はやぶさ2 リュウグウに到着

朝日新聞6月27日(水)の夕刊の一面。
トップに「はやぶさ2 リュウグウ着」の見出し。

6月27日午前9時35分、はやぶさ2がリュウグウ上空20キロの軌道で並走していることが確認されたそうだ。
これから約1年半の観測(その中には3回の着陸と試料採取がふくまれる)をし、2019年の11月から12月のあいだに地球に向けてリュウグウを出発。
約1年の飛行の後、2020年11月から12月に戻ってくるという。

上の写真は、2010年7月末に相模原のJAXAに行ったときに私が撮った「はやぶさ」の写真。もちろん原寸大の模型だが、これぐらいの大きさだった。
はやぶさ2はほぼ同じくらいの大きさ。

上の写真は2014年11月29日に大阪市の科学館に行ったときに撮ってもの。ちょうど「はやぶさ2」の企画展が行われていて、実物大の「はやぶさ2」の模型が設置されていた。

この写真は相模原のJAXAにある「はやぶさ2」の実物大モデル。
「はやぶさ2」がサンプル・リターンして地球に戻ってきたときには、この模型が大人気になるに違いない。

上の相模原の「はやぶさ2」の写真は、左の冊子から引用した。

表紙は2018年1月18日に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「イプシロンロケット3号」の発射の瞬間の写真。
イプシロンロケットも,日本産のロケットとして活躍が期待されている固体ロケット。

この冊子には「はやぶさ2」のミッションマネージャーの吉川真(よしかわ まこと)さんが文章を寄せている。
今後の「はやぶさ2」のミッションのスケジュールが書かれていたのでここに引用させていただく。

6月21日〜7月5日までに「小惑星到着 高度20Km」となっているが、ここまでのミッションが終了した。
新聞やテレビ報道でも言っていたが、ここからが本番。
2年後に地球に帰ってくるまでの活躍に目がはなせない。

「はやぶさ2」についての詳しい情報は下記のJAXAのホームページに有るので参照されたい。

http://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/pdf/sat33_fs_20.pdf

 

 

 

映画「ドリーム HIDDEN FIGURES 」

左は映画のパンフレット。

日本での題名は「ドリーム」だが、原題は「HIDDEN FIGURES」

数字を意味するFIGURESと、
人を表すFIGURES。同じスペルが違う意味を表すというところに映画のタイトルの隠された意味がある。
そして「隠された数字」と「隠されていた人物」というのがこの映画の大きなテーマになっているのだ。

この映画はアカデミー賞3部門ノミネート(作品賞、主演女優賞、脚色賞)、全米興行チャート11週連続トップテン入り、「ラ・ラ・ランド」を超える大人気の映画だそうだ。

ただ日本でよく知られている俳優はケビン・コスナーぐらいなので、アメリカに比べると日本での扱いは大変地味だ。
しかし映画の内容は本当におもしろい。

主人公は数学の天才だった黒人の女性、キャサリン・G・ジョンソンは、10歳で高校へ入学、18歳で数学とフランス語の学位をとり、22歳のときに、人種差別を撤廃したウエスト・ヴァージニア大学の大学院に進んだ初めてのアフリカ系アメリカ人である。あとの二人、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンも数学や物理学にすばらしい才能を持つ黒人女性である。

パンフレットにある映画の内容を紹介してみる。

「1960年代初頭、アメリカが超大国の威信をかけて推進していた有人宇宙飛行計画を背景にした本作は、その”マーキュリー計画”において、黒人の女性数学者たちが多大な貢献を成し遂げた史実を描き出す。彼女たちは、当時まだ色濃く残っていた人種差別に直面し、職場でさまざまな苦難に見舞われるが、卓越した知性、たゆまない努力、不屈のガッツで次々とハードルを突破。そんな彼女たちの驚くべき道のりを、軽妙なユーモアにくるんで親しみやすく伝え、なおかつ心揺さぶるカタルシスもたらすサクセスストーリー(略)」

