プラネタリウム 学芸員スペシャル

8月27日土曜日の午後5時から「学芸員スペシャル」として特別公演があった。
テーマは「北極の星空、赤道の星空」。
解説には次のように書かれていた。
「プラネタリウムは、地球上どの地点から見た星空でも映し出すことができるのが特徴です。そこで大阪を出て、北極と赤道まで旅行して星空を眺めてみましょう。大阪にプラネタリウムが登場して80年あまり。プラネタリウムの歴史の話を交えつつ、かつての人気プログラムだった星空旅行のご紹介です。」とあった。

実は先週大谷中学校・高等学校であったサイエンス・フェスタで、「はやぶさ2」についての講演の後に、大阪科学館の「プラネタリウム」についての講演があった。 その時の講師が科学館の嘉数学芸員だった。私は講演の後「南半球のオーストラリアから見た星空とか、清少納言が見た星空を大阪のプラネタリウムで見ることはできないのですか?」と質問した。嘉数学芸員は「土曜日曜祝日に「学芸員スペシャル」という取り組みがあります。そこでそういった要望に答えることができるとおもいます」といった返事をいただいた。
家に帰ってホームページを見ると、なんと27日の学芸員スペシャルで嘉数学芸員による「北極の星空、赤道の星空」という公演があるではないか。それがわかったので早速ネットで申し込んだ次第。

「今日の星空」についての解説のあと、赤道上で見える星空ー(星座が日本から見えるものと違っている)、北極で見える星空」の投影があった。
投影されたものは写真に取ることはできないので、図で簡単に記録しておこう。

日本から見える星空は北極星をほぼ中心にして24時間で1回まわっている。
左の図のように地平線から下の星空は見えない。南半球で見える星空の多くは見えないことがわかる。
北極から見える星空は、ほぼ真上に北極星があり、星々は天頂を中心にして地平線に並行に回っているように見える。
フィンランドやノルウェーに行った時見えた星空は、北極星が高い位置に見え、北斗七星とカシオペアが全部見えたことを覚えている。日本で見る星空よりも星座がずっと上に見える、という感じだ。

赤道から見える星空は、北極星がほぼ地平線にあり、ほとんど見えない。 星々はほぼ地平線に垂直に移動している。
北極星が分からなくても一晩星の動きを見ていれば、北半球にいるのか、赤道付近にいるのか、南半球にいるのかがわかるということだろう。

今年でプラネタリウムが誕生して100年になるそうだ。 私は最初の方に載せた古いプラネタリウムを見に行ったとこを覚えている。学校からの社会見学で四ツ橋の電気科学館に行ってとても楽しかった!という印象があった。

投影が終わったあと、私は嘉数学芸員にお礼の挨拶に行った。
学芸員さんもよく覚えておられて、とてもうれしそうだった。
こういった企画をぜひ続けてくださいとお願いをした。
オーストラリアで見たオリオン座の傾きの違い、月の欠け方の違い、そんなことをゆっくりと説明してほしいなあと思っている。北半球に住んでいる私にとって、南半球から見える星空はとても魅力的だ。
南半球の人は北半球に来てどんなふうに星空を見ているのだろうか?と不思議に思った。

科学館を出て肥後橋の方へあるきだすと、南の空に少しお腹の膨らんだ月が見えた。
今月末は満月と、プラネタリウムの今日の星空で説明があったことを思い出した。
ロシアの人工衛星が激突、インドの人工衛星が南極に軟着陸成功、日本のH2ロケットの打ち上げが迫っている。
月をみる視点や意味合いもいろいろとあるなあ、思いながら地下鉄に向かう。

太陽系モビール

書店で左のような本を見つけた。
「見て知って作って楽しむ!
宇宙・天体ペーパークラフト」
作/グループ・コロンブス あかね書房
表紙には「月球儀」「はやぶさ2」「プラネタリウム」
「星座早見盤」「太陽系モビール」の写真があり、これらを作ることができるという。これは面白そうなので買うことにした。
まずは「太陽系モビール」を作ってみよう。
材料はとじ込みの厚紙。切り抜けるように切り込みが入れられている。

思ったより丁寧に作られたパーツで、太陽と8つの惑星の部品を切り抜くことができた。
色も塗られていて、水星はこんな色をしているのだろうか? 明けの明星と言われている金星はこんな色?と思いながら切り抜く。
木星や土星はなるほどこんな色だなあと思うが、天王星や海王星、水星や金星は実際どんな色をしているのだろう。観測機が何機も飛んでいって写真を撮っているが、肉眼ではどんな色に見えるのだろうと思う。

