第48回グリーンコンサート

淀川工科高校吹奏楽部 定期演奏会

今年も淀工のグリーンコンサートに行ってきた。会場はフェスティバルホール。

私は1階席の少し後ろの方。全体がよく見える位置だった。 会場はほぼ満席状態。小中学生の団体から孫の応援に来た様子の高齢の人まで、多種多彩だった。

プログラムは、

・オープニング
・カーペンターズ・フォーエバー
・大阪俗謡による幻想曲
・東京オリンピックマーチ
・日はまた昇る
・1年生フレッシュコーナー
    休憩
・大序曲「1812年」
・故郷(ふるさと)
・ザ・ヒットパレード

というもので、ほぼ昨年通りだった。

オープニングの「翼をください」は、会場の1階席後ろに並んだ合唱隊のハーモニーと舞台の手話という演出、歌声と手話の女生徒の立ち姿は会場の空気を澄み切ったものに変えた気がした。

吹奏楽部の人気は高く、東京や和歌山から家ごと大阪にやってきて入部する子がいるということが司会との田頭さんと部員との話ででてきたので、びっくり。たいしたものだ。
私が淀工のグリーンコンサートに来るようになったのは、もう15年以上前になると思う。知り合いの小学校の先生の教え子が淀工の吹奏楽部に入り、チケットの売上に協力することからだった。その時は確か守口の市民会館だったと思う。

最初のカーペンターズ・フォーエバーは例年のプログラムだが、トランペットとトロンボーンが15人ほど立って演奏するのだから、その迫力はすごい。

1年生が学生服とブレザーで入場してきたとき、「今年の1年生は大きいなあ」と思わずつぶやいてしまった。とにかく全体的に大きな子、背の高い子が多いという印象だった。

陽はまた昇る

初めて聞いた演奏があった。「陽はまた昇る」という曲だ。 プログラムにこんな説明があった。

作曲者の言葉(概要)
 2011年3月11日、日本の東北地方太平洋沖でマグニチュード9以上の巨大地震が発生しました。この地震と津波による犠牲者は15000人を超え、2千人以上の方々がまだ行方不明になっています。
 私には、日本の数多くの楽団に携わるたくさんの友人がいますが、その一人が被災者を支援するために作品を書くことを提案してくれました。私はすぐに賛同し、以前委嘱された金管バンドの作品を吹奏楽用にアレンジしました。そして日出ずる国の友人達に敬意を表して新しい題名をつけました。『陽はまた昇る』。
 私はこの作品の印税を日本赤十字社の緊急救援基金に寄付します。楽譜を販売するデ・ハスケ社もこの作品の販売収益を全て寄付します。しかも、このプロジェクトからの支援が即座に実現されるように、赤十字社への一括送金を約束してくれたことをうれしく思います。
 この「バンドエイド」プロジェクトを通じて、世界中の吹奏楽団が、この苦難のときに、吹奏楽を愛する人々がたくさんいる日本の人々を支援することができるように心から願っています。
                  フィリップ・スパーク
 
フィリップ・スバークという人は、インターネットで調べてみると、ウィキペディアには次のように書かれていた。

「フィリップ・スパークPhilip Sparke1951年12月29日 – )は、イギリス作曲家ブラスバンドおよび吹奏楽のための作品で知られる。」
 
250曲以上の吹奏楽の曲を作曲している人で、ブラスバンドの世界では、かなり有名な人のようだ。
「陽はまた昇る」は、5分ぐらいの曲で、もう少し聴いていたいなあと思っているうちに終わってしまった。
ユーチューブに「陽はまた昇る」の演奏がアップされている。
 

私はこのような取り組みが、ブラスバンドや吹奏楽という音楽の世界で行われていたことは全く知らなかった。この「陽はまた昇る」の演奏は日本の各地で行われているようで、これからも広がっていくだろうと思うし、広がってほしいと願う。
25年前の1月17日の阪神淡路大震災、9年前の東日本大震災、それ以外にも多くの地震や自然災害の起きているこの頃。たくさんの人がボランティアとして支援に行っている。私の行きつけの散髪屋さんのマスターも、災害支援ということで被災地の人たちの散髪に行っていると聞いてびっくりした。そうか、そういうふうな支援活動があるのだなあ。

