拡大してみよう。

少し赤みがかって見える星は火星。
月のそばなので肉眼では少し見えにくい。双眼鏡で見ると赤みがかった様子がよくわかる。昨日、一昨日の空では、火星は見えにくかった。

1月4日の火星と金星

少し拡大してみよう。

今年の1月は元日から4日間よく晴れていた。 夜空も日没後の月と星の様子がよく見えた。
まるで月が、金星をたずね、火星をたずねて、空高く昇っていくようにみえる。
月はこれから少しずつ月齢を重ね、満月に向かっていく。

下の写真に見覚えのある人は少ないだろう。

2010年5月21日に打ち上げられ、その年の12月7日エンジントラブルのため金星周回軌道への投入に失敗。そして5年後の2015年12月7日に再投入に試みた金星探査機「あかつき」。「あかつき」が無事に金星周回軌道にのったことが確認された瞬間のJAXA管制室の様子である。

「あかつき」は金星周回軌道に乗り、昨年2016年12月で、約1年の観測をトラブルもなく終え、さらに2017年に入って観測を続けている。

JAXAの「あかつき特設ベージ」には、この間の取り組みが記されている。

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/akatsuki/compile/

この特設ページの中の、「明けない夜はないー金星探査機「あかつき」挑戦の軌跡ー」(動画)には、関係した人たちの感動的な証言が載せられている。
失敗しても、5年・6年の努力で成功に導いた人たちの努力と執念は学ぶことが多い。
今見えている宵の明星、金星のまわりを「あかつき」は周っているのだ。
そう思ってみる金星は、さらにいっそう輝いて見える。