藍染め 2017年

今年は5月5日に藍の種をまき、9月30日に藍を刈った。 写真は藍を刈ったあと、葉が出てきたところ。約1週間ほど天日干しした。

65グラムほどの乾燥葉がとれた。

今回は手に入りやすい薬品で染めてみることにした。

ハイドロサルファイトナトリウムのかわりに衣服用漂白剤の「ハイドロハイター」をつかう。
炭酸ナトリウムとして「消石灰」を使うことにした。
「ハイドロハイター」は近くの大型薬局にあった。
「消石灰」は大型スーパーの肥料売り場で購入。
かなり安く買うことができた。

参考にした本は以前も使った「そだててあそぼう18 アイの絵本」(農文協)。絵本なのでよくわかる。

本によると、

乾燥葉・・・100グラム
水・・・2リットル
炭酸ナトリウム・・・15グラム
ハイドロサルファイトナトリウム
       ・・・15グラム

というのが基本になる。
これを比例計算して藍染をすることにした。

65グラムの乾燥葉なので、1.2リットルほどの水を入れて15分ほど煮る。

煮た藍の葉をタオルなどで濾過する。

1回目の濾過した液は廃棄する。
ここまでは準備段階。

15分煮て絞った藍の葉が主役。
ここに1リットル余りの水を入れて再び煮る。水の量は計算では1.1リットルぐらいだが、それよりは少し多めにしている。

沸騰し始めたら、消石灰を12グラム、ハイドロハイターを12グラム入れる。
必要な正確な分量はわからないが、炭酸ナトリウムとハイドロサルファイトナトリウムの分量と同じと仮定して量をきめた。
実際は1グラムぐらい多めに入れている。

タオルで溶液を濾過する。熱いのでやけどに注意。
右が染液を絞り出したあとの藍の葉。
この葉に水を1リットル余り加えて煮る。

沸騰し始めたら、消石灰と、ハイドロハイターを前回と同じ量を入れ、15分ほど煮詰める。 このことを全部で3回繰り返して、染液を集める。左の写真のように藍の青色が見えてくる。

上の写真左は、3回目の抽出のあとの藍の葉の様子。 3回かけて集めた染液に、白い綿の布を入れる。染液の温度は40度〜45度。下がれば温めることが必要。

5分漬けて空気中に広げる。黄色だった布がみるみると青に変化していく。
この作業を3回くりかえる。

左が3回染めたあとの様子。

きれいな藍色がでてきている。
真っ白だった布が、藍の染液につけると緑色になり、空気に触れるとみるみる青に代わっていくのは本当に不思議だ。
化学反応で説明できるのだが、そのことを知っていても感動する。
日本に藍染の技術が入ってきたのは5世紀ごろといわれている。その当時の人は非常に驚いたにちがいない。
正倉院にはいくつもの藍染めされた宝物があるそうだ。

水洗いしてベランダで干す。ショールも染めてみた。全く同じ染液に入れているのに、木綿のように鮮やかには染まらなかった。化学繊維が使われているのかもしれない。

これで完成としよう。
愛を使って染めても、使う生地によって染め上がりが変わってくるのもおもしろい。
種が取れたら、来年も実験してみよう。

注意:煮た藍の葉は、臭いがきついのでビニール袋に入れて生ゴミとして処分した。
   また染液は下水に流すように本では書かれている。
   私は庭の植物を植えていない部分の土にしみこませた。
   前回は手が藍で染まったので、ビニールの手袋を用意した。
   指が染まることはなかった。この手袋は必需品。
   やけどをしないように注意。染液の温度は高いことを忘れないこと。

 

 

 

藍を育てる(2015年版)

乾燥葉で木綿を染める

昨年植えた藍からとれた種を使って、今年も藍を育ててみた。

5月12日。発芽している様子(写真左)。
6月2日。苗も育ってきたので、植え替える(写真右)

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昨年取れた種を使っているので、まいた種は多いので、昨年よりもプランターを1つ増やしてみた。

種をまく時に、密集して撒いたせいか、苗も密集している。
4,5本をひとかたまりにして植え直したが、結果から見ると、プランターをふやして、ゆったりと間隔をとって植えたほうが良かったかもしれない。というのは、今年の夏が厳しかったせいか、生育が昨年よりも良くなかった。来年はもう少しゆったりと植えてみようと思う。
下の写真は9月22日。
花が出できたので葉を収穫することにする。
種を取る藍以外は、根本からバッサリとハサミで刈り込む。2,3日乾かして、葉を取り、乾燥葉にする。

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取れた乾燥葉は、66グラムだった。思ったより少ない。 IMG_8521

今年は薬品を使い、木綿を染めることにする。 参考にした本がこれ。
「そだててあそぼう アイの絵本」

 

