三角点を探る旅 28

8月6日 広島に原爆が落とされた日。
このブログも中国・蘇州の旅から、戦争の激戦地となった沖縄に場面は変わる。
まずは「三角点」と「水準点」。国土の基準となるところから始めよう。

沖縄・那覇市の電子基準点

沖縄三角点水準点1

上は沖縄県那覇市周辺の三角点と水準点の分布地図。

最初は那覇市にある電子基準点。

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モノレールに乗って、「奥武山公園駅(おうのやまこうえんえき)」で下車。 歩くこと約10分。以前に沖縄に来た時は、このモノレールはなかった。
沖縄の町は大きくかわっていた。

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小禄(おろく)1丁目9の公園の中にある。ここは茶色の電子基準点だった。

那覇電子基準点2

 

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金属のパネルには、

電子基準点 No.021096
この電子基準点は、地上約2万kmの高さを周回するGPS衛星から出された電波信号を受信しています。 受信したデータは、つくば市にある国土地理院にリアルタイムで転送されます。 この受信データで正確な位置を求めて、土地の測量や地図作成の基準点として利用されています。また、地震・火山噴火等の重要な地殻変動の監視を行っています。 (管理者) 茨城県つくば市北郷1番 国土地理院 電話 0298−64−1111

とある。

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足元には「電子基準点付属標」が設置されている。 一等水準点でもある。

No.021096A
「この測量標を移転き損(毀損のことだろう)すると測量法により罰せられます」 とかかれている。

なんだか地面の台からずれているような感じがする。触っても動かない。
だれかがいたずらで動かしたのかなあ、と思う。もしそうだったら、もっと大事にしてほしいなあ。

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6月下旬。沖縄は暑い。 公園では小学生の子どもたちが虫取りをしている。
少しお姉さんの髪の長い女の子と、男の子たち3人。昔、大阪でもよくみた光景。
この子たちは、学校や地域でこの電子基準点のことを聞いているのかなあ。
空は青空、公園で遊ぶ子どもたち、平和という言葉が頭にうかぶ。
そんなことを考えながら、次の目的地の三角点探しに移動する。

 

 

 

 

電子基準点(米子)

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博労町、富士見町に電子基準点と水準点のマークがある。
調べてみよう。
地図を見ながら、米子城跡から歩いて探すことにした。
学校のマークがあるので、これまでにあったような、運動場の端に電子基準点があるのかもしれない。

発見。学校の敷地内ではなかった。学校のそば、新しい住宅の町並みのすぐそばにあった。

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しかもここは電子基準点だけがあるのではなかった。 みどりのフェンスで囲まれた気象庁の観測施設だった。
「米子特別地域気象観測所」「気象庁、鳥取地方気象台」という文字が見える。

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「基本 電子基準点 No.111187」という文字が読み取れた。 ここには、電子基準点だけでなく、私には用途はわからないが、様々な機器が設置されていた。 _MG_7432

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気になったのは、この警告。 なぜ「目が悪くなる」のだろう。 IMG_8455

紫外線でも出ているのか? 高電圧の機器があるのだろうか? 初めて見た警告板だったので、いろいろ考えるがわからない。
住宅に接しているけれど、大丈夫? 本当に危険な場所なのか、それとも脅しのための文言なのかわからないまま、次の基準点を探すことにする。次は水準点なのだが、わかるだろうか?

 

 

水準点めぐり14

名古屋の電子基準点

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二万五千分の一の地図を見ていると、地下鉄の本山駅のそばに「電子基準点」のマークを発見した。
今回はこの電子基準点を調べに行くことにした。

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地下鉄本山駅から10分ほど歩くと、ものすごい坂の上に、ドームらきしものが見えてきた。
あれが目指すところらしい。

私が目指しているのは「名古屋地方気象台」。
気象台なんて行ったことがないので、少し楽しみ。
こんな街の真ん中に気象台があるなんて想像もしたことがなかった。
おまけに立派な白いドームまで見えてきたので期待がますます膨らむ。

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正面にまわるとこの日が日曜日だったので、職員の人の姿もほとんど見かけることはなかった。
門らしきところから入って、左に駐車場がある。そこまで来ると見えました。

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国土地理院のホームページにある電子基準点の説明は以下のとおり。
電子基準点とは  
電子基準点は、全国約1,300ヶ所に設置されたGNSS連続観測点です。外観は高さ5mのステンレス製ピラーで、上部にGNSS衛星からの電波を受信するアンテナ、内部には受信機と通信用機器等が格納されています。 基礎部には、電子基準点付属標と呼ばれる金属標が埋設してあり、トータルステーション等を用いる測量にも利用できるようになっています。

電子基準点付属標というのは、上の写真にある丸い金属の標識のこと。
またGNSS衛星は上空2万キロメートルのところを回っているGPS衛星のことである。

この電子基準点のそばに今まで見たことのないものが設置されていた。

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「ウィンドプロファイラ」というもので、ここから上空にむかって電波を発射し、気流の流れや雨粒にぶつかって反射してくる電波を観測する。最大12キロメートルまでの高さの風光や風速を10分ごとに観測している装置だそうだ。 天気予報の精度を揚げるために利用されているという。
こんな立派な装置を間近で見たのは初めて。すごいなあ、と思いながら写真に撮る。

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周辺には、いかにも気象台と感じられる観測装置が設置してある。
装置の名称や目的はわからないが、温度や湿度など様々なデータが観測され、「名古屋の只今の温度は〇〇度、湿度は・・・」と発表されるのかなあ、と想像しながら次の目的地に向かうことにした。