水準点めぐり 17

沖縄県庁にある一等水準点

那覇一等水準点

国土地理院の地図に、沖縄県庁に「一等水準点」があることがわかったので、モノレールにのって「県庁駅前」まで行く。

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暑い、熱い、あまりのあつさに、県庁前にあるデパートでしばし休憩。
本売り場を見ると、沖縄関係の本が特別コーナーとして沢山並んでいた。
沖縄の三角点とか、沖縄の星空、などという本がないかと見てみたが、私が見た限りは見つからなかった。左の写真の正面にある建物が県庁。なかなか立派な建物だ。
沖縄にも中国や韓国からの旅行客が多い。家族連れ、小さな子ども連れの旅行者も多い。地理的にも近いし、食べ物もおいしいからだろう、とかってに考えてみた。

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県庁の正面と思われるところ。

この日は休日のためか、登庁している人たちの姿は見えない。
たいへん静かな県庁前の広場。

さて、どこに水準点があるのだろう?
地図を見ると建物の端、道路に面しているところらしい。正面から左に回って歩くことにする。

一等水準点は県庁や学校などの公共施設にあることが多い。大切な基準点だから、道路工事や建物の建設で被害を受けないようにするためだろう。

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沖縄県庁と書かれた大きな石。 どうもこのへんにあるようだ。裏に回ってみる。

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あった。ここだ。周りを保護石で囲まれた、一等水準点のモデルのような姿だ。

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IMG_2161「一等」「水準点」という文字が書かれている。だからこちらが南側になる。

IMG_2156これは「国地院」だろう。そうすると西側なのだろう。

IMG_2154こちらは「基本」だろう。そうなら東側になる。

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石のパネルには、次のような説明と沖縄の地図があった。

水準点
この標石は、標高の基準を表す水準点です。 この水準点(No.9631)は、沖縄島水準原点から水準測量を行い標高を決定しています。 水準点は、主要国同等に沿って約2kmごとに設置され、全国で約2万点、沖縄県には約400点の設置されています。 水準点は、各種測量等の高さの基準となるほか、定期的に測量を繰り返すことによって、地盤沈下や近く先導等の監視にも役立っています。

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木陰にそっと設置されているように見える一等水準点。
説明も地図付きで、さすが県庁にある一等水準点だ。

 

 

三角点を探る旅 29

8月9日、長崎に原爆が落とされた日。
今年は戦争や憲法について考えることが多い。

那覇市の四等三角点

那覇四等三角点

モノレールの「奥武山公園駅(おうのやまこうえん)」に戻る。
電子基準点のあった公園のモノレールの線の反対側に、奥武山公園がある。
この公園の端に四等三角点のマークが地図にあった。

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奥武山公園1

奥武山公園の入り口にあるマップ。
地域によっては、こういった案内地図に三角点のマークがのっている場合がある。
期待してみたが、残念ながら三角点のマークはなかった。
公園の案内地図と、国土地理院の地図とを見比べながら三角点を探すことになる。
どうやら、少年野球場の片隅にありそうだ。

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少年野球場があった。少年ではなく、立派な大人たちが野球を楽しんでいた。
どうもこのあたりらしい。

那覇四等三角点2

 

那覇四等三角点3

すぐに見つけられると思ったが、草が茂っていると、なかなか見つけられないことが多い。 草がなかったら、直ぐに目に入るのに・・・・という経験が何度かある。

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「四等三角点」だ。そう書かれている部分を拡大してみよう。 IMG_2128

「四等」と「三」という文字が読める。 「三角点」と言う文字はふつう、南側に彫られている。

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これは「国土地理院」の「国」と思われる。「国地院」と略されているそうだが、ここでは確認できなかった。通常は西側に彫られている。
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少しわかりにくいが、「基本」の「基」と思われる。通常は東側に彫られている。 IMG_2134

北側には六桁の文字が彫られているそうだが、ここでは「056」と読み取れそうな数字があった。
地中に埋まっている三角点の標石の文字を確認するのは、ここのように大半が埋まっているとなかなか大変。でも三角点の周りを石で囲んであるのは、保存のためにもありがたいと思う。

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目を上げてみると、モノレールが走っていた。このモノレールは県庁方面に動いている。 さて、次は水準点を探そう。

那覇市三角点4

奥武山公園駅から県庁方面行きのモノレールに乗る。
モノレールの窓から、先ほどの奥武山公園が見える。
あれだ、あれだ、あそこの木の根本に「四等三角点」があったのだ。
電車の窓からiPhoneで写真を撮る。
あわてて写真を撮っている私の姿は、周りからどんなふうに見えたのだろう?

 

 

 

三角点を探る旅 28

8月6日 広島に原爆が落とされた日。
このブログも中国・蘇州の旅から、戦争の激戦地となった沖縄に場面は変わる。
まずは「三角点」と「水準点」。国土の基準となるところから始めよう。

沖縄・那覇市の電子基準点

沖縄三角点水準点1

上は沖縄県那覇市周辺の三角点と水準点の分布地図。

最初は那覇市にある電子基準点。

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モノレールに乗って、「奥武山公園駅(おうのやまこうえんえき)」で下車。 歩くこと約10分。以前に沖縄に来た時は、このモノレールはなかった。
沖縄の町は大きくかわっていた。

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小禄(おろく)1丁目9の公園の中にある。ここは茶色の電子基準点だった。

那覇電子基準点2

 

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金属のパネルには、

電子基準点 No.021096
この電子基準点は、地上約2万kmの高さを周回するGPS衛星から出された電波信号を受信しています。 受信したデータは、つくば市にある国土地理院にリアルタイムで転送されます。 この受信データで正確な位置を求めて、土地の測量や地図作成の基準点として利用されています。また、地震・火山噴火等の重要な地殻変動の監視を行っています。 (管理者) 茨城県つくば市北郷1番 国土地理院 電話 0298−64−1111

とある。

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足元には「電子基準点付属標」が設置されている。 一等水準点でもある。

No.021096A
「この測量標を移転き損(毀損のことだろう)すると測量法により罰せられます」 とかかれている。

なんだか地面の台からずれているような感じがする。触っても動かない。
だれかがいたずらで動かしたのかなあ、と思う。もしそうだったら、もっと大事にしてほしいなあ。

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6月下旬。沖縄は暑い。 公園では小学生の子どもたちが虫取りをしている。
少しお姉さんの髪の長い女の子と、男の子たち3人。昔、大阪でもよくみた光景。
この子たちは、学校や地域でこの電子基準点のことを聞いているのかなあ。
空は青空、公園で遊ぶ子どもたち、平和という言葉が頭にうかぶ。
そんなことを考えながら、次の目的地の三角点探しに移動する。