プラトンの立体 1

上の写真は折り紙で作った、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体。
一緒に写っている本は図書館で借りてきた「プラトンとアルキメデスの立体 ー 美しい多面体の幾何学」(ダウド・サットン著 創元社)。
この本は夏のサイエンス・フェスタの時に「菱形12面体」を教えてもらった時に紹介された本。
その本の出だしはこの様になっている。

「あなたが無人島にいるとする。そこには、木の枝と、樹皮の薄い板がある。それらを使って3次元の構造物を作る実験をはじめたなら、あなたはやがて5つの「完璧な」かたちを見い出すだろう。
5つのかたちはいずれも、どの「頂点」から見ても同じ形に見え、面はすべて同じ正多角形であり、辺の長さはどれも等しい。
頂点は、球面上に4個、6個、8個、12個、20個の点を最も対象的に配置した位置にある。
 これらのかたちは正多角形と呼ばれ、「多面体」のうちの5例である。
正多面体をひとつのグループとしてまとめて記述したのは、現存する限りではプラトンの「ティマイオス」が最初である。そのため正多面体はしばしば「プラトンの立体」と呼ばれる。・・・略・・・・」

プラトンの立体について勉強しょうと思ったとき、やはり実物がないとイメージが湧かないと考えた。そこで折り紙で正多角形を作ってみようと考えた。
ここで参考にした本を紹介しておく。

「考える頭をつくろう、はじめての多面体おりがみ」
著者 川村みゆき
出版社 日本ヴォーグ社

はじめての・・と書いてあるが中身は多面体をイメージするのにたいへん役に立った。
幼稚園や小学生の子ども達を対象にしているので、折り方もできるだけ単純なものをえらんでいるような気がした。

 

「みんなで楽しむ多面体おりがみ」
著者 布施知子
出版社 日本ヴォーグ社

ユニット折り紙の本を沢山出されている布施知子さんの本。ここに一冊だけ紹介したが、このほかにも多くの布施さんの本を参考にした。
この本には「ひし形多面体」のユニット折り紙の作品が載せられている。

 

「多面体の折紙 正多面体・準正多面体およびその双対」 著者 川村みゆき
出版社 日本評論社

この本には60種類以上の多面体の制作が紹介されている。色紙で華やかな形を作るのではなく、正多面体そのものの形をリアルに紙で作ることを追求している。
飾りとしての正多面体ではなく、数学的な角度から追求したかのような本。巻末にはユニット折り紙についての本が多数紹介されている。

 

「折る幾何学 約60のちょっと変わった折り紙」
著者 前川 淳
出版社 日本評論社

「多面体の折紙」と同じ60以上の作品だが、上の3冊とは全く違った角度からの折り紙。サブタイトルのように、たとえば地球儀や木や人形、CDの包み紙など「ちょっと変わった」折り紙が紹介されている。しかし正12面体などの計算は上の本と同様に勉強になった。ほぼ絶版ではないかと言う本。図書館で借りた。

折り紙の本、ユニット折り紙の本はたくさん出ている。図書館で借りながら「正多角形」「プラトンの立体」について調べていくことにした。今回はその準備段階を紹介した。

 

 

 

 

プラトンの立体

多角形で囲まれた立体を多面体という。その中でも一種類の正多角形の面で作られたものを「正多面体」とよんでいる。
正多面体は、正4面体・正6面体・正8面体・正12面体・正20面体の五種類しかない。
プラトン(紀元前427〜紀元前347)が著書「ティマイオス」で正多面体についてふれているので、正多面体は「プラトンの立体」とも呼ばれている。
(参考同志社中学校のホームページより)

正多面体を紙で作ったのが一番上の写真。
正多面体の頂点や辺の数などを調べるには、左のようなモールを使った正多面体の立体模型が便利だ。
左のモールによる正多面体の模型は、「ストローとモールでつくる幾何学オブジェ 100均グッズで学ぶ多面体」(日本数学検定協会 丸善出版株式会社)の本によって作った。
この本で紹介されているように、100均で売っているストローとモールさえあれば、プラトンの立体を作ることができる。

上の写真がストローとモールで作った正多面体5種類。
100均では色のついたストローと無色透明のストローが売っていたが、模型としては透明ストローのほうがモールの色がわかってカラフルだ。

この本に、正多面体の頂点の数や辺の数を調べてみようという課題があった。
それが上の表。
頂点の数、辺の数、面の数の関係を調べてみると、

頂点の数から辺の数を引き、面の数をプラスするとすべて2になることがわかる。

この関係は「オイラーの多面体定理」とよばれているものだ。

今回私は正多角形を作り、そこから正多面体に発展していった。
そして「正多面体は、正4面体・正6面体・正8面体・正12面体・正20面体の五種類しかない。」とか「正多面体の頂点の数、辺の数、面の数には、Eulerの多面体定理とよばれる関係がある」ことがわかった。
なぜ正多面体には5種類しかないのか、なぜオイラーの多面体定理が成立するのかについては、ネットで検索すると多くの証明や説明が紹介されていることがわかる。
そういうことでここではその説明は省くことにする。興味のある方は是非ネットで検索することをおすすめする。

上の写真は正12面体と正20面体のち地球儀の模型。
これは
「発見・体験! 地球儀の魅力 地球儀を自作しよう!」(稲葉茂勝著 少年写真新聞社)
の本にある地球儀の模型の展開図をもとにしてつくったもの。
球形の地球儀を紙で作ったことはあるが、写真のような正多角形をもとにした地球儀は初めてだった。球体を作るのはむずかしいが、多面体なら少しなんとか作れそう。しかし糊付けに手間がかかり苦労したが、やってみると楽しい作業だった。