ドリームガールズ DREAMGIRLS

ドリームガールズの公演にいった。
梅田の芸術劇場の前にはツアーの人たちも来ていた。すごい人気なのだ。
私はビヨンセが出ているというので、映画「ドリームガールズ」(2006年)を見た記憶がある。
日本語でのミュージカルということで興味があった。
ネット情報では、ミュージカルが先で映画は後だということだ。

舞台中は撮影禁止なので開場前の様子。 大規模な舞台変換をする設定ではない。
I HAVE A DREAM  の文字が効果的に登場する。

左は当日のプログラム。
かなり大きくて、中は写真がたっぷり。

時代は1960年代。
黒人差別が今以上に露骨で厳しかった時代。キング牧師が有名な「I have a dream」の演説をした時代だ。
舞台でも壁の落書きのように
colored とか white only のような文字が登場していた。

このミュージカルのモデルは、ザ・スプリームズ(The Supremes )で日本ではシュープリームスとして知られているグループ。
日本語版ドリームガールズは、
ディーナ・ジョーンズを望海風斗(のぞみふうと)さん、ローレル・ロビンソンをsaraさん、エフィ・メロディ・ホワイトを福原みほさん・村川絵梨さんのダブルキャスト、エフィの代わりのメンバーとなったミシェル・モリスをなかねかなさんが演じている。
いやはやこの4人の声量の豊かさにびっくりした。
驚くほどの迫力だった。


とりわけエフィの情感たっぷりで長い歌声には、これはダブルキャストでないと喉が持たないだろうとおもうぐらい。
私が見た公演でのエフィは村川絵梨さんだった。
日本にびっくりするほどの声量を持った女優さんが4人もいたのだ、ということにびっくりした。

舞台終了後の望海風斗さんのあいさつで、三番街のフードコートのアクリル板がドリームガールズ特集になっているという紹介があった。
帰り道にフードコートに行ってみると、フードコートの全アクリル版にドリームガールズの写真が載せられてるのではないか、と思うぐらいだった。

このミュージカルのストーリーはよく知られているし、ネット上で詳しく知ることができるのでここでは省くが、購入したプログラムにある演出家の眞鍋卓嗣さんのあいさつを引用して少し紹介しておきたい。

「・・・この作品に、実に多くの要素が織り込まれていることに気づかされました。華やかなショービジネスの世界、その陰に渦巻く様々な想い、当時の人種差別や公民権運動、夢を追い続けることと背中合わせにある苦悩・・・。そして、それら社会問題や人間が抱える本質的な葛藤は、今作の舞台である1960〜70年代から半世紀以上を経た今も解決することなく、様々な分断や歪みの原因として存在していることは厳然とした事実です。・・・・中略・・・・
 人は誰もが等しく夢を見ることができ、その夢をつかむため自分の道を進む権利を持っている。この作品が、ご覧くださったお客様の背中を少しだけ押し、新たな一歩を歩みだす勇気となって胸に残ることを心から願っています。」

私は家に帰って「もう一度映画ドリームガールズを見てみよう」とおもい、Netflixを探してみると、あるではないか。
映画を見直してみると、時代背景や登場人物の思いや願いがよくわかった。
舞台を見る前に映画を見るべきか見ないほうがいいか、人それぞれだろうが、私は昔映画を見て、今回舞台のミュージカルを見た体験からは、映画を見てからミュージカルを見たほうがより登場人物のリアルに迫れるだろうと思った。
演出家の眞鍋さんの言うように「少し背中を押す」、そんな歌とダンスの舞台だった。