自在化身体プロジェクト

べーバークラフト 6本目の指

上の写真は雑誌「子供の科学5月号」に付録としてついていた「ペーパークラフト 6本目の指」を作って装着したところ。

「自在化身体プロジェクト」とはなんだろう。初めて聞く言葉だった。

「子供の科学5月号」の記事によると、「自在化身体プロジェクト総括の東京大学稲見教授の談」として
「ロボットやAIを自分の身体のように意識せずにつかえるようにするにはどうすればいいのか、その技術をつくっていくのが『自在化身体プロジェクト』です。
これまでのロボットやAIは『自動化』のために使われてきました。やりたくないことをやってもらうことが自動化です。一方、『自在』は思ったようにやりたいことをやること。例えば自転車は乗りこなせるようになると、右足を踏み込んだら次は左足、なんて考えなくても自由に進めるでしょう。そんなふうに、何でも思ったとおりにやれるようになるといいなと思っています。・・・」

具体的にはどんなこと?
・「追加した腕が自由に動く自在肢(じざいし」」・・・取外し可能なロボットアームは、離れた場所にいるオペレーターが文楽人形のように操作できる。装着している人はロボットアームが自分の腕のような感覚になるという。
ホームページにその映像があった。
https://jizai-body.com/dd7f058942f64c0287cc7795b9eed982

・「イス型の触覚提示装置」・・・背もたれや座面に埋め込まれた複数のモーターにより、皮膚表面の広い範囲に力刺激を与えるトーションクラウズ。離れた場所の振動を感じるなど、身体活動に障害のある人の身体体験の支援としても期待される。

などなど「子供の科学5月号」には写真入りでこれ以外に多数紹介されている。
またホームページをさがしていると、You Tubeで紹介されているのを見つけた。
https://www.youtube.com/watch?v=dqkdF_2-6w4

「子供の科学5月号」にはとじ込み付録として「6本目の指 ペーパークラフト」がついていたので、作成したのが一番上の写真。

付録には左右の指が作れるように2種類の指の型紙がついている。
また、人差し指側につけたり、小指側につけたりと変化させることもできる。
右手でペットボトルを持ったり、左手でコーヒーカップを持ってみたりした。つけてみるとまず「おもしろい」というのが実感。「子供の科学5月号」には「6本指の研究している宮脇陽一教授とゴウリシャンカー・ガネッシュフランク国立科学研究センター主任研究員」の話が載っていた。

「神経科学を専門としている宮脇先生とガネッシュ先生は、脳が新しい身体にどのように適応し変化するのかを調べている。
『心理、行動、脳の変化を調べています(宮脇先生)』
「私はロボットと脳神経科学の研究をしています。以前のロボットは人と距離がありました。今は一緒に作業しはじめています。今後はさらにロボットが身体に密着するようになる。ロボットが身体にくっつくと脳が変化します。これはとても興味深いことです。(ガネッシュ先生)』
脳には新たな機能を持つ余裕があるのだろうか。余裕があるのであれば、新しい身体を獲得できるかもしれない。・・・後略・・・・」

これは面白い視点だと思う。脳が自分の手足をどのように理解と把握をしているのか。そこに余裕があれば、指は6本でも、うでが3本でもかまわないわけだ。

子どもたちにこの指を見せると、 「わー、きもちわるい」 「えー、どうなってるの」 と興味津々な様子が見られた。
この自在化身体プロジェクトの研究は、身体に障害がある人達への可能性も追求されているようだ。
一歩ちがう概念からの出発を見たような気がした。