NASAの宇宙計画に従事していた黒人女性の数学者たち、何人いたのだろう。 映画の主人公達は3人、それぐらいの人数だったのだろうか?
上の写真は、カタログにある黒人女性がオフィスを移動している場面。30人近くがこのオフィスで働いている。原作本によると、70人以上の黒人女性が計算スタッフとして働いていたという。
コンピューターcomputerは、もともとの意味は計算する人、という意味だった。コペルニクスやガリレオの時代から、計算を専門にする人たちはいた。
この映画では、電子計算機というcomputerが登場する前の時代、人間がcomputerだった時の話だ。

この映画の主人公の3人。
ドロシー・ヴォーンは、黒人女性で組織されている西計算グループのリーダー。
キャサリン・ジョンソンは西計算グループから宇宙船の軌道計算のスタッフに移動。初めての黒人女性としてこのオフィスで働く。
メアリー・ジャクソンは黒人女性で初めてのエンジニアをめざしている。
この3人が黒人女性の社会的地位を高めていく努力と情熱が描かれている。

アメリカ初の人間をのせた宇宙ロケットに起きたトラブル。電子計算機computerの値が信頼できない事態に、呼び出されたのがキャサリン。
実話に基づくエピソードは、鳥肌が立つほど感動的だ。

映画のあらすじは、ネットで調べればわかることなのでここには書かない。
ただ3人が歴史を変え、時代の先端になって、黒人女性の未来を切り開いていった事実を描いた映画で、多くの人に見てもらいたいと思った。
アメリカで、観客動員数がラ・ラ・ランドを超えたというのは、家族連れで映画を見た人が多かったこと、学校からの映画鑑賞も多かったこと、貧しい労働者達がこの映画をこぞって見たことに理由があるらしい。
社会的弱者と云われる人たちに元気と勇気を与える映画なのだろう。

私はキャサリン・G・ジョンソンのことは、この映画を見る前から知っていた。
それはケーブルテレビで「タイムレス」という番組を見て知っていたからだ。第八話で、アポロ宇宙船が月着陸の時にコンピューターの故障がおき、それを修理する時に手助けをするのがキャサリン・G・ジョンソンだった。(実際、キャサリン・ジョンソンはアポロ宇宙船の月着陸のときにもNASAにいて仕事をしている。)
私はこのテレビ番組を見て、NASAで働くコンピューターを操作していた黒人の女性がいたこと、私は知らなかったけれどアメリカの黒人の人たちにとっては有名な女性がいることを初めて知った。(タイムレスはDVDになっていてレンタルできる)。

日本にも同じような女性がいる。

2015年12月7日、日本の金星探査衛星「あかつき」の金星周回軌道投入に成功した。
「あかつき」は2010年に金星周回軌道投入に失敗し、それから5年後に再投入されたわけだが、一度失敗した衛星が再挑戦で成功した例はこれまでにない、といわれていたほどハードルの高かったもの。
この軌道計算をしたのがJAXAの廣瀬史子主任研究員。2年半の間、何万ケースもの軌道計算をくり返し、今回の最適解を見出したという。この12月7日以前だと「あかつき」は金星に落下し、この日をのがすと金星にこれ以上接近できなくなるという、ベストタイミングだったという。写真はJAXAのホームページからで、記者会見で説明している廣瀬さん。

上の写真は原作となった本。
内容はずっしりとしたものだが、大変読みやすい文章だった。原文がそうだったのかもしれないし、訳も違和感なく読むことができた。この本の「おわりに」で、作者のマーゴット・リー・シェタリーはこのように書いている。

「NASAに数学者として勤務した黒人女性の話をすると、多くの人が次のような疑問を抱くようだ。どうして自分はこれまでこの物語を聞いたことがなかったのだろう? 本書のための調査を開始してから5年余りの間に、私は数え切れないほどこの質問を受けてきた。これだけ多くの女性たちが関わり、20世紀の決定的な瞬間に直結する歴史が、これほど長い間脚光を浴びずにきたことに、ほとんどの人が驚きを表した。この物語には、あらゆる人種、民族、性別、年齢、背景の人々の心に響く何かがあるように思う。これは希望の物語だ。我が国の歴史に残るきわめて残酷な現実ー合法化された人種隔離と人種差別ーの中にあっても、実力主義の勝利を証明し、才能と努力次第で誰もが高みをめざすことを許されるべきだと訴えている。」

ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーリスト第1位の本。
私は映画を見てこの本を読んだが、その順でよかったと思う。私が知らなかったアメリカの人種隔離と人種差別の歴史、そこでしたたかに闘い抜いてきた黒人女性達。
おすすめの映画と本。映画を見れなかった人は、レンタルでも見る価値があると思う。久々、映画を見て高揚感を持って映画館を出た映画だといえる。

 

 

 

JAXA タウンミーティング

靭公園にある「大阪府科学技術センター」で、「JAXAタウンミーティング in 大阪科学技術館」という取り組みがあった。

内容は、
1.JAXAの事業説明を、
  JAXA広報部長の庄司義和さん
2.話題提供1「宇宙を使ってビジネスをしてみませんか」
 JAXA事業促進部長の松浦直人さん
3,話題提供2「宇宙探査オープン・イノベーションについて」
 JAXA宇宙探査イノベーションハブ計画マネージャの川崎一義さん

の3人の人たちからの問題提起を受けて、参加者との意見交流の会だった。

 私はJAXAの最新の取り組みの紹介がメインかなあ、と思っていたがそうではなく、
「JAXAの利用をもっとしてください」、というJAXA側から民間・企業へのアピールの場だった。話題提供も10分程度の短い時間で、時間のほとんどを参加者からの質問や意見を受けての説明に費やされていて、私の知らないことや考えてもいなかった取り組みなどが紹介されておもしろかった。

 左の写真は当日もらった資料よりとったもの。ISSのロボットアームが「こうのとり5号機」をつかんでいるところ。

 参加している層も私の思っていたよりも多く、大学や大学院の学生さん、JAXAに就職を希望している人、民間企業から来ている人、男性の方が多いが女性も10人近く、また外国人らしい人もいた。私のようになんとなく興味があってきている人など多様で、会議室がほぼ満員だった。

 意見交流の内容を全てではないが、印象に残った幾つかを紹介する。

「どうしてJAXAで働こうと思ったのですか」という質問から「国際宇宙ステーションの将来」まで質問の内容も多様だった。

国際宇宙ステーションの住み心地

 質疑応答から私が受け取った国際宇宙ステーションの住み心地は、快適とは言えないようだ。
たとえば睡眠。宇宙ステーションの中は様々な音で溢れているようで、静かな中での安眠はできないらしい。そこで快適な睡眠を約束する耳栓は商品価値がありそう。
またトイレが使いにくいことやニオイの問題があるのは予想通りだ。消臭のシャツ、靴下の開発はすすんでいるらしい。
ヤクルトとの免疫の研究や、季節感のある食べ物を宇宙食にしていくという研究は少しは進んでいるらしい。
宇宙食やJAXAブランドの商品は売れそうだが、商売目的を全面に出してできるのかどうかは、わからない。

 介護施設で働く人からは、宇宙飛行士の健康データが活用できないかという質問があった。無重力状態では寝たきりから起こるトラブルは解消できるのでは、という予想ができる。健康機器の開発にも応用できそうという感じがした。

 これまで500人ほどの宇宙飛行士が活動しているらしい。この人たちは専門の勉強と訓練をしてきた人たちだから、普通の生活をしている私のような人間とは違う。宇宙飛行士が我慢できることを同じように耐えることができるとは言えないだろう。一般的な人たちが宇宙旅行できる時代には、もっと住みやすい、生活しやすい機器や宇宙船の開発が必要になってくる。そのことを見越して、これまでのデータや経験を活かしての起業が必要、という意識がJAXAになるように思えた。

50年後の世界を予想して今何をする?

