スーパームーン

国立天文台のホームページを見ると、

今年最大の満月

8月11日の月は、今年最も大きく見える満月です。月は地球の周りを回る天体ですが、その軌道が楕円形をしているため、地球と月の距離は一定ではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの影響を受けて変化するため、月が地球に最も近づくとき(近地点)、最も遠ざかるとき(遠地点)の距離が毎回異なります。

8月11日2時43分、月が地球に今年最も近づきます(約35万7000キロメートル)。そして、その直後の3時09分に満月の瞬間を迎えます。満月の瞬間の月の視直径は約33分角です。

なお、今年最も小さく見えた満月は1月16日で、月の視直径は約29分角でした。下の図のように並べて大きさを比較すると、ずいぶん大きさが違うことがわかります。

スーパームーン

http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2014/08.html

これは自分でも写真を撮って、と思ったが、台風の後の空は雲の動きが激しく、うまく撮れなかった。

_MG_3037

この写真はF8 シャッタースピード1/160 IOS200 で撮ったもの。雲の合間を狙ってとった。時間は11時35分。このあとは厚い雲がおおって写真が撮れなかった。

月や星の写真が撮れるようになりたいが、ハードルは高い。

スーパームーンと言ったって、比較するものがないとどれくらい大きいのかわからないのが現実。NASAのホームページにはスーパームーンの解説があった。

英語版だけれど、動画があるのでなんとなくわかる。

http://matome.naver.jp/odai/2140512062180108401

http://resemom.jp/article/img/2014/08/10/19879/80494.html

月は地球の周りを楕円軌道でまわっている。
平均の距離は38万㎞だが、遠地点では363304㎞、近地点では405495㎞で、その差は42191㎞。地球3個分ちょっと。
離心率は0.0548799で、地球の離心率は0.01671022だから地球に比べて楕円の割合が大きい。
地球と月の平均距離38万㎞で割ってみると、
42191/380000=0.11
10分の1位の変化があることがわかる。

ちなみに、地球の近日点と遠日点の距離の差は約50000㎞。
太陽と地球の平均距離は1億5000万㎞だから
50000/150000000=1/3000
3000分の1だから、かなり真ん丸の軌道ということがわかる。

スーパームーンは月が地球に最接近し、その時に満月あるいは新月と重なる時をいう。地球に近い時に満月になるから大きく見えるというわけ。

では、どれくらい地球に近づいたのだろう。
1億分の1のスケールで考えてみると、

地球は約13センチメートル、月は3.5センチメートル、月と地球の距離は平均距離では3.8メートルとなる。
この3.8メートルが、今回は3.57メートルになったというわけだ。

紙でこの大きさの地球と月の模型を作って家の塀にはってみるとこのようになった。

IMG_1146

左の水色の円が地球、右の黄色い円が月。右の月が遠地点の時、左の月が近地点の時。 今回は左の月の状態になったわけである。
太陽の位置はこの写真で言えば、地球の左側約1.5㎞のところにある。

近づいた月はだんだんはなれていく(楕円軌道だから)。一番離れるのは8月24日(406523㎞)、でも新月の前日なので見えないだろう。

さて、今年は9月9日もスーパームーン。
重陽の節句と重なっているから、きっと晴れるだろう(全く関係ない)。

新月でのスーパームーンは、2015年3月20日(金)の新月。もちろん見えない。

逆に、つぎの一番小さく見える満月(遠地点で満月になる)は、2016年4月22日(金)の満月で距離は406351㎞。

さて、満月といえば月食。
10月8日(水)午後6時15分から皆既月食がはじまる。晴れてくれることを期待。

 

 

 

地球の公転1

大寒

大寒の図

2014年1月20日は大寒だった。大辞林によると
「二十四節気の一。太陽の黄経が300度に達した時をいい,現行の太陽暦で1月20日頃に当たる。1年で最も寒い季節。」
とある。
天文学的にはどういうことかと調べると、インターネットに上の図が見つかった。
地球を中心にして天球を考える。地球の赤道を仮想的に拡大し、天の赤道を考える。そして太陽の見かけの動きを黄道(こうどう)と名付ける。
地球の軸が傾いているため、天の赤道と黄道は同じにならずに図のように傾いている。その交点を春分点と秋分点といい、春分点を基準として0度とする。
黄経300度というと、もうすぐに一周回り終わって最初の0度になるということがわかる。図の立春315度は約半月後にくる。その後半月ごとに、雨水、啓蟄、春分となる。

(360÷12=30 で一ヶ月に30度動いている。半月に15度、これが二十四節気と関係している)。

さて、本来は地球が太陽の周りを回っていて、公転というのは小学校で習った。
そして公転は円軌道ではなくて楕円軌道ということも知っている。コペルニクスやケプラーが苦労したことも教えてもらった。

冬至が1年で一番昼の時間が短いのは確かだが、日の出が一番遅いわけではないし、日の入りが一番早いのではないことは以前のブログで紹介した。
それは地球の自転や公転に関係するらしいと予想できる。
まず公転について考えてみよう。
地球の公転、というとケプラーの法則が思い浮かぶ。
ウィキペディアを見てみよう。
第1法則(楕円軌道の法則)
惑星は、太陽を一つの焦点とする楕円軌道上を動く。
第2法則(面積速度一定の法則)
惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は、一定である(面積速度一定)。
第3法則
(調和の法則)惑星の公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する。

IMG_20140116_0001

図に書いてみる。
第1法則と第2法則はこれでイメージできると思う。
図を書きながらいくつか疑問点がうかんでくる。
楕円といってもどれぐらいの楕円なのだろう。
太陽に近い時は何月ごろなのだろう。
太陽に近い時は早く動き、遠い時は遅いのならどれぐらいのスピードなのだろう。

楕円の長い方の半径をa,短い方の半径をbとして、a−bを計算してみると
約19000㎞になる。地球の公転の楕円の離心率は0.016 と計算されている。
地球の直径が12000㎞だから地球1個半の差。

地球の公転軌道を直径10mの円に縮尺してみると、
長い半径と短い半径の差は1.28mm !!
ほとんど正円といっていいぐらいなのだ。
(計算の仕方は最後に資料として付けてある)
ケブラーの法則の説明で、上の図のように描くが、これは楕円がわかるように極端に変形されていることに注意しよう。

続いて公転のスピードは?
半径一億五千万kmの円を365日で周るとして、
(150000000 ✕ 3.14 ✕2) ÷ (365 ✕24 ✕60 ✕60) = 29.8
したがって、およそ秒速30kmということがわかる。
秒速30kmは時速に直すと、10800km/h 時速10万8000㎞!
こんなスピードはロケットでも出せない。
近日点と遠日点ではその早さも変わってくる。
ここでケプラーの第2法則がきいてくる。
近いところでは早く、遠いところではおそく。
詳しい計算は次のホームページを参考にして欲しい。
結果だけ描くと、
近日点では、秒速30.29km
遠日点では、秒速29.29km
その差は秒速1.00km 時速に直すと3600km/h
かなりの早さの違いがあることがわかる。

http://ameblo.jp/quaoar/entry-10417541729.html

さて、それでは地球が太陽に近づいている時、近日点はいつだろうか。
2014年を調べてみると、それは1月4日。
反対に一番遠い遠日点は、7月4日。
えーっ、寒い冬が太陽に近づいている時? と思うかもしれないが、それは北半球の人が言うこと。
南半球は夏です。

*資料(計算の方法がわかるように極端に焦点を離して書いています。)
IMG_20140121_0001