二階席の前の方に、黒いカバーが掛かっている椅子が置かれている。
これは「大序曲『1812年』」のとき、応援賛助出演の吹奏楽部員が利用するところ。

『1812年』の最後は、『祝砲』に変わるものとしていろいろな工夫がされていたが、大迫力だった。
二階席や舞台上のトランペット・トロンボーンは力いっぱい、ありったけのエネルギー込めての演奏だったと思う。これでもか、これでもか、という心の声が聞こえてきそうな高校生のエネルギーが会場内いっぱいにひろがった。

「明日があるさ」「嵐メドレー」など楽しい舞台構成も高校生の若々しい姿がたのしかった。応援団長はいつも立派な体の男子生徒だが、吹奏楽部入部のとき、舞台で三三七拍子をやりたい人、と募集しているのかな?

最後の「乾杯」は今年も感動した。
今年は60人以上の3年生が舞台に並んだ。丸谷先生が「これだけ多いといろんなことがありました。しかし最後まで続けてくれました」という意味のことを言っていた。ありきたりの表現になってしまうが、「継続は力なり」という言葉通りだと思う。努力は必ず報われる、そんな世界であってほしい。

「最近の若いものは・・」「ゆとり世代はやっぱり・・・」なんて言う大人が相変わらず多いが、とんでもない。「最近の高齢者は・・・」「昭和生まれはやっぱり・・」と思うことのほうが多くなってきたと私は感じる。
さあ、丸谷先生が現役でがんばっている、私もぼーとしてられないなあ。

 

 

第47回淀工グリーンコンサート

今年は創部60周年記念だった。

2019年1月19日と20日、4回の公演がフェスティバルホールであった。私が行ったのは、1月20日の日曜日、午後12時からの公演だった。

今年も丸谷先生がニコニコしながら走って舞台に登場。
無理しなくてもと、つい思ってしまう。
「翼をください」の手話は、今年も美しい手話だった。
私の座席が前から4番目ぐらいだったので、手話をする部員さんの表情がよくわかる。
練習量を誇る淀工だから、手話もみっちりと練習をしたのかもしれない。
座席は私が見ている限りは満席だった。補助席らしいのも出されていた。

はじめのうちは家族や、親戚の応援がてらの参加者が多かったと思うが、最近は中学校、高等学校の吹奏楽部、ブラスバンド部らしい参加者が目につくようになった。
今回は小学生の姿もあり、小学校から吹奏楽部やブラスバンド部があるようだ。ブラスバンドの存在感が着実に広がっている。

開演前のホールの様子。 満員御礼のようだ。

プログラムは以下の通り。

・オープニング
・翼をください
・カーペンターズ・フォーエバー
・アルメニアン・ダンス・パート1
・幻想曲 シルクロード・・・OBによる演奏
・1年生 フレッシュコーナー (曲あてクイズも)

 休憩

・Introduction to Soul Symphony (楽器紹介)
・交響詩「ローマの松」
・故郷(ふるさと)
・ザ・ヒットパレード

ほぼ例年どおりのプログラム。プログラムにはない演奏もあったが、曲名がよくわからなかったので、ここでは省略。
丸谷先生は「私はあまり変えたくないのです。子どもたちは変わっていきますからね」
とおっしゃる。

プログラムに2016年7月7日の朝日新聞の記事が挿入されていた。
1年生の矢野さん、森口くんのトランペットの練習の様子が記事になっている。
この二人も今日のグリーンコンサートでは3年生として登場している。最後の演奏会になるわけだ。

受付でもらったプログラムに、ホルンの中本侑希さん、トランペットの矢野晶子さん(上の記事の矢野さん)の文責になる一文が載せられている。

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感謝。「新たな挑戦」

 皆様のおかげで60週年を迎えた淀工吹奏楽部ですが、私たちの過ごす環境にも大きな変化が訪れています。今までの”当たり前”がそうではなくなり戸惑うことも多い中、それでも私たちは情熱を強く持ち、前に進んでいこうと思います。
 これまでのご支援に深く感謝しつつ、これからの淀工の「新たな挑戦」を暖かく見守っていただければ幸いです。

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練習量日本一を誇ってきた淀工がむかえる新たな挑戦とは、それはクラブ活動としての限界が示されたからかもしれない。府立高校では部活動を行わない日を週に一日設けるようにという指示がでているというニュースを見た。それは運動部がメインのようだが、ブラスバンド部にも影響してくるのかもしれない。

