月齢早見盤4

これはインターネットて紹介されていた「月齢早見盤」。 山上企画というところが載せている。ここには詳しい解説がのっていて、作り方も紹介されていて、その仕組が丁寧に解説されている。
メトン周期のことものっていて、月齢早見盤の考え方を勉強することができる。

詳しいことは下記のホームページを是非参照してほしい。

http://yamagamiplanning.sakura.ne.jp/guide/texts/moonboard

鬼鬼西(おに おに にし)とは?

月齢の求め方にはいろいろとあるようだ。
ウィキペディアの月齢には、次のような式が紹介されている。

グレゴリオ暦からの月齢計算

グレゴリオ暦の日付から月齢を求める略算法として、堀源一郎氏が『天文月報』1968年7月号で発表した簡易月齢計算法がよく知られている

  • 西暦年数から11を引き、その値を19で割った余りを求め、11を掛ける。この値をaとする。
  • 月数から、以下の表に従って値を求める。この値をbとする。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
0 2 0 2 4 5 6 7 8 9 10
  • 覚え方は、6月までは「おにおににし」と語呂合わせで覚え、7月以降は(月数-2)で求める。a+bに日数を加える。求めた値を30で割った余りが、その日のおおよその月齢である。但し、最大2程度の誤差がある。

ウィキペディアで紹介されている、堀源一郎さんの論文は

http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1968/pdf/19680704.pdf

にPDFファイルで見ることができる。

ウィキペディアにある表は、堀源一郎さんの原本では次のようになっている。

堀源一郎さんがこの論文を発表されたのは1968年。1968年は上のウィキペディアにある計算式のaを求めてみると、
1968 – 11 = 1957
1957 / 19 = 103 
となり、余りはゼロになる。したがって a = 0
そのため堀源一郎さんの提示する式は f(月) と日の数とで計算でき、たいへんスマートである。

この0,2,0,2.2,・・・と続く数字はどのような考え方から出てきたのかを見てみよう。

月齢とは?

もう一度基本に帰って、月齢とは何だっのかを復習しておこう。
これもウィキペディアによると、

暦法における月齢(げつれい)とは、直前の朔の瞬間からの経過時間を日を単位として表したものである。

では、ある年の1月1日をスタートにして考えることにしよう。2020年は「うるう年」なので、平年で考えることにする。

そしてこれまで考えてきたように、朔望月の日数は変化するので、平均を取り 29.5 日で一巡するとして計算することにする。実際の月の経過による日数と、29.5 日を一ヶ月として計算したものを表にすると次のようになる。

表の解説をすると、
現在の暦が月の朔望月と同じなら、毎月同じ日には同じ月齢になることはわかる。
しかし現在の暦は月によってその日数は違うので、月齢と日にちは一致しない。
また 29.5 日という、平均値を利用しているので「誤差がある」ということも忘れないでおこう。

2021年1月1日の月齢は、「こよみハンドブック」によると 17.4 である。

2月1日は、上の表によると 1.5 の差があるので
17.4 + 1.5 = 18.9 
となり、「こよみハンドブック」を見ると 18.9 である。

5月1日を見てみよう。上の表によると5月1日は2の差がある。
17.4 + 2 = 19.4 
「こよみハンドブック」によると 19.0 である。

12月1日を見てみよう。上の表によると12月1日は 9.5 の差がある。
17.4 + 9.5 = 26.9 
「こよみハンドブック」によると、26.2 である。

12月31日は
17.4 + 9.5 + 31 = 57.9
57.9 – 30 = 27.9
「こよみハンドブック」によると、 26.8 であり、約1の誤差である。

これは誤差が1から2ある簡便な式であることを忘れないでおこう。

現在の暦と平均の月の動きとの差を考えてきたので、その数を覚えるための一工夫をしている。
「1.5 を2,3.5 を4、5.5 を6、7.5 を8、9.5 を10と見なす。
ゼロを『お』と読み、『2』は『に』とよんで、『お、に、お、に、に、し』と続け7月の5からは順に、5,6、7、8、9、10」としたのが、この「おに おに
にし5678910」という覚え方」なのである。
この覚え方で12月31日を計算すると、(ハンドブックでは26.8 )

17.4 + 10 + 31 = 58.4
58.4 – 30 = 28.4
となり、誤差は2の範囲内におさまっている。

このようにして、調べたい年の1月1日の月齢がわかっていれば、任意の月日の月齢が、概算だけれども誤差2以内で計算することができる、というのが堀源一郎さんの論文の言わんとしていることだと私は思う。