指示通りに作ったのがこれ。 球体にするのは難しい。
惑星の大きさはそれなりに大小の差がついているのだが、本当にこの比でいいのか?のところもある。しかし土星には輪もついているので、これが土星だとはすぐに分かる。太陽はもっと大きいのだが、ー地球の直径の109倍といわれているのだが、実際に109倍のモデルを作るのは無理なことだから、そこは我慢しなくてはならない。

たけひごが手に入ったので、それでモビールを作る。
糸とたけひごを固定するのは、本にあるように紙粘土を100均で買ってきて固定した。紙粘土はすぐに固まらないので、微調整する時間が取れて制作しやすかった。

本には「はやぶさ2」「月球儀」の工作もついているので作成して取り付けてみた。

土星の上に取り付けられているのが「月球儀」。
これは惑星の作り方と違って、多角形を利用してつくっている。そのためたいへん角ばっている。
「はやぶさ2」も単体で飾っておくより、太陽系もビールの中にある方が存在感があっていい。

実際の惑星の直径の比(地球を1とすると)

水星・・・0.38
金星・・・0.95
地球・・・1
火星・・・0.53
木星・・・11.21
土星・・・9.45
天王星・・4.01
海王星・・3,88

(ウィキペディアより)

リアルな比で、惑星モデルを作るのはちょっとむつかしそう。
しかしこうして表を見てみると、火星は案外小さいのだなあ、天王星と海王星はこんなにおおきいのか、と新発見するとができたのは、太陽系もビールをつくったからだろう。いい勉強になった。

 

 

 

 

 

 

東経135度 日本標準時子午線

ここは明石市立天文科学館。 東経135度の線が地面に引かれている。
右の写真には「日本標準時子午線」の文字も貼ってある。

まだ冬休み中のためか、小学生の団体がきていた。学校ではなく子ども会とか地域の取り組みなのかもしれない。
左の写真は「漏刻(ろうこく)」。そばの掲示板にはこのように書かれていた。
「天文科学館は東経135度日本標準時子午線上に1960年6月10日「時の記念日」に開館しました。
時の記念日とは、天智天皇が671年6月10日に人々に時を知らせたことに由来します。これが我が国最初の時報です。この時に使われたのが漏刻です。
漏刻は水時計の一種で、中国で発明されて日本に伝わりました。
漏刻は、いくつかの水槽が細い管につながっていて、水が順番に伝わることにより、水の流れを一定にする工夫がこらされています。一番下の水槽の水面が上がる様子を目盛りで読み取って時刻をはかります。ここに設置してある漏刻はこうした工夫を再現した全国的にも珍しいものです。
日本で最初に時を知らせた時計が、日本標準時子午線の真上で時を刻みます。

明石天文科学館にはプラネタリウムがある。 現役で日本最古、稼働時間日本一、アジアでもナンバーワンの長寿を誇るものだそうだ。 この形からカールツアイス社のものとわかる。
かつて大阪市の四ツ橋にあった「電気科学館」にもカールツアイス社のプラネタリウムがあった。形はこの明石天文科学館のものとそっくりだった。なんともいえない雰囲気と別世界にさそう魅力ある形だ。
明石天文科学館の入場券にはプラネタリウムの入場券もついている。

「日時計広場」にはたくさんの日時計が展示されていた。 写真は「人間日時計」
12時のチャイムが鳴った時に写真を撮った。
さすが東経135度上にある人間日時計。影はきっちりと12時をさしている。
季節によって影の長さがどのように変わっていくのだろうか、そういう観察もできるところだ。

これは私のブログでも紹介したことがある「小原式日時計」。 大阪市内の小中学校に2つ設置されているが、完全な形で新しい小原式日時計を見ることができるとは思いもよらなかった。
 ネットなどで見ると、2022年6月10日に、この小原式日時計を考案した小原銀之助さんの娘さんである小原輝子さんが明石天文台に寄付したものだそうだ。
この小原式日時計の精度は高く、ギネスブックにも「世界で一番正確な日時計作家」として小原さんの名前がのっているそうだ。
東経135度日本標準時子午線上にある時計広場にふさわしい日時計だと思う。

時計広場から明石天文科学館の隣りにある柿本神社に行くことができる。
柿本神社というのはあの柿本人麻呂に由来する神社だ。
由緒書には「元和6年(1620年) 当時、明石城主であった小笠原忠政公が人麿公を歌聖として大変崇拝され 縁深いこの地にお祀り致しました・・・」とある。
明石天文科学館の日時計広場と柿本神社のあいだに、上のようなわりと大きな日時計が置かれていた。
日時計広場にあった日時計についても、機会があればじっくりと観察したいものだと思った。