月齢早見盤5

2024年まで使える「月の形早見盤」

これは月の形をビジュアルに知ることができるという早見盤。 お茶ノ水女子大学校附属小学校の田中千尋さんの作品。 ダンロードして使えそうなので利用できそう。

http://www.kitakaruizawa.net/rika/2018_1004-1548-hayamiban-1.pdf

2024年まで使えるというので、ホームページからダウンロードしてはどうだろうか。

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さて、前回で、西暦Y年M月D日の月齢は、2004年7月1日の月齢が13.3だった時、

C=(Y-2004)✕10.88+(M-7)✕0.97+(D-1)+13.3 ①

で計算できるということがわかった。
今回はこれをもう少し簡単な計算になるように工夫する。

ここで大胆に、
10.88 → 11
0.97 → 1

と整数にしてみると、

C=(Y-2004)✕11+(M-7)✕1+(D-1)+13.3  ②

となり、かなり計算しやすくなった。
ここから先の計算は前回紹介さたホームページに詳しく紹介されている。

http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0250.htm

このホームベージに紹介されている
西暦2000年以降の月齢の式は、

C=((Y-2009)%19)✕11+M+D     ③

である。
今年は2021年なので、もう少し現在に近い数字にしたい。
ここからは私の考えたことなので、間違いがあるかもしれないので、違っていたらご容赦をお願いしたい。

上の式はこの月見早見盤のシリーズで書いてきたが、メトン周期が基本になっている。これは19年という太陽年と、月が235回朔望(満ち欠け)を繰り変えすのに要する時間がほぼ一致するという観測から来ている。
19年周期で「同じ日付の月齢は同じになる」ということだ。自分の生まれた日の月齢を知っていれば、19年後の月齢がわかるということ。

私の計算のもとになっているホームページには、
1943〜1961
1962〜1980
1981〜1999
の周期が紹介されている。
ここを発展させて、
2000〜2018
2019〜2037
と考えることができる。
2019〜2037の周期の中間年、2028年で考えてみよう。

参考にしたホームページのように、2028年7月1日(午前0時)を基準にして考えよう。この時の月齢は6月30日の月齢と考えて 7.4 (国立天文台のデータより)
上の式の②にあてはめると、

C=(Y-2028)✕11+(M-7)✕1+D+7.3

*6月30日から数えているので日数はDとしている。

ここで月齢7.3を7と見なす。(精度より簡便な方法をとる)

C=(Y-2028)✕11+(M-7)✕1+D+7.3
   =(Y-2028)✕11+M-7+D+7
   =(Y-2028)✕11+M+D

メトン周期と剰余演算子をもちいて
C=((Y-2028)%19)✕11+M+D)%30    ④

となった。
ただしこの計算の途中で「月の日数は平均は30.5 日にしている」。2月にこの差が大きいので1月、2月には上の計算式の計算結果に大きな誤差となってあらわれる。
したがって
「1月と2月の月齢は、上の計算値に2を加える」という注意が必要だ。

2021年1月1日の月齢を計算してみよう。
 ((2021-2028)%19)✕11+1+1
=-77+1+1
=-75
マイナスになっているので30の整数倍を加えてやる。
-75+30+30+30=15
1月なので補正の2を加えると17
月齢カレンダーによると2021年1月1日は 17.4

なかなかの値ではないか。いくつか試してみる。

2021年12月31日なら、
((221-2028)%19)✕11+12+31
=-77+43
=-34
-34+30+30=26
「こよみハンドブック」によると、12月31日の月齢は26.8
これもいい数字だ。

ここで基準とした2028年で考えてみよう。
2028年2月1日を計算してみると、
((2028-2028)%19)✕11+2+1
=0✕11+2+1
=3
補正すると、3+2=5
国立天文台のホームページによると2028年2月1日の月齢は 5.5
これもいい値になった。

2028年は、年の計算がゼロになるので、月と日を加えた数が月齢になることが、式よりわかる。1月と2月の補正をして計算式での、毎月1日の月齢を並べると

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
 4  5  4  5  6  7  8  9 10   11  12  13

のようになる。国立天文台のデータによると各月1日の月齢は次のようになる。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
  4.3  5.5  4.7  5.9      6.3    7.8      8.4     10.0    11.7     12.4       14.0        14.6

1〜2日の誤差におさまっている。
計算の途中で、1年や月の日数を平均値にしたり、少数を大胆に整数にして計算式を簡単にしてきたが、思いの外精度のよう計算式になったと思う。
簡単な計算で、誤差は2ぐらいでるが、月齢が電卓を使わなくても出せるということがわかった。これも月齢の計算を紹介したホームページがあったからだ。そのことに感謝したい。もう一度そのホームページを紹介しておく。

http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0250.htm

 

