髙田郁さんトーク&サイン会

髙田郁さんの「トーク&サイン会」が、北花田のイオンモールであった。

現在連載中の「あきない世傅 金と銀 第5巻 転流編」の刊行記念のイベントだ。

私はこのイベントを紀伊國屋書店のメールマガジンで知った。発売日が2月18日(奥付より)、その日のメールマガジンにこのイベントの案内が載せられていた。本をお買い上げされた人には整理券がもらえるとのこと。電話でまだ余裕が有ることを確かめて一安心。

髙田郁さんのサイン会は以前にも参加したことがあるが、ご本人の希望で写真・ビデオ撮影・録音は禁止されている。
ご本人は「キャメロン・ディアスに似ている」と言ってほしいそうだ。
会場には100人以上のファンの人が集まっていた。

お話は30分ほどの「ここだけの話」とサイン会。

サインは一人ひとりに話しかけながら、高田さんとファンの人が会話を楽しみながら、握手で終わるという、ファンにとっては最高のサイン会だったと思う。

30分といっても、内容が盛りだくさんのお話だった。
高田さんのお話によると、トークショーの前日は時計を置き、壁に向かって、話す練習をされるそうだ。「28分、ちょっとたりない」と考えたりするそうだが、今回のポイントは「これではみんな笑ってくれない!」とウケ狙いだっとそうで、さすが関西出身の髙田さん。狙いは確かで、会場はおおいにもりあがった。

初めて知ることが多くあって、直接にお話が聞けてよかった。
たとえば、この「あきない世傅」の主人公である幸は、おばさんの名前からとられているそうだ。「みおつくし料理帖」もそうだが、登場人物の名前の多くが、自分の身の回りの人の名前からつくられているそうだ。
幸のモデルになったおばさんは、若くして病気で亡くなったそうだ、「この作品の中でがんばって活躍して、長生きしてほしい」という願いがあるそうだ。でも「どうして私ばっかりがこんなに苦労するの!」と天国のおばさんが怒ってそうで、、、というお話も楽しかった。

この「あきない世傅」のシリーズは半年ごとに年2回出版されている。第5巻のあとがきにあるように、高田さんは「みおつくし料理帖」の特別号を執筆中。この「あきない世傅」の第6巻は1年ほどまたなくてはならないようだ。
「あきない世傅」の続きも読みたいが、「みおつくし料理帖」の特別号となると興味が湧いてくる。
いったいどの場面が描かれるのだろう。のえちゃんの大阪での生活だろうか?とついつい先走って考えてしまう。

ところで「あきない世傅」の主人公、幸のモデルはいるのだろうか?

これも「ここだけの話」によると、モデルは実在するそうだ。
兄弟3人の妻となり、最後は女主人として活躍した商人がいたのだ。しかもその店は大阪のだれもが知っている店・・・興味は尽きない。

高田さんは取材、調査が大好きで、様々な博物館に出向いて小説の材料となる資料を発掘されているようだ。私が興味を持ったのは「馬の博物館」。横浜にあるそうだ。
高田さんは20分の見学、と決めていったのに4時間もかけて見学したほどの惚れ込みよう。
私も是非とも行ってみたい、と思った。人類と馬の歴史というのは、昔から興味があった。そんな博物館が横浜にあることは全く知らなかったので、高田さんのトークショーに感謝。さっそくこの夏に見学に行く予定を立てた。

30分のトークはまたたくまに時間が来た。
サイン会では、高田さんは一人ひとりに話をして、作者と読者の距離を埋めようとするかのようだった。
妻は「前におあいしましたね」と言われてびっくりした、と言っていた。
私は「映画化するなら、幸はこの俳優さんというイメージはあるのですか?」と聞いた。高田さんは「私はあまり映画やテレビを見ないので、今の俳優さんはよくわからない・・・」と仰る。
私は「寅さんの大阪編での若いときの松阪慶子さんがいいと思う」と言うと、「ああ、あれはいいわね。弟をさがして、行ったら亡くなっていたというのよね?(よく知っているなあ、と私はびっくり!)私に寅さんを語らせたらうるさいわよ」と笑いながらおっしゃった。
情報収集力、すばらしい記憶力、なるほど作家の条件はここにあるのかと思った。

上の写真は当日にもらった絵葉書。
幸は大変な苦労をしていて、これからどうなるのだろう?とおもっていたが、
「笑って勝ちに行く」と書かれている。なるほど、この精神だな。

絵葉書をブログにのせていいかとおつきの人に聞く。個人的に利用するのなら大丈夫でしょう、という返事をもらったので、ここで紹介することにした。

「笑って勝ちに行く」幸を見たいので、「高田郁さん、健康でいてくださいね!」。

 

 

 

 

心許の蛸飯

みをつくし料理帖の献立から

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「みをつくし料理帖」の各巻末に紹介されている献立の数々。 作ってみたい、と思いながら、なかなかその機会がない。
 鳴門の渦潮を見に行った時に、淡路島で「干しダコ」を買った。 これであの「心許の蛸飯」がつくれるのではないか、やってみよう。

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これが淡路島で買った「干しいいだこ」。

ここに蛸飯のレシピものっている。これも参考にして、無水鍋を使って作ってみた。

 

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買った「干しいいだこ」に書いてあるレシピは3合分。 「干したこ20g程をキッチン鋏で2cm角位にカットし、お酒50cc、お醤油50ccを混ぜたものに30分から1時間ぐらい漬けます。あとは普通の水加減にしたお米に汁ごと入れてスイッチオン」と書いてある。