この本の例は、乾燥葉が100gとして説明されていたので、その量の60%に置き換えて作業をした。

用意するもの
・染めたい木綿のシャツ(今回は幼児用のシャツ3枚と大人用のシャツ2枚を染めてみた)
・藍の葉をこすための布(本ではさらしの袋をつかっているが、わたしは使いふるしのバスタオルを使った)
・藍の葉を煮るためのなべ(本ではホーロー鍋をつかっているが、そんな大きなホーロー鍋はないので、古くなった普通の鍋を使った)

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・染めるときに使うバケツ(普通使っているポリバケツを使った)
・温度計、菜箸、ぞうきんなど。
・ビニールの手袋(昨年は手袋なしで作業すると、染まった爪が元に戻るまで1ヶ月ほどかかった。手袋は必需品だと思う)
・炭酸ナトリウムとハイドロサルファイトナトリウム(左の写真)

最後の薬品はアマゾンで買った。近くのスギ薬局で聞いてみたが、なんと通販をすすめられた。

藍染の方法を本にそって紹介する。
本では藍の乾燥葉100gで藍染めがなされているが、私が取れた乾燥葉は66gだったので、実際の作業は6割の計算で行った。

1.乾燥葉100gを鍋に入れ、水2リットルを注ぎ、およそ10〜15分煮てから布でこし、煮汁をすてる。(1回めの煮汁は捨てるということ)

この煮汁は下水に捨てることができる。私は庭にまいた(自然のものだから大丈夫と思って)。
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2.1でこした葉に、もう一度水1.5リットル、炭酸ナトリウム15g、ハイドロサルファイトナトリウム15gを入れて、10〜15分煮る。匂いが強いので、換気扇は必ずまわす。本では外でやるほうがいいと書いてあった。
煮汁をこしてポリバケツにうつす。
この作業(煮汁を絞り、絞った葉に水と薬品を加えて煮るという作業)を3回くりかえし、こした煮汁をポリバケツにためる。
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三回目になると、藍の葉の色が抜けてくることが分かる。 ポリバケツには表面が青い染液がたまってくるというわけだ。下の写真のように葉を煮ている時の色や絞った藍の葉の色が変化していることがわかる。

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こうして染色液ができる。 染めるときにはこの煮汁(染色液)を40〜45度くらいに温めなおして染める。
煮汁の色は、表面は青色をしているが、実は黄色をしているのだ。
空気に触れて藍色特有の青色のなることが、この作業でよくわかった。

染めるシャツは先に水で洗っておく。シャツに含まれているノリなどの成分を洗い流しておくというわけ。そのほうが染まりやすいと思ったのでそうした。

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40度〜45度の煮汁に、シャツを静かに入れる。5分くらいそのままつけておく。
菜箸でかき回したり、取り出す時はビニールの手袋をして、直接藍の煮汁にふれないように注意した。
5分たったら取り出して広げて、空気に触れるさせる。空気に触れると黄色がどんどんと青くなっていくことに驚いてしまう。

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私はこの作業を3回くりかえした。 煮汁につけては空気に触れて発色させていく回数をふやすほど、濃い青色になると本に書いてあったからだ。

3回染めたものをしっかりと水洗いし、かげぼしをした。
一晩ほしておくと、緑っぽかったシャツがみごとな藍色にそまっていたのにびっくりした。

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残っていた煮汁で、大人用のシャツを染めてみた。 このシャツは絞り染めをしてみたが、藍の乾燥葉の分量が少なかったせいか、染めは淡い藍色になった。でも絞り染めの効果でていることはわかった。 IMG_8602

残った染色用の煮汁は下水に捨てて良い、と本には書いてあった。 私は薄めて庭木の水やりにつかった。藍は防虫効果があるとどこかで聞いた記憶があったからだが、本当だろうか? でも天然のものだから植木に悪いはずがないだろう。

昨年は生の葉をつかって藍染めをし、羊毛やレーヨンをつかた実験だったが、今回は薬品を使って木綿を染めるという、少し本格的な藍染めに挑戦してみた。

薬品を入れて煮ている時や、シャツを入れて染めている時は、徳島での藍染体験の時のような藍染め特有のにおいがした。私は煮る時は、台所しか火気がないので台所を使ったが、換気扇全開状態にした。またシャツを染める時は、鍋をガレージに持って行ってそこで染色した。

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藍の花が咲き、実がなってきている。

今年もタネができるようだ。

来年はもう少しゆったりと植えよう。プランターの数も増やして、採れる藍の葉の分量をたくさんになるようにしてみよう。
そしてもう少し大型のものを染めたいものだ。

ベランダで藍をそだてるのは、暑さ対策を考えなくてはならないようだ。今年の夏は暑かった。そして南向きのベランダは、藍にとって砂漠のように暑かったと思う。