薬膳カレー

NHKiの「あさイチ」で、「薬膳カレー」の紹介があった。
面白そうなので、作ってみようと思った。
写真のように黒っぽいカレー。
これは「いかすみ」を使っているからで、ちょっと食欲が・・・・という感じのカレーだ。

薬膳というから、体によさそう。

薬膳ペーストを作る。

レシピはすべて四人分。
薬膳ペーストをつくるために、
・くり・・・10つぶ
・さつまいも1/2 ・・・150グラム
・りんご1/2 ・・・100グラム
・牛乳・・・大さじ4〜5

さつまいもは皮を向いて電子レンジで2〜3分温める。

写真がミキサー(私はフードプロセッサーを使った)に入れる前のようす。
りんごやさつまいもは適当な大きさに切っておく。
私はりんごの皮をつけたままフードプロセッサーにかけたが、かなり細かく砕いたつもりだが、りんごの皮の食感は残った。気になる場合は、皮をむいてフードプロセッサーで細かくするほうがいいだろう。(下の写真 左)

カレーを作る

続いてカレーに入れるものの準備をする(上の写真右)
・バター・・・16グラム
・にんにく・・・一欠片
・玉ねぎ・・・180グラム
・塩・・・少々
・クローブパウダー
(好みでジンジャー、シナモンでもよい。私はシナモンを使った。)
・エビ・・・12ひき
 殻をむき、内蔵を取り出しておく。 ・あさり水煮缶・・・2個
・酒・・・大さじ2

フライパンを熱し、バターをいれ、にんにくを入れて香りが出るまで加熱。
レシビではクローブパウダーを入れるが、手元になかったのでシナモンを1グラムかけて加熱する。

エビの色が変わるまで加熱。色が変わったら酒を入れてさらに加熱。

あさり水煮の缶詰を2缶入れて、全体を熱する。

具材をなべに移し、水700ミリリットル加えて、全体に火を通す。

温めたあと、先に作った薬膳ペーストを入れる。
加熱すると、アクがでてくるので、そのアクを丁寧にすくってとる。
私の思ってた以上にアクがでてくるのでおどろいた。
ここは時間をかけて丁寧に取り除いた。

薬膳ペーストを入れ、アクを取ったなべに、黒すりごまを大さじ2,イカ墨のパスタソース(1人前)をいれて加熱する。
予想どおりに全体が黒くなった。
全体に火が通ったら、加熱を止めて、カレールーを4個入れる。
カレールーが溶けたら、約5分加熱して終了。
見た目もカレーらしくなった。

イカのサラダを作る。
福神漬けがあったので、薬膳カレーにそえてみた。
味はカレールーの味が先に感じられ、薬膳として入れたくりやさつまいも、りんごの味は渾然としていた。薬膳というからもっとスパイシーかと思っていたがそんなことはなかった。見た目は悪いけれど、小さな子どもたちも食べられる味になっていた。
体に良い、そう思って食べるとそんな気がしてきた。

 

 

 

精進薬膳カレー

奈良市内にある蔵元「春鹿酒造所」の今西清兵衛商店の玄関。
ここに「ご存知ですか?
奈良は日本酒発祥の地です。」というポスターが貼ってあった。

日本酒に発祥の地があるなんて考えもしなかった。いつかわからないうちに、誰かがどこかで発酵した米からお酒を作ったのだろう、ぐらいしか思っていなかった。

奈良が日本酒発祥の地、という言葉にひかれて調べてみると、「日本清酒発祥之地」という石碑が奈良にあることがわかった。

https://style.nikkei.com/article/DGXBZO47666870V21C12A0AA2P00?channel=DF130120166105&style=1

上のホームページによると、

JR奈良駅から車で約20分。山あいの正暦寺(しょうりゃくじ)には「日本清酒発祥之地」の石碑が立つ。地元の蔵元などでつくる「奈良県菩提●(酉へんに元、ぼだいもと)による清酒製造研究会」が2000年10月に建立した。裏には「……正暦寺において創醸され、その高度な醸造技術は、近代醸造法の基礎となりました」とある。

どぶろくのような酒から「すみざけ」ともいわれる現在のような清酒が造られるようになるのは、酒造りが朝廷から寺院に移る室町時代。寺院の酒は僧坊酒と呼ばれ、正暦寺では15世紀半ば、醸造した清酒「菩提泉(ぼだいせん)」が販売されていた記録が残る。(以下略)

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清酒の発祥の地が奈良とはそれは知らなかった。
奈良は歴史が古いので、いろんなものの発祥地になっているのだとおもう。
このポスター以外に私の目を引いたのがこれ。

「奈良・天平時代の食材だけで作る
幻の精進薬膳カレー

砂糖 化学調味料 合成着色料・保存料 無添加

1300年カレー」

英語でVEGETRIAN と書いてある。

カレー好きの私には是非とも試してみたいカレーだ。

パッケージの裏側には、次のような説明が載せられていた。

「カレーは、釈迦がスパイスを合わせて作った薬膳が始まりだと言われています。
 東大寺の大仏開眼法要でも、招かれたインド僧菩提堤遷那が薬膳カレーを振る舞っていたとすると、日本で初めてカレーを食べたのは、奈良の人たち・・・。
”1300年カレー”は、そんな想像をふくらませ当時の素材で作った創作薬膳カレーです。里芋・レンコンなどの野菜、スパイス、もち栗を使い、その頃なかった玉ねぎやトマトの代わりにナスや椎茸でコクとうま味をプラス。
奈良の地酒”奈良の八重桜”の酒粕も加え、風味豊かに仕上げました。
動物性食材を使わず、手間ひまかけたやさしい味わいをお楽しみください。」

材料は、

「なす、里芋、大根、レンコン、しいたけ、ニンニク、生姜、酒粕、もち粟、植物油脂、味噌、ねりゴマ、蜂蜜、香辛料、ゴマ、黒コショウ、山椒、カルダモン」

カルダモン、という香辛料は私がよく知らないものだった。ショウガ科の植物でその種子から作られるものだそうだ。清涼感のある芳香、ピリッとした辛味とほろ苦さがあるらしい。「香りの王様」「スパイスの女王」という呼び名もあるらしい。
とにかく、カレー粉を使っていないのにカレー味がするというからおもしろい。

食べ方は普通のレトルトカレーと同じ。

1300年前にカレーがあったら、という想像で作ったカレーのお味は?
なるほどカレー味だ。
お肉はないが歯ごたえのあるレンコン、里芋がたっぷり感がある。
なかでも大根がなんとも不思議な触感だった。
なにもかも溶けてルーだけのように見えるカレーが多いが、これは食材がよくわかって口の中にその存在感が確かめられるカレーだった。
写真のように一人分のパックだが、妻と二人で分けて食べた。

カレーはスパイスが材料なので、本来的にはカレー料理そのものが薬膳料理なのかもしれない。
奈良の大仏の開眼法要のとき、大仏さんを前にして、貴族や僧侶がカレーライスを食べているのを想像すると、これはまた楽しい風景だとひとりでに笑みが漏れる。