私は2カップのお米の量でいいので、上のレシピを2 /3にして材料を用意した。
カットした干しイイダコを酒と醤油の中に漬けて1時間ほど待つ。

IMG_2792 米2カップを洗い、1割増しの水加減にした。

無水鍋に米、1割増しの水、つけ汁に浸けた干しダコを汁ごと入れて約30分おく。ショウガ、味醂を入れる。

フタをしてIHコンロのスイッチオン。
カタカタというまで強火。蒸気が出はじめたら蛍火で15分。

そのあとフタをしたまま10分蒸らす。

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いや~、蛸飯がこんなに美味しいとは。 高田郁さんのおっしゃるとおり、干しダコで作る蛸飯は本当に美味しい。 「天の梯」を読んだ後、スーパーで干しダコをさがしたがよう見つけなかった。 今回、淡路島で「干しいいだこ」を手に入れて、「蛸飯」を作ることができた。後ろに写っているのは、給食レシピで作ったおかず「豚肉と野菜の甘味噌炒め」と「れんこんの中華焼き」。

高田郁さんの言う「生蛸を干して干しダコを作る」ことができたら、これもおもしろいだろうな。 その機会を待ちながらスーパーやデパートの生鮮食品売り場をウロウロしているのが最近の日課。

 

 

「みをつくし料理帖」完結!

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とうとう完結編をむかえた「みをつくし料理帖」。
大阪出身の澪が、江戸で料理人として成長していく姿にエールをおくり、逆に澪の生き方に励まされた人も多いと思う。

私の近所の人で、結婚して関東に住んでいる娘さんから「お母さん、この本おもしろいよ」とすすめられたという話を先日聞いた。若い人たちにも好評だったのだ。

私がこの本を知ったのは、「みをつくし料理帖」の第1巻が出た時。私が家族の夕ごはんを作るようになった時だ。
「舞台が江戸時代で、女が主人公で、しかも料理がテーマの本なんて、売れませんよ」と編集者からいわれた高田郁さん。ところがどっこい、大ブレーク。
私はいまかいまかと本が出るのを楽しみにしていた。
そうして私のブログ名も、あつかましくも「雲外蒼天」とした。

「最後の場面はもう決まっています」という高田郁さんの記事を読んだ時、「どうなるのだろう? ハッピーエンドか、はたまた悲劇に終わるのか?」とやきもきした。

これからこの本を読まれる人のために、何も書かない。
ただ本の帯に書かれている
「澪の歩む、新たな道。
それぞれの運命は如何に・・・・。」

高田郁さんの
「シリーズ開始から5年、皆様とともに
蒼天を仰ぎ見る幸せに 感謝多謝」

そして、本屋さんでこの本を手にとった時、一番最後にある「料理番付」をご覧になるといい。そこにすべてがある。私は番付を見て、私が予想した小説の展開と大きく違っていた。余韻のある結末だ。 

 

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上の写真は私が作った「恋し粟おこし」で、2回めの作品(?)。 第10巻「天の梯」に出てくる最後のレシピをもとに作ってみた。 1回目は冷ご飯で。これは分量を間違えたので、砂糖菓子のようになって歯にべたべたした。 2回目は干飯を作り、レシピ通りに分量を間違えずにやってみた。それがこの写真。 では作り方を紹介する。詳しいレシピは「天の梯」をみてほしい。

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冷ご飯をボールにとり、水で洗う。 洗ったご飯をざるに入れて水を取り、天日でまる二日乾かす。
二日間天日で干したのが左の写真。
口に入れると、硬くて硬くて歯がたたないくらいにパリパリになっている。

昔の旅の保存食というわけだ。

 

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干飯を100g、すり鉢でゴリゴリと小さく砕く。レシピでは「粟粒くらい」とある。力を入れてたたくと、干飯がすりこぎにはじかれてすり鉢を飛び出してしまうので注意。少しずつ、何回かに分けて丁寧にくだいていく。右が砕いた干飯。

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干飯をフライパンで炒める。レシピには「膨らんで薄いきつね色になるまで、弱火で気長に」とある。私は15分から20分ちかく炒めた。それが右。

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次に蜜をつくる。干飯100gに対して、上白糖40g、みずあめ80gを用意する。
フライパンで弱火でじっくりと煮詰めていく。
ショウガの絞り汁を加えて、さらに煮詰めていく。
最初大きな泡が出てくるが、かき混ぜているとその泡も小さくなってくる。 

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ねっとりとして、色も少し黄ばんでくる感じ。
レシピには「出来上がりの目安は、箸先を蜜につけて水に浸けるとぱりっと固まる温度」とある。 味見をしていて、蜜が歯に粘りつく時から、歯でぱりっと割れるようになってくる。その頃合いと思う。

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煮詰まった蜜に、炒った干飯を入れ、さらにゴマを入れて手早くかき混ぜる。

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江戸時代にはないクッキングシートをここで使う。

クッキングシートに広げてその上に粟おこしを置き、さらにその上からクッキングシートを敷く。
めん棒で同じ厚さになるように伸ばす。
どんどん硬くなるので、手早くしなければならない。
ここで一口大にカットするわけだが、
私は冷えるのを待ちすぎたので、包丁では切れないぐらいに固くなってしまった!!

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包丁で歯がたたないくらいの固さにまずびっくり。 しかたがないので、冷凍食品につかうノコギリ歯のついたナイフで切り込みをいれる。
これでも硬くて、まるで木を切っているみたい。
とにかく切り目を入れて両手でバリっとわったのものがこの写真。

私の予想では製品のような長方形を想像していたがいびつになってしまったのが残念。 でも味の方は、固いけれど甘過ぎもせず、ショウガ味がなんとも懐かしい味だ。 本にある「恋し」という思いがなんとなくわかる、昔風のお菓子に仕上がった。 これからチャレンジされる方は、固くなり過ぎないうちにカットされることをおすすめする。

「恋し粟おこし」を食べながら、澪や野江の生き方に思いを馳せるのも、いいかも。