演奏はきらびやかで、迫力があった。
前の座席なので、部員の姿がはっきりと見える。
コントラバスの一音一音がはっきりと聞こえてくる。低音の魅力と迫力がよく分かる位置だったので、よけいに音に包まれるという感じだった。

3年生の演奏はさすがだった。一人ひとりが楽しみながら一生懸命に演奏しているのがよくわかった。打楽器の部員が本当に楽しそうに口を大きくあけて、歌を口ずさみながら、タンバリンを叩いている。ソロで演奏する部員の誇らしげな姿が、私の体もピシッとさせてくれる。

OBの演奏する「シルクロード」はNHKのTV番組を見ているようだった。私の直ぐ側にみえたコントラバスの演奏者は、楽譜を食い入るようにして見ながら演奏していた。その迫力はまたブラスバンドの新しい魅力を発見したみたいに思えた。

淀工の吹奏楽部は男子が女子よりも多い。 多くの学校では女子のほうが多いようだが、ここ最近の淀工は男子生徒の部員が多い。体力勝負になると男子が多いと得なのかもしれないと思ったりする。
左の写真はプログラムの裏表紙からのもの。

恒例の三三七拍子の応援、1年生部員のダンス、年々上手になる。丸谷先生は「そろってません」とおっしゃるが、中学校でダンスが体育で教えられるようになってからぐっと上手になったと思う。それ以前のコンサートでのダンスもみているが、それは確かに「そろっていません」でした。

・・・・・ 山の頂上は、人にその道の険しかったことを忘れさせます。
 その最後のステージに立って、君たちは何を感じているのでしょうか。
 いろんな苦しかったことは、今は懐かしい思い出ですね。  
・・・・・君たちの前途に幸多からんことを祈ります。

最後の「乾杯」はいつ聞いても感動する。
「苦しかったことが、今は懐かしい」
そんなふうに思える人生を生きてほしい・・・・多くの人たちのメッセージが伝わってくるような演奏であり、観客の人たちだった。

チコちゃんから「ぼーっと生きてるんじゃないよ!」と怒られないように、しっかりと生きていこう。高校生のエネルギーによって、私の背骨がしゃんとなったような気がした。

 

本物を聴く、見る

上方演芸特選会

1月の歌舞伎の後、観劇に行く機会が多かった。
まずは文楽劇場の小ホールであった「上方演芸特選会」。
たまたま知り合いで、チケットを購入したが用事ができて行けなくなったというチケットが、まわってきた。
文楽劇場へは、文楽を見に行くことはあったが、小ホールへ行くことはなかった。
小ホールは、繁昌亭ぐらいの大きさで寄せとしては手頃な大きさだと思った。
プログラムは右のポスターのとおり。
会場の雰囲気は、繁昌亭とはすこし雰囲気が違うような気がした。

落語の桂坊枝(かつらぼうし)さん、ああなつかしい。桂きん枝さんや、桂文珍さんたちが若いときに一緒に活躍していた人ではなかったか。ご本人には失礼だと思うが、久しぶりに聞く名前だった。しっかりとした古典落語で、妻が「ずーっと落語をやってはったんや」と感心した口ぶりで話していた。

奇術のキタノ大地さん、初めて見る手さばきに感心した。会場から万雷の拍手がわく。
マジックと言わずに奇術というのがいい。またバックの音楽がそれらしくシャレードなどが流れてきて雰囲気が盛り上がった。
私は目の前で鳩が出てきたときには、「あーっ、本物の鳩や!」と思わず声が出た。テレビや映画でマジックを見ることは多いが、自分の目の前で鳩が出たり消えたりするのを見たのは初めて。

ラストの海原はるか、かなた師匠の漫才は、テレビでネタだけのものをみたことはあるが、20分におよぶ本格的な芸を見たのは初めて。
さすが師匠の芸だ。話のはこびやボケとツッコミの見事さなど、「ああ、これが本物の漫才だ」と感心することしきり。
会場の大きな拍手がそれを証明していた。

