地球の公転と四季2

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地球は右の図のように太陽の周りを楕円状の軌道で公転している。(この図は説明のために、楕円を強調したり焦点の位置を大きく取るなど極端に変形してあるので注意。)
楕円の一つの焦点に太陽がある。それをFとし、もう一つの焦点をF’とする(Fには太陽があるが、F’は全くの宇宙空間、なにもそこにはない)。楕円の長い方の半径をa 長軸、短い方の半径をb 短軸とする。
楕円の定義に従って、地球はCF+CF’=一定の関係で動いている。
太陽が楕円の中心Oではなく、焦点Fにあるため、地球との関係では近日点と遠日点が発生する。
近日点での地球と太陽の距離は、およそ1億4700万㎞
遠日点での地球と太陽の距離は、およそ1億5200万㎞
*長軸が1億5200万㎞、短軸が1億4700万㎞ではないことに、注意!
*この図で言えば、FAが近日点の距離、FBが遠日点の距離

1億5200万㎞−1億4700万km=500万km
500万kmといえば、地球と月の距離が38万㎞だから、その10倍以上もある。
ひょっとしたら、これが夏と冬の温度の違いを生み出す原因?
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遠日点と近日点の距離の比をだしてみよう。
1億5200万/1億4700万=1.03
500万㎞というと大変な距離のように思えるが、3%というとそんなにでもないように思える。
ではエネルギーはどれぐらい増加するのだろう。エネルギーは距離の2乗に比例するから、
遠日点でのエネルギーを100とすると、近日点は、
100 ✕ 1.03 ✕ 1.03 = 106
6%の増加ということがわかる。しかもこの6%は地球全体での増加量である。
現実は北半球では近日点は冬である。季節を生み出すのは地球と太陽の距離ではなさそうだ。
ではいったい何が原因なのか。

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それは地軸の傾きによる地表が受け取る太陽エネルギーの差なのだ。
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図のように、緯度の違いによって太陽から受け取るエネルギーが違うことがわかると思う。
もう少し詳しく見てみる。

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天頂から地表に降り注ぐ太陽エネルギーの量をABであらわすとすると、
大阪の場合は、
夏至の時・・・・・・・・・・AB・sin79.4 =0.98AB
春分・秋分の時は・・・・・・AB・sin56 = 0.83AB
冬至の時は・・・・・・・・・AB・sin32.6 = 0.54AB

IMG_20140220_0003モスクワの場合は
夏至の時は・・・・・・・・・AB・sin57.9 =0.85AB
春分・秋分の時は・・・・・・AB・sin34.5 =0.57AB
冬至の時は・・・・・・・・・AB・sin11.1 =0.19AB
大阪では夏至では98%と冬至では54%と2倍近いエネルギーの差、モスクワでは85%と19%と4倍以上のエネルギーの差があることがわかる。
下のような図をよく見る。 

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左の図は地表の単位面積当たりに降り注ぐ太陽エネルギーの様子を、面積を使って太陽の高度によって違うことが表されている。真夏のように真上近くから降り注ぐ太陽を光は強く感じるのは、それはエネルギーの量が大きいからだ。

 

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この図は窓から差し込む太陽の光を想像してほしい。夏は高くから日は刺し込む。冬は低くから室内を照らす。この図では太陽のエネルギーを同じとして、同じ面積であらわしている。何が違うのか。部屋の場合だと夏は窓際の狭い部分をジリジリと照らしている。

冬は低い角度から部屋の奥まで太陽の光が届く、しかしその勢いは弱い。単位面積当たりの太陽エネルギーの量が、夏は大きく、冬は小さい。冬は夏に比べて太陽エネルギーの量がすくないうえに広く広がってしまうので地表に届く太陽エネルギーはなお小さくなるということだ。それが地球規模でおこっている。

最後に赤道上の日射量の変化を見ておこう。
IMG_20140220_0004赤道上では、南中高度は真上の90度を中心に、67度から113度の変化がある。
太陽エネルギーについて考えてみる。
春分・秋分を基準にすると
冬至は
AB・sin67 = 0.92AB

夏至は
AB・sin113 = 0.92AB

ということで、日射量の変化は100%〜92%になり、その変化は少ない。
赤道付近では四季ではなく、雨季と乾季になることが理解できると思う。

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これで日本の四季が、地軸が傾いていることからおこっている、ということが説明できたとおもう。
つぎは日本列島の日の出の時間について考えたい。