 上の写真も当日の資料からのもの。国際宇宙ステーションからの写真で、私たちが住んでいる地球の地上の明かりと、満天の星空が1枚の写真に収まっている。私の好きな写真の一枚。星空と地球の明かりが一緒に写っている写真は珍しいと思う。

 10分の休憩の後、JAXAからテーマが出された。
「50年後、月や火星で人類は何をしていると思いますか。どんなことが実現してほしいですか。皆さんの会社で取り組めそうな技術を考えてみてください」

 夢と技術をつなぐ面白いテーマだった。
私があれやこれやと考えている間に、会場からはいろんな意見が出た。
◯月面自動車が開発されているが、月面上に軌道を敷いて電車を走らせたらどうか。気密性や移動性を考えると電車タイプがいいのではないか、という意見。
◯小型ロボットをたくさん作って宇宙探査をしたらどうか。
なるほど、小型ソーラー電力セイルのイカロスのように、光圧や太陽光発電を利用すればできそうではないか。
ただロボットの宇宙空間移動には長い時間が必要になるので、耐久性が問題になるだろう。

◯金星探査衛星「あかつき」のカメラ故障の話題がだされた。
「あかつき』には5台のカメラが搭載されている。そのうちの2台が故障のため活動中止の状態になったそうだ。原因の究明と復旧作業がすすめられているそうだが、「あかつき」の耐用年数4年半を軽くオーバーする7年の運用のため、故障が起きるのもやむなし、というのが実態のようだ。太陽からの強烈な光や熱、放射線が「あかつき」に降り注いでいることを考えると、無理もないかなと思う。

◯土木工学や農業を研究している学生さんからは、自分たちの研究が役に立つのだろうかという疑問があった。JAXAの人たちから「研究所を建てるときにも、月面に基地を作るときにも土木技術は大いに必要です」、また「植物は宇宙旅行にはとても大事なものです。食料としても、精神衛生にとってもとても必要なものです」という説明があった。なるほど、地上で重要なものは宇宙でも必要なのだ。

 上の写真はこの大阪科学技術館の二階展示ルームにあるJAXAの展示。
小学生くらいの子どもたちが親に連れられて展示を見ていた。

 タウンミーティングで教育にかかわる話題もあった。

◯50年後には、宇宙で使う共通語が使われているのでは?
英語や日本語などにこだわらず、宇宙空間では共通の言語が発明されていたら便利だろうなあ。私が学生の頃にはエスペラント語が世界語として使われるのではないか、という話もあったが、そうはならなかった。JAXAの人たちも同じような経験を語っていた。「世界語よりも、人工知能が発達して自動翻訳がもっと正確になったら・・・」というのが現実的なようだが、50年後、宇宙開発が進んだ世界での教育のあり方も研究に値するのは確かだと思う。
宇宙開発や研究の分野ではやはり英語が主流だそうだ。ただヨーロッパでは英語よりも先にフランス語が学校で学ばれているという話は、とても興味深かった。

宇宙開発と原子力

 質問として「原子力発電所の放射性廃棄物をロケットに積み込んで、宇宙空間に破棄することはできますか」というのがあった。
これは私も考えたことがある。
JAXAでもそういう議論があったそうだ。
しかし「ロケットの打ち上げが99%の成功率であっても、1%の失敗の可能性があるのなら、ロケットに放射性廃棄物を積み込んでの打ち上げはできない!」というのが結論だそうだ。
ロケットの打ち上げ失敗によって放射性物質が飛び散る危険性は絶対にさけねばならぬこと、それは全世界共通の思いだそうだ。
以前原子力電池を積んだソ連の人工衛星が大気圏突入で大変な話題になったことがあった。アメリカでも太陽系探査衛星に原子力電池を積むことへの反対意見は根強いそうだ。

 ただ月の大地にはウランがあり、それを利用しての原子力発電は可能だそうだ。
水を月に運ぶのに何億という予算が必要な現在、月でのエネルギー確保の候補として原子力発電があることは事実らしい。