リバティー・アートフェスティバル

リバティおおさかで、大阪市内の小中学校を中心とした子どもたちの演奏・演劇の発表会があった。私が見た演奏プログラムは以下の通り。

・平野北中学校軽部       「Believe」・「HEIWAの鐘」
・住吉川小学校芸能クラブ
   和太鼓演奏
・天王寺中学校夜間学級
   ウリマダン
・中浜小学校民族クラブ
   プンムル
・カッチコルム
   サムルノリ
・長橋小学校和太鼓クラブ
   和太鼓演奏
・中野中学校軽音楽部
   ハピネス・愛をこめて花束を

予定があったので途中で退席したが、このあとに演劇や教職員の演奏がプログラムにはあった。
久しぶりに子どもたちの(夜間中学校の生徒さんもいたが)元気な姿を見た。
小学校の低学年から和太鼓や民族楽器を使って演奏しているのは、見ていても清々しかった。学校でのいろんな課題や困難を聞く事があるが、そのなかで真面目に熱心に取り組みを進めている子どもや教職員がここにいる。
そしてその取り組みを交流し、演奏会をもつ機会がある。
そこで汗を流す人達がいるのを見て、まだまだすてたものじゃないとホッとした気持ちになった。

第45回淀工グリーンコンサート

1年ぶりのグリーンコンサート。
フェスティバルホールは大入り満員だった。
淀工吹奏楽部の演奏会には1年に1回ぐらいは来るようになってもう数年になる。来るたびにその人気の凄さに驚くが、今回もそう。でも見に来る人達の年齢層が高齢化しているような気もする。子どもがブラスバンド部だから、という時代から、孫がブラスバンドをやっているから来た、という人達が増えているからだろう。

指揮者の丸谷先生も、いつもお元気な姿を舞台で拝見するが、先生も歳を重ねてこられたなあと思うが、曲当てクイズで3階からの声を聞き分けるのはさすがだと思った。

曲目は恒例のものだったが、今回は第45回という記念の演奏会なので、淀工吹奏楽部のために作曲されたという、真島俊夫さん作曲の「コンサートマーチNumber1」からはじまった。
私がとりわけ印象深かった曲は、「大序曲1812年」。賛助出演として、岡山学芸館高等学校、三重県の皇學館高等学校のブラスバンド部が協力演奏をした。
総勢200人を超えると思う演奏は、フェスティバルホールを音楽の響きで満たした。この曲目は淀工の演奏会で何回か聴いたことがあるが、今年の演奏は圧巻だった。体温が上がってくるような感動を覚えた。

最後の「ザ・ヒットパレード」は、アルゴリズム体操やラジオ体操、そして稀勢の里の優勝を祝った三三七拍子など、笑いや手拍子のある、高校生ブラスバンドの若々しさのある演出だった。
最近感じるグリーンコンサートは、歌がうまくなったこととダンスが以前と比べてたいへん見栄えがするようになった。以前は「楽器は上手だが、このダンスは、この歌い方は?」と思うこともあったがこの数年はたいへん上手。これも中学校の体育でダンスが必修になったからか?と中学校教育の成果を見る思い(?)。

いつも感じるのは部員たちの姿勢の良いこと。演奏する姿、楽器を持っている姿、移動する時の姿勢の良さ。最初の「翼をください」の手話をする部員さんの立ち姿も良かった。それは淀工部員だけではない。協力演奏をした岡山学芸館高校、三重の皇學館高等学校の部員さんもそう。楽器を持ったらピタリとして動かない。演奏し終わった後もその姿が続く。

「山の頂上は、人にその道の険しかったことを忘れさせます。
 その最後のステージに立って、君たちは何を感じているのでしょうか。
 いろんな苦しかったことは、今は懐かしい思い出ですね。
 ・・・・・君たちの前途に幸多からんことを祈ります。」

卒業する3年生が舞台最前列にならび、演奏される「乾杯」はいつもながら感動を呼ぶ。

演奏会の後、喫茶店でお茶を飲んでいたとき、初めて淀工のグリーンコンサートを聴きに来た人が、「本当に良かった。私は思わず涙が出てきました・・・」と話されていた。本物は感動を呼ぶ、あらためて私はそのことを実感した。
3D映画、4Kテレビなど、高密度・高画質の映像やハイレベルの再生音が宣伝されていて、身近ですばらしい芸術作品が鑑賞できると言われている。ついその気になっていたがとんでもない。本物はやっぱり本物。本物の力は凄い。
機会を見つけて本物に触れるということをしなければ、と思わされ三つの舞台だった。