映画「風立ちぬ」と計算尺4

IMG_20131103_0001 右の写真は映画「風立ちぬ」で計算尺が登場してきたところ。
まさか、骨折の添え木として使われるなんて。予想外の出現にびっくりしてしまった。
こんな使い方もあるのかなあー。きっとこんなふうに使われたこともあるのだろう。
この映画のおかげかどうかわからないが、ネット上では数万円で取り引きされている計算尺もある。

計算尺といえば「ヘンミ計算尺」、ホームページから計算尺の歴史を見ると、

ヘンミ計算尺a(クリックすると拡大します)

時はヨーロッパの大航海時代。船の位置を知るために星の位置をもとに計算する、その膨大な計算を簡便化する必要があった。そこに登場したのがジョン・ネイピアの発明(発見)した対数である。時間のかかる掛け算を足し算でできる対数は「天文学者の寿命を二倍にした」、と言われるぐらいに素晴らしいものだった。対数表や三角関数表を使いやすくしたのが計算尺というわけで、1600年代半ばに今のような形が発明された。
日本に輸入されるのは明治に入ってからだった。

ヘンミ計算尺歴史x材料に日本の竹を使い、くるいのない正確な計算尺の開発、生産が行われた。

ヘンミ計算尺b戦後、中学校の数学で計算尺が教えられるようになった。私もおかげで計算尺を使えるようになった。

ヘンミ計算尺cアメリカのNASAでも日本のヘンミ計算尺が使われたと言われている。

ヘンミ計算尺d日本の計算尺の歴史が閉じられる。80年間の歴史だった。

ペーパークラフトで計算尺を作ろう。

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日本での生産販売がされていないし、ネットのオークションは高そうなので自作できないか?と計算尺のペーパークラフトを探してみると、あるある、思ったよりもたくさんのホームページやブログにヒットした。そのうちのいくつかを紹介する。
上の計算尺は「計算尺ペーパークラフト」というホームページにあったもの。PDFファイルをダウンロードして作ってみた。カーソルもあり、かなり本格的な感じに仕上がった。写真の下がPDFファイルの原寸。小さいので拡大して作ったのが上の計算尺。
計算尺ペーパークラフト
http://cyno-y.cocolog-nifty.com/darabuchi/cat5579192/index.html

 
IMG_4892これは上のペーパークラフトよりも簡単にできるし、カーソルもついている。計算尺の原理について学習できる。ホームページには計算尺での計算の仕方ものっている。二進法のそろばんにも興味がわく。
 
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色がついてカラフルな計算尺。作り方も簡単。
「絶滅した計算尺の本 計算尺図書館」というホームページにある。
目次から資料館→計算尺作成とすすむとこのペーパークラフトが見つかる。
このホームページには「計算尺forきっず」というページがあり、そこにはアイザック・アシモフが書いた本「やさしい計算尺」をベースにした計算尺の原理と使い方のソフトがある。この「やさしい計算尺」という本は私も買いたかった本だが、今は絶版。アマゾンやブックオフを探したがなかった。原書はアメリカの古書にあったが高くて入手をあきらめた。図書館にはある貴重な本。
絶滅した計算尺の本 計算尺図書館
http://www35.tok2.com/home/sliderule/index.html
 

IMG_4917これは珍しい円筒形の計算尺。
私もはじめてみたので楽しく作ることができた。
平面の計算尺を丸くしたものだから、あとに紹介する円盤型の計算尺との中間みたい。
でも立体なので使いやすい。
簡易型と高精度型がある。
両方作ってみたが、ナビスコ・チップスターの筒を利用している。
高精度編の計算尺はらせん状に目盛りを巻いているのでスケールが長くとることができ、その分精度が高くなっている。
こういうペーパークラフトはどのようにして設計するのだろうか。ホームページで紹介してもらえて本当にありがたい。

円筒計算尺を作ろう 高精度編
http://www.cbrc.jp/~tominaga/sliderule/helical/

IMG_4899これはCD-ROMのケースに入れた円盤型の計算尺。
ヘンミ計算尺はもう生産中止になっているが、円盤型の計算尺はまだ販売されている。アマゾンなどのネットで買える。
東急ハンズでも売っているという情報があったので、心斎橋の東急ハンズに行ってみたが見つけることはできなかった。

このペーパークラフトのホームページはアメリカと思う。slide rule museum というところには、計算尺のいろんなタイプが紹介されていてびっくりしてしまった。その中ほどの所に、この円盤型の計算尺がある。
円盤形はコンパクトで使いやすいかもしれない。
slide rule museum
http://sliderulemuseum.com/SR_Scales.htm

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しっかりした計算尺を作りたかったらこれ。クラフト用の紙を数枚貼りあわせて作ってみた。
カーソルも自作すればかなり実用できるのでは? 計算尺の原理を学習したり簡単なかけ算やわり算、比例計算には十分役に立つ。「計算尺推進委員会」というホームページには、計算尺の歴史、原理、使い方、自作の注意など計算尺についてあらゆることがのせられている。こういう人達によって計算尺の素晴らしさが伝えられていくんだなあと思う。

計算尺推進委員会
http://www.pi-sliderule.net

今回は、ペーパークラフトによる計算尺体験だが、パソコンのディスプレイ上での計算尺体験ができるソフトもある。
「計算尺推進委員会」にはいろんなタイプの計算尺が使えるソフトが紹介されている。

また、iPhoneのアプリに計算尺があるのを発見した。しかも無料のアプリ。
K尺、A尺、B尺、CI尺、C尺、D尺の基本だけだが、計算尺の原理が学習できるし、十分に実用できるもの。
iPhoneのアプリには「モンゴルの縦文字」もあるし、まだまだ面白いアプリがありそう。

*計算尺のペーパークラフトを作りながら、あらためて対数について調べてみた。
天文学者の寿命を二倍にしたということはこういうことか、学校で教えてもらっていたら対数に苦しむことはなかったのに、と思うこともたくさんあった。
機会を見て紹介してみたい。