 悩ましい問題もあるが、人間の活動場所が宇宙に広がっているのは事実だ。

 月の土壌から金を採集する技術が確立できれば、サハラ砂漠から金が採れるというおもしろい話や3Dプリンタを使って月面基地を建設する研究があることや東京の御茶ノ水には実物の人工衛星などの部品が入ったガチャガチャがあるなど、時間がつきないほどに話題は豊富だった。

 JAXAの人が、「JAXAに就職することにしたという話を親に話したとき、『そんなわけもわからない会社になんで入るんだ』と母親に泣かれた」という話をすると、会場からは「JAXAに就職が決まったと話したら、母親は泣いて喜んだ、という自分の知り合いがいる」という話が出た。
時代は変わってきているなあと会場の参加者は実感。

 50年後、宇宙に足を伸ばしてきた人間はどうなっているのだろう?
この世界はどうなっているのでろう。
全く予想できない未来がそこにある、と感じたタウンミーティングだった。

 

2017年1月 月・金星・火星 そして金星探査機「あかつき」

2017年1月1日 日没後の月と金星

元日の夕空、月と宵の明星の金星が輝いている。

  
2017年1月2日 
 月と金星が昨日よりも接近している。1日でこんなにも接近するんだ。

 

地球照によって月の形がよくわかる。
地球照(ちきゅうしょう)とは英語でearthshineで、月の欠けている部分が地球に照らされて、うっすらと見える現象のこと。地球に反射した太陽光が月に反射して、その反射によって欠けている月の部分が見えるわけだ。月の世界から地球を見ると、満地球の場合は満月の約70倍も明るいそうだ。

1月3日 日没後の月と火星

月の出の時間は毎日おそくなる。同じ時間に見ると昨日よりも空の高いところに見える。金星のような惑星は月に比べて同じ時間での高度の変化は少ない。右下の屋根の上にあるのが金星。
月のそばに光る星がわかるだろうか。拡大してみよう。

少し赤みがかって見える星は火星。
月のそばなので肉眼では少し見えにくい。双眼鏡で見ると赤みがかった様子がよくわかる。昨日、一昨日の空では、火星は見えにくかった。

1月4日の火星と金星

少し拡大してみよう。

今年の1月は元日から4日間よく晴れていた。 夜空も日没後の月と星の様子がよく見えた。
まるで月が、金星をたずね、火星をたずねて、空高く昇っていくようにみえる。
月はこれから少しずつ月齢を重ね、満月に向かっていく。

下の写真に見覚えのある人は少ないだろう。

2010年5月21日に打ち上げられ、その年の12月7日エンジントラブルのため金星周回軌道への投入に失敗。そして5年後の2015年12月7日に再投入に試みた金星探査機「あかつき」。「あかつき」が無事に金星周回軌道にのったことが確認された瞬間のJAXA管制室の様子である。

「あかつき」は金星周回軌道に乗り、昨年2016年12月で、約1年の観測をトラブルもなく終え、さらに2017年に入って観測を続けている。

JAXAの「あかつき特設ベージ」には、この間の取り組みが記されている。

http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/akatsuki/compile/

この特設ページの中の、「明けない夜はないー金星探査機「あかつき」挑戦の軌跡ー」(動画)には、関係した人たちの感動的な証言が載せられている。
失敗しても、5年・6年の努力で成功に導いた人たちの努力と執念は学ぶことが多い。
今見えている宵の明星、金星のまわりを「あかつき」は周っているのだ。
そう思ってみる金星は、さらにいっそう輝いて見える。

 

 

 

日の出とRyugu(りゅうぐう)

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10月16日の朝日。 二上山のほぼ中央から太陽が登ってきた。
私の家の隣の人が、毎朝ウオーキングで近くの池の周りを回っている。
「今日の朝日は二上山の間から登ってきたよ」、
と聞いたのでさっそく次の日に写真を撮りに出かけた。いい天気だった。
その時に撮った写真が上の写真。

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この写真は9月の秋分の日の写真。 同じ位置から日の出を撮っている。この写真と比べると、わずか一月の間に太陽の日の出の位置が南の方向にずっと動いていることが分かる。

