パズルをつくる 8

一見不可能

今回のパズルは「一見不可能」とタイトルが付いている。

私が愛用してるこの本「パズルをつくる」は奥付を見ると、

1984年10月29日第1冊発行

となっている。もう36年も前の本だ。「シリーズ・子どもとつくる」というシリーズ本の第9番目の本。作者の芦ヶ原伸之さんはこの本の前書きで「本書の全パズルを作って棚に飾り、世界に一つしかないパズルコレクションの棚を背景に、自分の写真を出版社経由で私宛に送ってくれる人が何人かはいるだろうと、それが楽しみで私は本書を書いたのである」と書いている。私もこの本を手にした時、挑戦してみたいと思いながら時間が経ってしまった。そしてまだ全作品をつくるにはいたっていない。

今回のパズルは紙とハサミだけでできる。

本の解説にはこう書いてある。
「これは作るのがパズルなのだ。
一枚の長方形の紙から写真の形を『ハサミを使って、折る』だけで作れますか。ノリは一切使用禁止だ。」

写真を見てみよう。見れば見るほど不思議さが増してくる。
どう切って、折ればこんな形になるのだろう。
私は実物をどこかのデパートか、美術館か、博物館か、記憶が定かではないのだが、大勢の人がいる場所に陳列してあるのを見た記憶がある。
ガラスケースに入れられ、触ることができない。
ただ見るだけで推理していくのだ。

左は少し角度を変えて見たところ。

どこにもあとから貼り付けたところもない。切って、折ってあるだけ。

芦ヶ原さんの解説を続けると
「ニューヨークのある美術館にはこの形のアルミ製のどてかい彫刻が屋外展示されているが、これはあまり不思議に思えない。紙のほうがよほど奇妙に見える。
私はこのアイディアを名刺に利用した。もらった人が首をかしげるのを見るのが好きである。・・・・」

手でさわらずに、少し離れたところから、どうすればこの形が作れるのだろう。そう考えるのがこのパズルの真骨頂なのだろう。
私は以前にガラスケース越しにこのパズルを見た時、しばらく見たけれど結局わからないままだったことを覚えている。そしてこの本でこのパズルを発見した時は大喜びした。
作って人に見せるとほとんどの人が首をひねる。これまで何人かに試したけれど正解にたどり着いた人が一人いた。それは私の伴侶だ。

さてこの本の解答のページを載せておく。
ハサミと紙ー少し硬めのほうがいい、作って楽しんでほしい。

解答を見て実際に作ってみると、 「そうかー、こんなふうになっていたのか、よくできたパズルだなあ〜」と感心するに違いない。

作者の芦ヶ原さんについて調べてみよう思いネットで検索をかけると2004年にお亡くなりになっていたことがわかった。
ご冥福をお祈りします。
この「パズルをつくる」に紹介されているパズルは約30ほどある。私の工作力では全部はできないけれど、時間を見たながら作っていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

パズルをつくる 4

ザ・タイヨウ

久しぶりにパズルを作ってみた。 原本は左にある「パズルをつくる」(芦ヶ原伸之著、大月書店)。

1月にちなんでその中から選んだのが「ザ・タイヨウ」。
スライドパズルに分類できるものと思う。
これは1914年にアメリカパテントの GEY  MY  GOAT を基本として、著者の芦ヶ原さんがデザインを変えたものと説明がある。

ピースをただ滑らせるだけで、太陽のピースを真ん中にもってくるというもの。
まわりは最初の形と違ってはいけない。

簡単そうなので、やってみた。材料は発泡スチロールの工作用の板があったので、それを利用した。

 

発泡スチロールの板を張り合わせて厚みを出し、本からザ・タイヨウの絵をコピーして、発泡スチロールの上にはっていった。
見やすいようにと、太陽や炎、バックに色鉛筆で色をぬった。
その方がピースの動きがよく分かるだろうし、完成の絵もわかりやすいだろうと考えたからだ。

本についている回答を見ながら動かしてみたが、どうもおかしい。

わかりやすくするために、左の写真のようにピースに番号をはった。
回答を見ながら動かすと、2番と6番のピースが入れ替わるのが最終の形になる。
それでは炎の色とバックの青色が違っているではないか。
どこでまちがった?
なにか見落としていることはないか?
と思い、本文を読み直してみた。
「太陽の周囲の曲線は、いいかげんに描かれたものではなく、きわめてデリケートに描かれている。つまり太陽の中心から見て、右上と左下のピースは、図柄がまったく同じなのである。」と書かれている。
右上とは2番のピース、左下とは6番のピース。確かに同じ図柄だ。
ああそうか、私は色を塗ってしまったから違う図柄に見えていたのだ。

色を塗っていない、線だけのピースにしてみた。

こうして2番と6番のピースを見てみると、全くおなじ図柄であることがよくわかる。

ピースを動かして2番と6番がいれかわっても、その形は同じだ。ただ人間の理解として炎の部分とバックの部分も入れ替わっていると判断して見ているので、全体の形は動かす前と後では変わっていない、というのだ。
私は炎とバックに色を塗ったので、違いとして目に見えたということだろう。

単なるピースのスライドだけではなく、図柄にも工夫があるパズルだ。

*この本にある回答に一部間違いがあったので、ただしい手順を書いておく。

5,6、7、5,6、4、3、6、9、2,6、9,2,G
1、6、9、3,4,2,5,7、2、5,G、9、6、1
(Gは太陽のピースのこと)