子午線の町 明石

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この写真は9月22日の日の出。秋分の日の前日。右の山は二上山。
秋分のは真東から日が昇り、真西に日が沈むといわれている。
本当なら23日の日の出をとっておきたかったが、お天気が心配だったので(朝日は山にかかる雲に影響されることが多いので)、前日に撮っておいたもの。
秋分の日には、前から行きたかった明石の天文台に行った。
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明石は「東経135度の子午線が通る町」として有名。ところで子午線という言葉はどこから来たのだろう。
入場の時にもらったパンフレットに説明がある。
「古い時代、方位や時刻を十二支で表し、真北を子(子丑寅卯辰・・の子)、真南を午と呼びました。つまり子午線とは真北と真南を結ぶ線のことで、いわゆる経線のことなのです。」とある。

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さらに子午線と時刻についての説明がある。
「太陽が真南にある時を正午とすると、日本各地の時刻(地方時)は図のように経度によって異なります。交通や通信が発達してくると、地方時(太陽が南中した時の時刻を12時とすると、その土地々々によって南中する時刻が違ってくる)を使っていては大変不便なことから、明治21年1月1日から東経135度子午線上の地方時を、日本全国で使うことになるました。これが日本標準時です。明石市立天文科学館は、東経135度の子午線の真上に1960年(昭和35年)に建てられた「時と宇宙の博物館」です。高さ54mの高塔は、そのまま日本標準時子午線の標識であります。登頂には直径6.2mの大時計があり、いつも正確な時刻をしらせています。」

天文科学館のパノラマ展示によると、135度の子午線の上には、明石の天文科学館以外にも幾つかの記念碑などがある。

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このうちの幾つかを見て回った。
これは館内にある135度の子午線の表示。IMG_8247

これは郵便局の駐車場にある135度の線。郵便局の床にも線を引いているのかな?と思ってしまう。 IMG_8252

郵便局の前、道路にそって角柱の標識がある。その中に収められているのが「日本中央標準時東経百三十五度子午線通過標」というもの。 IMG_8250 IMG_8254

覆いの一部が透明になっていて、中に保存されているものが見えるようになっている。

そばにある説明を読むと、
「この標識柱は、神明国道(現国道2号)が開通した際に、天文測量(1928年測量)で定められた子午線を示す標識として、1933年(昭和8年)に建立されました。
鉄筋コンクリート石張造で、トンボの標識(天文科学館北側)同様、当時としては、斬新なデザインでした。
・・・・・
本標識は、平成19年3月に明石市指定文化財に指定されました。現在、調査のため覆いの一部を透明板にしています。」

下の写真は、子午線交番と「日本標準時子午線通過地の標柱」

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標柱の横にある掲示板にはこのような説明があった。
「明治17年(1881年)、ワシントンでの万国子午線会議において、世界の標準時についての取り決めが行なわれました。 日本では、この決定にもとづいて、明治21年(1888年)1月1日から東経135度子午線上の時刻を日本標準時として使用することになりました。 当時、一般市民は日本標準時子午線が明石郡内を通過していることをよく知りませんでしたが、この事の重要性に気づいた明石郡小学校の先生方が、自分たちの給料を割いて建設費を負担し、明治43年(1910年)にこの「子午線通過地標柱」設置しました。」
学校の先生達の意気込みが伝わってくるかのような、立派な標柱だった。

そして最後の写真は、近くの駅(山陽電鉄人丸前駅)の構内を横切る、北緯135度子午線の表示。

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マンホールのフタも子午線の町明石をデザインしたものがあった。 次は天文科学館の施設で見たものを書いてみたい。

 

 

 

 

日時計 その5

円環(円筒)型日時計

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この日時計はJAXAのキッズサイトにあった。
http://www.kids.isas.jaxa.jp/ex/sundial/
宇宙科学研究所 キッズサイト

円環を手作りで作るのはちょっと難しい。
そこをペットポトルを使って工夫していたのが明石の天文台のクラフト。

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http://www.am12.jp/support/gakusyushiryou/hidokeidukuri.html

牛乳パックを自分の緯度に合わせて切り、透明なペットボトルを目盛りに使うという方法。
実際に作ってみると、影がおもったほどくっきりとは見えない。やはりペットボトル越しに見るからだろうか。

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調べてみると他にも自作の円環型日時計があった。

これは「身近な自然と科学」というブログにあったもの。

厚紙を使い、自分で計算して大きさが決められる。丁寧な解説もあり作りやすそうだ。

http://homepage2.nifty.com/luminaries/guidance/kousaku_enkangatahidokei.htm

 

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岩波書店の「数理つれづれ」という本には(森口繁一著)、第4章「地球儀・天球儀」に著者自作の円筒式日時計の作り方がのっていた。

これは「台所にあって、たまたま用済みになった海苔の筒を真っ二つに鋸で切ったもの」と説明がある。
市販の方眼紙の厚紙やセロテープで出きる。
時刻の目盛りの作り方も図解入りで説明がある。
円環(円筒)式の日時計はデザイン的には美しいものだが、自作となると円環の精度をきっちりとだすのが難しい。

 

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円環型日時計の説明がきちっとある実際の日時計。均時差の説明もあり良くわかるようになっている(説明板には近時差、と書いてあるが均時差の間違いでは?)。

どこにあるのか? 
なんと大阪市立科学館の展示物。北側駐車場隣接広場にある。
今年の8月6日に訪れたが、草がほうぼうに生え、手入れもされていない状態。 なんとかならないかなあ、と思った。

 

 

日時計 その3

平面型日時計 

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今回は平面型日時計。
ペーパークラフトのホームページは、キャノンサイエンス・ラボ・キッズ。
ここには作ってみたいペーパークラフトがたくさんあって、うれしくなる。

http://web.canon.jp/technology/kids/experiment/e_07_02.html

ここにある平面型日時計を作ってみた。

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型紙を少し厚めの紙(ペーパークラフト用)に印刷し、指示通りに切り抜く。

時刻ごとの線で切り抜くので、少し手間がかかる。
しかし小学生レベルのようなので、それほど心配することはない。ただ丁寧に切り抜くことがあとの完成度に関係するのは事実。

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時刻を示す影を作る部分(ノーモン)は、自分のいる場所の緯度に合わせて改良版にした。

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磁石で北を調べて設置。 ノーモンは緯度に合わせて作ったが、文字盤の時刻線は東京のものなので、時計の時刻とこの日時計の表す時刻にズレが有ることが確認された。

ではもっと正確な平面型日時計はできないものか。

調べてみると、ありました。
Sundial Maker 3.04 (世界対応版)で、Vector(ベクター)からダウンロードできる。

http://sigbox.web.fc2.com/software/sdmaker/index.html

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ペーパークラフト用の紙にプリントアウトするか、コピー用紙に印刷したものを厚紙やダンボールに貼り付けてもいい。 正確さからいうと、厚紙にプリントアウトするほうが手間がかからないと思う。

このソフトは、左にあるソフトの設定画面のように、自分のいる場所の緯度や経度に合わせて日時計を作り出してくれる。
日付指定もできるし、経度や均時差の補正も自動的にしてくれるすぐれものだ。

このSundial Makerを元にして作った平面型日時計を、正確にするためにどんな工夫をしたかというブログを発見したので、紹介しておく。

http://vicdiy.com/products/s_dial/s_dial.html

「日時計は正確ではない」という認識は間違っている、と根拠をあげて説明されている。手作りのおもしろさが発揮されている。
日時計を作るとき、その誤差について考えるためには、是非とも参考にしたいブログだと思った。