昔の人は、この太陽の動きによって季節の移り変わりを実感し、予測していったのだろう。
太陽の影によって1日の時間の流れを把握しようとした1つが、日時計だと思う。
前回のブログで作った日時計のお昼前の写真がこれ。

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江戸時代には、携帯用の日時計があったそうだ。

明石天文科学館の展示には、全世界から集めた日時計のコレクションが展示されていた。
昔の時代の人達も、時間、時刻を知りたかったし、そのための工夫をしてきたのだろうと思う。

RYUGUをめざす
        「はやぶさ2」

さてこの大宇宙を日本のロケットが打ち上げた探査機が目的地に向かって飛び続けている。そのひとつが「はやぶさ2」。
「はやぶさ2」のめざす小惑星「1999JÙ3」の名称が決まった。
JAXAのホームページに詳しく載せられている。

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小惑星探査機「はやぶさ2」の目指す小惑星1999 JU3の名称決定について

                              平成27年10月5日

                    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

 小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星1999 JU3の名称が「Ryugu」に決定しました。

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成27(2015)年7月22日から8月31日までの期間、この小惑星の名称案を募集しました。ご応募いただいた名称案は有識者による選考委員会で選考させていただき、次の通り候補を選定しました。

1.選考結果

「Ryugu」

2.選定理由

  • 「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること。
  • 小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること。
  • 既存の小惑星の名称に類似するものが無く、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること。
  • 「Ryugu」は「神話由来の名称が望ましい」とする国際天文学連合の定めたルールに合致し、また、第三者商標権等の観点でも大きな懸念はないと判断したため。

3.応募状況

応募総数 7,336件(確定値)  「Ryugu」提案者数は30件 (類似した提案として、「Ryugujo」 5件、「Ryuuguu」5件、「Ryuguu」1件、「Ryugujyo」1件、「Ryugujou」1件、「Ryugu-zyo」1件)

4.選考委員会 メンバー

委員長 高柳 雄一 多摩六都科学館 館長
委員 渡部 潤一 国立天文台 副台長
委員 月尾 嘉男 東京大学 名誉教授
委員 津田 雄一 はやぶさ2プロジェクトマネージャ
JAXA宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 准教授
委員 吉川 真 はやぶさ2ミッションマネージャ
JAXA宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授

 

5.選定後、決定までの経緯

 選考された名称案は、小惑星1999 JU3の名称提案権をもつ米国のLINEAR(リニア)チームに伝えられ、リニアチームから名称決定権を持つ国際天文学連合に提案されていました。
 小惑星の名称は、通常、審査に3ヶ月程度かかります。今回、小惑星1999 JU3の名称「Ryugu」は異例の早さで審査を終え、太陽系内小惑星の名称を管理するMinor Planet Centerの小惑星リストに「Ryugu」として名称が掲載されました。

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「Ryugu」は「りゅうぐう」と読む。
玉手箱を手にして、地球に戻ってくる「はやぶさ2」の姿が見られるのは2020年末と予定されている。
そのための地球スイングバイが12月3日19時7分ごろ(日本標準時)に実施される。このスイングバイで「はやぶさ2」はスピードを上げ、進路を「Ryugu」に向ける。この時に日本から「はやぶさ2」が観測できるかも。でもとても暗いから私が持っている双眼鏡では無理。その日のテレビや新聞、インターネットに写真が載るかもしれない。これもたのしみのひとつ。
*スイングバイの詳しい説明はJAXAのホームページを参照されたい。

http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151014/

ryugu1

 

左の写真は、JAXAのホームページにあった「Ryugu」と「イトカワ」の大きさ比べ。

こんな小さな小惑星をめざして飛んでいるんだと、あらためて驚いてしまう。

「はやぶさ2」の前に地球を飛び立って、観測の機会を待ち続けている探査機がいる。その最終ミッションもこの12月7日の予定。JAXAも忙しいだろうなあ。詳しくは次の機会に。