 

 

 

 

 

月齢早見盤2

 

これは「ものづくりハンドブック10」(仮説社)で紹介されている「立体月齢早見盤」。
前回は地球が中心にあったが、これは月が中心にある。
上の写真のゼムクリップから見た球体の黄色の部分がその時の月齢の月。
上の写真の黄色く光って見える月の左側にある楕円形に飛び出している紙が太陽。
太陽が写真のような位置にあると、クリップからのぞく月が三日月のように見えるという、大変面白い教材。
真ん中の月は、発泡スチロールの球体に半分は黄色、残り半分は黒に塗ってあるだけのもの。のぞく位置によって黄色と黒の境界線がカーブを描いて見える。本物の月もこのようになっているのか、と想像できてある意味リアルである。

月齢計算法

ネットでいろんな計算方法が紹介されているが、私が一番良くわかったのがこのホームページ。

http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0200.htm

ここで紹介されている方法を試してみよう。

◎6月15日正午の月齢を求める。

1.知りたい日(ここでは6月15日)の直前の新月の日時を調べる。
  私は科学館で買ってきた「こよみハンドブック」を利用した。
  そうすると、5月23日午前3時、ということがわかった。

2、直前の新月の日時(ここでは5月23日午前3時)からの経過日数を計算する。
  6月15日12時 ー 5月23日3時 = 23日と9時間 → `23.4

3,月齢は23.4  「こよみハンドブック」で確かめてみると 23.4

ネット情報や新聞で調べる月齢は、正午の月齢でない場合がある。
新聞では午後7時や9時を基準にしている場合もあるので、いつの時間かを調べておくことも大事だ。
私が参考にしたホームページには「月齢を表す時、どの時間を基準にするか」ということは決まっていないそうだ。だから同じ日なのに「調べた新聞やネットで月齢が違う」という現象が起きてくるわけだ。

これが月齢を求める基本の考え方。
何か計算式のようなものがないのだろうか? そう思うのも自然だと思う。

月齢を求める計算式 その1

 私の参考にしたポームページに、その計算方法が乗っている本が紹介されている。

「新こよみ便利帳」(恒星社厚生閣刊行)
 (図書館にあったが禁帯出の本。アマゾンで調べても古書でかなり高価な本なので買うことはやめた。)

次の式が紹介されているそうだ。

グレゴリオ暦でのある年月日の月齢は、日前後の違いを許容すれば簡単な式や表から求めることができる。
 ・・・中略・・・

(a) Y年M年D日の月齢A
1943≦Y≦1961なら C=(Y-1952)×11+M+D
1962≦Y≦1980なら C=(Y-1971)×11+M+D
1981≦Y≦1999なら C=(Y-1990)×11+M+D
で得られたCを30で割った余りがAである。ただし1月,2月の場合にはさらに2を加える。1943年以前,1999年以後について同様な式が得られることは明らかであろう。

そして、2020年にあうように計算式を変化させた数式が紹介されている。

2000年以降の式 C=((Y-2009)%19)×11+M+D  

これは19年周期(メトン周期)が利用されているようだ。
メトン周期とは「天文学事典」によると、

同じ月日に同じ月の位相が見られる周期として、紀元前433年にギリシャの数学者メトン(Meton)が発見した19年の周期。19 太陽年は365.242194 日 ✕ 19 = 6939.601686 日で、これが235 朔望月(29.530589 日 ✕ 235 = 6939.688415 日)とほぼ等しいことに由来する。・・・後略・・・・

http://astro-dic.jp/metonic-cycle-2/

一年の平均は365.242194 日。19年間の日数は 
365.242194 日 ✕ 19 = 6939.601686 日。

月の朔望月、新月から満月までの平均は29.530589 日。235回の朔望月は
29.530589 日 ✕ 235 = 6939.688415 日。

両者がほぼ一致する。つまり19年ごとに同じ月日に同じ月齢となるという。
たとえば自分の誕生日の月齢を覚えておくと、19年後の誕生日も同じ月齢だということに気づくわけだ。

上の式にある年号、1952,1971,1990,2009は19年周期になっている。ここからメトン周期に関係があることが予想できる。

しかし今から2500年ほど前の観測が現在にも生きているということはすごいことだ。そして自然は2500年間同じリズムで時を刻み、太陽と地球と月が動いてきたことに感動する。

さて月齢を導く計算式についてもう少し考えていこう。